8月8日(木)のつぶやき(読んだ本、『いつも彼らはどこかに』)

@rinakko 10:07
【いつも彼らはどこかに/小川 洋子】を読んだ本に追加

 とてもよかった。動物もの…というところで手に取るのを躊躇っていたけれど、どうしてどうしてやはり違う。流石。タイトルを見かけて楽しみにしていた「断食蝸牛」は、気持ち悪さがすこぶる好みでツボにくる作品だった。落丁図書室も、途中で出てくるパンの場面も凄く効いているし、ラストも素晴らしい。他にとりわけ好きだったのは、「帯同馬」や「ビーバーの小枝」。
 直接動物が出てこない話でも、その姿を想像するだけで、不思議な存在感に包まれる。彼らの慎ましい気配に触れて、ふくりと気持ちが温まった。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )