イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

切るぞ、おやすみ

2008-05-20 19:18:16 | アニメ・コミック・ゲーム

『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP1418730~)を通して見てもうひとつ、これ最高だなと思ったところがあります。

カマ蛮機をヒューマンワールドに差し向け、セイレーンの歌声よろしく、疲れた人間たちを仮想温泉に取り込んで抜けられなくさせ、骨抜きにしようというケガレシア様(及川奈央さん)の作戦を「なんだこのマヤカシは!だらしないー!!」一喝でふっ飛ばした謎の道場主・藤尾万旦(『555』ではスネークオルフェノク海堂の最初で最後の犠牲者となった町工場社長・永田耕一さん)の道場に、ケガレシア様がカマを伴って偵察に入るも、結局実質何の謎も秘伝もなかったというところ。

変身ヒーローものとして見れば、変身戦闘能力のない一般人である藤尾万旦に、一般人だからこその、体を苛めてつかんだ何かの奥義があって、それがガイアークの強力作戦を破るヒントになり、ゴーオンジャーたちも敬服して「オレたちも装備や武器だけに頼らないで、精神を忘れずにこれからも闘わなきゃな」「忘れがちなことを思い出させてくれて先生、ありがとうございました」で終わったほうが古典的で据わりがよさそうに思いますが、我らが『ゴーオン』、そんな陳腐な転結にしませんよ。

この藤尾先生「日常の中に極意あり!」「いっさいの楽しみを捨て去り、つらさや苦しみを喜びとする、強い心を育てる修業を授ける!」と謳いつつ、範人(碓井将大さん)たちに薪割りさせて自分はグースカ居眠りしているような、ただの標語倒れな迂回ドM?オヤジだったのでした。もちろん夜は夜でグースカ、ウサ耳つきピンクの着ぐるみナイティで眠ってるし。ドMというより微量変態かもしれない。

結局、ガイアーク体に戻ったケガレシア様のパンチ一発でノビてしまい、外でゴーオンとカマが駆け足戦闘やってる間じゅうノビていて、終わった頃に目が覚め、「冷奈さーーん!(←ケガ様人間体)」と飛んで戻って来た範人に踏んづけられてまたノビてる始末。どこが修業やねん。ゴーオンジャーが学んだのは、藤尾先生よりむしろ“どんな状況でも楽しんだ者勝ち”といういつもの範人の姿勢のほう(軍平だけは最後まで「オレはそんないい加減なの認めないぞ!」と言い張ってましたが)。

そもそもケガ様のカマ蛮機作戦自体、人間に“疲れた、怠けたい、のんびりしたい”という弱さがあることが前提になっていて、ほとんどそれだけにかかっているので、藤尾先生のような「つらさや苦痛を喜びとする!」てなヘソ曲がりドMな人間がいたら、変身装備なんかなくても「だらしないー!!」怒声一発で幻想温泉が崩壊する、脆弱と言えば脆弱な仕掛け。

もちろん冷奈さんと出会って心うきうきの範人のように「温泉で癒されるより、もっと楽しいこと見つけたんだ」でも崩壊。要は人間が元気で何につけ楽天的でさえあれば効かないという、他愛無い作戦だったのです。

逆に藤尾先生の提唱する「修業の最後は、滝に打たれるのだ!」を“これがワラワの作戦を破った秘密か”と勘違いしたケガ様の命令で滝修業させられたカマ蛮機が、根拠なく「雑念を捨て!…悟った!…ような気がするワ~」と本当にパワーアップしてしまうなど、敵もヒーロー側もすべて“気の持ちよう”で攻勢かけたり、劣勢になったり優勢になったりしているという爆笑ものの筋書き。それこそ『湯屋番』じゃないけど、古典落語にこういうのありませんでしたっけ。むしろ昔話の『裸の王様』と発想が近いかな。

GP11のアンテナ蛮機もそうでしたが、“邪悪方面に特化した機械文明”であるガイアークの作戦が、不思議に物的ハード的よりも、人間の心・精神のほうにターゲットを絞って攻撃を仕掛けるものが多いのも興味深い。今GPも、人間化したケガ様=冷奈を、炎神スピードルが「あの女、どこかで見たような気がしないか?」と言っているのに、走輔(古原靖久さん)は「あんな美人なら一度見れば忘れないはずだけどな?」と、“ものを見る、考える、いちばんしっかりしなきゃならないのは人間というメッセージをさりげなく織り込んでいます。

それにしても、範人が冷奈に道場のバルコニーで告白する差し向かい場面などを見るにつけ、範人役の碓井さんはこの3ヶ月ぐらいでも目に見えて身長が伸びました。平成3年生まれ、昨年の暮れに16歳になったばかり。いまなら毎日ご飯食べて寝て起きたら伸びてる、ぐらいの勢いでしょうね。

走輔役の古原さんは、放送開始前に撮ったOPでは、抜けるような色白お肌のせいもあって、戦士、それもレーサー出身にしてはちょっと顔が丸いかな?と思ったのがどんどん小顔に、締まって来ている。ヴィジュアルもかっこよくなる一方のゴーオンジャーたち。次回からガイアーク勢にも新キャラ参加ですって。ヨゴシュタイン様の副官とか。「ルネッサーンス」の髭男爵みたいになるのかな。ますます目が離せません。

『花衣夢衣』37話。真帆(吉田真希子さん)は「澪(吉田真由子さん)には知られないように」「私たちの愛は、2人だけ一生の秘密よ」と将士(眞島秀和さん)と言い交わしてはいますが、本音は“早く何もかも露見して将士さん&澪の家庭もぜんぶゼロ、カオスになってほしい”“誰か気づいて暴露してほしい”のでしょうな。でなければ36話でのようにあんなにバレやすい近場で待ち合わせラブラブ不倫旅行出発したり、将士が澪に電話していると察した途端後ろからガー抱きついたりしないはず。不倫を不倫のままもたせるのに必要なのは情熱より計算力、行動制御力なのです。それが無いなら壊すしかない。

いま思えば、水上先生(宮内洋さん)がすすめた見合い相手の家紋職人・西山(山崎秀樹さん)は、20歳真帆(尾崎亜衣さん)に「もっと自分を大事にしろ、きっといい仕事ができる」との思いやりがあったなら、どんな声出して泣かれようが、なだめすかして1回は抱いてあげとくべきでしたね。不幸な米兵暴行事件以降、男の体を怖れ遠ざけ、肌を触れ合う味を知らないまま、33歳で初めて初恋の人と結ばれてしまったから、もう真帆、ブレーキがかからないんだよ。

いちいちチェックしていたら俳優さんたちの演技力以前に、脚本がスカスカだということがいくらでも検証できるこのドラマですが、とりあえず、“異性を好きになったら会いたい、結ばれたい”“結ばれたら別れたくない、捨てられたくない”という男も女も共通の自然な感情、情念に正直に筋立てが組まれてる分、月河は一応好感を持って視聴続けています。

この枠前作の『安宅家の人々』や06年『紅の紋章』のような、主人公たちが思想信条先行の頭でっかちで、“大切なもの(家族・家業・親友・故人の遺志など)を守るため”“余命が短いから”などのこじつけ理由で、「人間、普通この状況でそうは思わない考えないだろう」「その行動はないだろう」という言動を善意でし合っては状況をいよいよ複雑に、解決困難にしていくドラマは、堂本剛さんじゃありませんが正直しんどい。

とことんいっちゃえ真帆。暴れちゃえ澪。頑張れ将士、祐輔(溝呂木賢さん)、安藤(長谷川朝晴さん)の男性陣。人間の隠し看板無い情熱や嫉妬、悪意、欲求をぶつけ合ってこそのこの枠です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

卯の花の匂う垣根に

2008-05-19 16:49:46 | アニメ・コミック・ゲーム

中国・四川大地震の建物倒壊惨状のもととなった“おから建築(豆腐渣工程)”の話をネット解説記事で読んでいたら、怒りと恐怖とともにむらむらとおからが食べたくなり、デパ地下の行きつけの豆腐屋さんを3軒ほど回って買い集めてきました。

おからはご存知の通り大豆からにがりを使って豆腐を作る過程で出る副産物なので、当然のように各製造元ごと、使う大豆の品種やグレード・製法が違うごとにおからの風味や匂い、食感も違います。よっていくつかのお店のおからをひとパッケージずつ買ってブレンドして作るのが我が家流、というか月河流。

しかしこのおから、お値段も優等生ではありますが、料理として完成するまでに要するエネルギーもスペシャルでありまして、まず牛蒡・人参・薄揚げ・コンニャクと具材をトンカラ刻み根菜系はアクを抜き、ヒジキや高野豆腐・干し椎茸などは水でもどしつつ、おから本体は水気を完全に飛ばしながらも焦げないギリまで炒りに炒り、一方では鰺(あじ)節でダシをとり生姜も細かーーく刻んで残りは下ろし、汁を絞ってダシに混ぜ…月河が自宅でどうにかイチから作って人サマに晒せるレパートリーの中で、手間ヒマ・火力・水力・時間、全種目制覇の完全優勝に限りなく近い存在でありましょう。

フルマラソンの選手は42195㌔走る中で何度も「自分はなぜこんな思いしてまで走ってるんだろうか」と自問自答するといいますが、月河もおからを作るたびに「自分はなぜおからなんて作ろうと思ったんだろうか」という疑問が必ず脳裏を去来します。今回はとにかく四川大地震が悪い。悪いっつったら悪い。

もう何十年前だったか忘れましたが、家庭科か社会科の先生だったと思うのですが、「乳製品を作る過程で出る“スキムミルク(脱脂粉乳)”の消費量をいまの倍にできれば、生乳をはじめバター・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品の売値は半分にできる」という話を聞いたことがあります。しかしスキムミルクは飲んで不味いし料理法のバラエティもあまりないので売れない、それがネックで乳製品の価格を下げ渋らせているのだ、と。

まぁ原料乳生産調整ミスだっつって全国の店頭から一斉に家庭用バターが消えるような2008年の日本では、スキムミルクが多少どうこうなったぐらいで乳製品の値段を下げてくださる、人のいい乳業メーカーは無いと思いますが、“製造加工工程で出てくる残滓”を商品化することで製品の価格が下げられるというなら、“おから”のもっと手間ヒマ火力消耗しない、かつ美味しくおシャレで見映えするレシピがもう50品目ぐらいあれば、豆腐や揚げやガンモドキ等の大豆製品も相当安くできる筈です。

食料自給率の低さ、諸表示の信憑性をはじめとする“食の安全”がいまさら問題になっている昨今、安くなればいいってもんじゃないですけどね。

そう言えば何年か前、鳥取県だかの町議会か村議会議員選挙で「オカラ」と書かれた投票を「オレは“オカダ”だからオレの票だ」「いやいつも牛の餌にオカラを与えていて、村の人がみんな知ってるからオレの票だ」と争って裁判になった、って話題があったように思いますが、アレ結局どうなったのかな。

『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP1418730~)。飛ばすねぇ。この番組のどこが好きだって、出すと決めたら出し惜しみしないことです。今話も炎神ソウルとキャストの入れ違い→ゴーオンジャー、相棒ソウルの入ったキャストに搭乗するも、操作の勝手が違って苦戦…というモチーフだけで1エピないし2エピいける濃さがあるのに、惚れた彼女に早く会いたいために急ぐ範人(碓井将大さん)の「元に戻してる時間が惜しい、いいや、このままいくよ!」で走る走る。

カマ蛮機の攻撃にエンジンオー横転、走輔(古原靖久さん)「やっぱダメだ!」にも範人だけ「大丈夫ダイジョーブ、いけるいける!」「やっぱり真ん中(のコックピット)は気持ちいいなー!」、スピードルのキャストに入っちゃったバルカも「ボクもなんだかえらくなった気分バル~!」、キャストが違ってると気がついたときの炎神たちも、ベアールV(バスオンに入ってキャストはキャリゲーターに)「乙女のカラダ返してぇ~!!」、ガンパード(バルカに入ってキャストはバスオンに)「ス、スパゲッティ・ウエスタン?…」と美味しいリアクション続々。乏しいアイディアをふくらませてふくらませて、つないでつないで1話もたせるのではなく、1話いっておつりの来るアイディアを終盤クライマックスの23分にぎゅう詰めしてしまう贅沢さ

ピンチになるとおカマ言葉になる風呂釜型・カマ蛮機、横転したときにお湯がこぼれて空焚きで自滅してしまいましたが、最後に落語の『湯屋番』よろしく「お湯屋の兄さん、カマがこわれて早じまい」って言ってほしかったな。小さいお友達も大きなお友達もさすがにわからないか。

範人=グリーン主役のお話とは言え、実質の主役は、汚石冷奈(けがれいし・れな)として、初めて人間体も見せてくれたケガレシア様(及川奈央さん)だったと言ってもいい。萌えメガネにタイトスカートの人間体1stシーンで、チャームポイントのお鼻のホクロだけでは識別できなかったお友達のために、次のカットではカメラが背後に回って後頭部のホイール型髪留めを見せてくれるという親切さ。あの髪留め、グッズとして売ってくれたら欲しいですね。

「美しく清らか」という褒め言葉が死にまさる侮辱になるらしいガイアーク乙女のケガレシア様。なんだか“愛する男と交わると、その男を食い殺さないと人間体を保てない”『キャット・ピープル』を思い出します。ちょっと極端か。

ラスト、最後まで自分をケガレシアと気がつかなかった範人の言葉を思い出し、水に映ったガイアーク体の自分に「清らかだと…フンッ!」と鞭をくれしぶきを上げる彼女の1人映りから即エンディングテーマへ。置き去りにされたような終わり方に一種の余韻を感じた大人の視聴者は多かったと思います。これで範人との間にフラグ立った?なんてのは小さな問題。

もっぱらグラビア・AVと成人男性向けフィールドで活躍してきた及川奈央さん、『ゴーオンジャー』のこの役が決まったときは「子供番組にレギュラーで出られる」と郷里のお母さんに電話して泣いて喜び合ったそうです。気持ちわかるなぁ。モーパッサン『脂肪の塊』とかデュマ・フィス『椿姫』なんか思い出してしまう。需要のあるものを供給して、喜ばれたはずなのに、喜んだ層の人たち(元・青年→おじさま)から一段低く見られ、軽んじられるってせつないよね。

その意気込みのせいもあるのか今作の顔出しキャストの中では及川さん、いちばん演技が本気だと思います。今作をきっかけにお茶の間やゴールデンのメジャーな分野でも活躍が増えるといいですね。

そのほかにも軍平(海老澤健次さん)の「オレたちは戦士だ!喜びも悲しみも、楽しみも気持ちよさも、ぜんぶ昨日に捨ててきたんだ!(←赤青黄誰も同調せず)」→(カマ蛮機の仮想温泉に取り込まれて)「キモチよすぎる~」→(冷奈に逃げられた範人に)「…カッコ悪すぎる」のほか、温泉帰りで寝惚けモードの青黄黒「えんじんそうる、せっと(低テンション)」、ケガレシア様の作戦むなしく初戦敗退したカマ蛮機を前に、叱るどころか「人間に負けて帰ってくるとはァッハッハ~」「“3日で人間どもを消して見せるで汚じゃる”と言ったナリな~?」「腹筋が痛い~」まで笑い転げるヨゴシュタイン様・キタネイダス様の根アカ明朗快活ぶりなど、見どころ味出しどころ満載でした。

…って、“明朗”も“快活”も、ガイアークには侮辱になっちゃうのかな。「陰湿でヒネクレてて底意地悪い」って言ってあげたほうが褒め言葉になるかしら。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はじめましてベンズです

2008-05-17 21:31:24 | テレビ番組

『爆笑オンエアバトル』152440~)、新年度第7戦。なかなかよかったですよ。年度替り後いちばん充実して、視聴後満足度が高かったように思います。今回初めて聞いたわけでもないのだろうけれど、MC小松宏司アナの計量前の皮切り惹句「笑いの総合格闘技、『爆笑オンエアバトル』!」も、他局バラエティを中心に巷にはびこる一発ギャグ・瞬間芸・キャラ芸至上主義の流れと一線を画しようという、番組の性根宣言のようで、軽く胸のすく思いでした。

いちばん笑ったのがジャルジャル5441kbとさほど玉数は伸びませんでしたが、久々再生中に声出して笑いました。月河が基本的に“勘違い”“認識違い”の生む可笑しさ、時に恐ろしさが観ものとして大好物ということもあります。

“幼なじみなのに大人の現在まで1歳差に気がつかなかった”という、ありそうでないこともないけど「よく考えたら、やっぱり無いだろう」というところからまず始めて、名字間違ってる→フルネーム間違ってる→職業間違ってる…と認識のズレ暴露をエスカレートさせて行く過程で、“血液型”という、間違って認識しててもさほどおかしくない項目をしっかり挟んだ辺りにネタ作りの堅実さが表れています。

やりとり全体が関西弁「~やわ」「~やん」の“ほにゃらかぶっちゃけ調”というのも勝因かも。これ系のネタを得意としていたアンジャッシュが、同じ台本で共通語で演ったとしてもちょっと成立しにくいでしょう。

THE GEESEが久しぶりにover5001509kb。この人たちのネタは若干当たり外れがあって、長身のボケ尾関のたたみかけるような、つんのめるような早口のセリフ回しがネタ本筋のテンションと噛み合うときれいにヒットしますね。以前オンエアの“彼女の父親に求婚の挨拶を、数字で言う男”なんかも典型的でした。

「サントスはまだ2年生じゃ?」「卒業式に年齢は関係ない!」で演順三つ前のジャルジャルと微妙に接点持ってたのも面白かったけど、「さくらんぼみたいですね」「黙れ」→「先生は…目玉焼きだ!」「そしておまえもおまえもこう…ロボットみたいになる!」ホワイトボードを使っての情熱的なプレゼンもとってもくだらなくて最高でした。尾関先生が「イワサキ、ウツミ、エノキド…」と選手もとい卒業生の名前を挙げるたびに、高佐が周りに生徒がいるかのように首を振ったり顔を向けたりする、とぼけた芸の細かさもこの人たちの持ち味。本気でこの卒業式“実戦”、見てみたいですね。

それから無傷の17連勝目を飾った流れ星3497kb。タカアンドトシの持つ記録18連勝にあと1勝と迫りました。ここへ来ての安定感はツッコミ瀧上のスペック向上でしょうね。パキパキポンポン二刀流ビンタ入り本気モードでツッコむところと、軽く半笑いで脱力気味にツッコむときの使い分けがうまくなってきたし、相乗するようにボケちゅうえいのお爺さんキャラ挿入も堂に入ってきました。タカトシを抜く新記録達成時に念願のover500が出るといいですね。それにしても瀧上演じるツンデレ女子はコミックから抜け出てきたようだ。

この番組に出る自体意外だった井上マー、今回で51敗ならいままですでに5回挑戦していたんですね。テーブルマイク後ろでカメラ目線、ヅラの耳上引っ張りながらハガキを読む仕草など、若手登竜門番組には不似合いなくらいクロウトっぽくこなれていましたが、尾崎豊キャラで叫んでいる以外のこの人を初めて見たので新鮮ではありました。

『下天は夢か』を口ずさみながら武将髷で登場したので織田信長キャラか?と思ったら、「ボクがリスペクトしてやまないノブナガ先輩」と家康キャラで来た、一種の名乗りオチ。ホットでヒューマンでシンパシーあふれるように見えて実はまるまるやっつけ上等な深夜ラジオDJ口調、この手の番組相当聴き込んでるなと思わせる演技力、でもそればっかりに寄っかからない、なかなか練られたネタですよ。チャンピオン大会で尾張五十万石を太っ腹プレゼントって、家康九男坊・義直の立場はどうなる。

どきどきキャンプ4453kbも、内容は悪くなかったと思う。しかしこんなこと言っちゃうとネタ番組ウォッチャーとしてある意味敗北宣言なんだけど、やはり、年齢でウケ度が左右されるネタってあると思うのです。“携帯片手にメールの受発信に一喜一憂”という経験を一度もしたことのない年代の月河なんかには、結構よくできたネタだとは思えても笑いが三割安になる。送信待ちで画面表示されているメールから、たとえば“なんちゃって”というワンフレーズを削って、また復活入力することを「つけ戻す」って言うんですね。初めて知りました。

ユニークかなと思ったのは、ともに携帯片手にそれぞれのメル友についての自慢やグチに花を咲かせながら、2(のキャラ)が全然仲よさそうに見えないところ。このギスギスガサガサした空気感、何かやってくれそうな匂いはしますよ。今回2勝めを挙げるまでにすでに9回のオフエアを食らっているという荒削りさも、今後の可能性ととらえることはできるでしょう。

 全体に、オンエアなったのが信じられない低空パフォや、ぜひ見たかった組のまさか落ちのない安定した回でした。

ところで先日、久しぶりに二十年来の知人グループからカラオケ有りの飲み会の告知が来たので、当時得意としていて内輪では結構ウケていた安全地帯『熱視線』を歌おうと思い、ネット上で楽曲つき動画を拾っていたら、当時のリードVo.玉置浩二さんは『花衣夢衣』出演中の眞島秀和さんにそっくりですね。いや、以前から細め切れ長の北東アジアンな目元は似ているなとは思っていたのですが、特に横顔の、鼻からクチ元もそっくり。

いま『花衣~』で演じておられる役柄も、若くてモテてやんちゃだった頃の玉置さんにキャラとして相通じるものが………なくもないこともないこともないか(どっちだ)。

♪ 引き止める指先 忘れられなくなる夜に 踊ろう… の「踊ろう」を、 おどーッろォッホォッホォッホォッ…と歌うのが気持ちよくて、この曲好きだったんですよ。そこんとこにさしかかるとお店のおネエさんたちから黄色い声が飛んだりもしたんだけど。

……………あのころ君は若かった。そしてみんなでバカだった。あのキーでまだ歌えるかな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やったぜ$$

2008-05-16 19:27:13 | アニメ・コミック・ゲーム

いきなり昨日の記事に訂正。オリンピック競泳日本代表の水着を改良仰せつかっているのは、“アディダス”じゃなくて“アシックス”でした。あとデサントですか。SPEEDOのドーピング水着に対抗できる新作、間に合うかな。ものづくり立国・日本の意地にかけて頑張ってほしいものですね。

この訂正のために手もとの新聞記事類を遡って読むと、くだんのSPEEDO製品、商標はLASER RACER(レーザーレーサー)というらしいですね。うわぁ『ゴーオンジャー』っぽい。SPEED KING走輔とスピードルのレッドコンビが対抗意識燃やしてそうだな。「レーサーってのに泳ぐのかよ!泳げねぇよオレ!(←設定知らないけど)」「まーた錆びちまうよ、帰ろうぜドルドル!」みたいな(………)。

ものすごい伸縮強度の高い素材で、肌が透けて見えるくらいめいっぱい伸ばして伸ばして着用するので、身体の締め付け感が半端なく、競技が終わるとあたりかまわず背のファスナーを下ろす女子選手も多いとか。オリンピックの見どころがひとつ増えましたぜ、お父さん。

 出かける前にこんなことを調べようといつもより少し早起きしてTVをつけると、NHK朝の連続テレビ小説『瞳』に安田顕さんの顔が見えました。地元ではFMラジオのレギュラー番組や中央競馬札幌シリーズの重賞スタジオゲストでおなじみ、チームナックスの顕さん。実は数少ない“地元で見かけた有名人”の1人です。

もう56年前になるかもしれませんが、市内を車から降りて営業中、横断歩道の向こうに立っているのは…アレ?ヤスケンさん?似ている別人?でもそう言えばここ、ナマ放送を毎週やっている放送局の近くだし…と考えている間に信号が青になり、向こうはこっちへ、こっちは向こうへ、歩いて距離がせばまっていくうちに、あぁやっぱりご本人だわ、と確信した瞬間バチッと目が合ってしまい、思わず「……(ジロジロ見てて不快に思われたかも…ええいこの際!)こんにちは!」と元気一杯笑って会釈してごまかそうとしたら、あちらも「…どうも!」と、微量“よくわかんないけどとりあえず”なニュアンスではありましたが笑って会釈返してくれました。

チームナックス一の“ルックス(だけ)二の線”押しの顕さん、競馬番組などでのキャラは若干天然バカっぽいけど、愛想のある、いい人だ。

暖色と寒色の争い。意味ないにもほどがある。朝っぱらからウケたなぁ。脚本家さんも安顕さんの持ち味をある程度わかってくれてるみたい。

瞳(榮倉奈々さん)のダンススクールパートナー・純子役で、06年の東海テレビ昼ドラ『紅の紋章』の満島ひかりさんのお顔も見えました。気の強い、ちょっと喧嘩ッ早い?女の子のキャラがよく似合っていて、オーディションのダンスシーンでは大柄で手足の長い榮倉さんよりキレよく決まっているように見えましたよ。『紅紋』では後半、何を考えているのかよくわからない、魅力の薄いキャラになってしまいましたが、ハリのある小さなお顔の輪郭にくっきりしたパーツ、南国系の美貌は、朝の時間帯に見るとまぶしいほどです。朝ドラヒロイン役オーデで榮倉さんに僅差競り負けてこの役?と思えるふしもあり、ぜひ飛躍のきっかけになってほしい。

その昼枠で現行放送中『花衣夢衣』35話。最近の真帆(吉田真希子さん)が、20歳の年に思い切ったはずの将士(眞島秀和さん)と思いを遂げて以降、結局不倫密会ズブズブでれでれ以外何もしていない、下半身の腐った女に見えてしまうのは、放送前さんざん強調され真帆少女時代もお話の中で称揚されていた“友禅作家”の部分が軽視され過ぎなせいもあると思う。

前にもここで書いたことがありますが、昼ドラって毎作“ビジネス”“会社”“生業”などの描写がウルトラ空疎なので、なおさら登場人物が“人間関係をドロドロ複雑にさせること以外何も仕事のない大バカ野郎&大バカ女の集まり”に見えてしまうことが多い。

そもそもこの時代に独立した友禅作家って、月間、年間に何作ぐらい、一作当たり何日ぐらいかけて、おいくら程度のギャラで、どういう層の顧客からのどんな注文で製作して、どんな場面でどういう人たちから評価されて生計が成り立つものなのか。

一流の作家と二流の作家、二流の作家と三流以下の作家では、仕事の技量、客層、オファーされる案件の契約額やグレードに、どれだけの差があるものなのか。

いまの真帆の生活費、将士とカレーを作るなどの食費、着物代、住まいは空き家を買ったから家賃は不要としても(昭和25年時制でパンパンガール・ゆかりが間借りしていた2階もあるはずですがノータッチ)電気水道代、固定資産税住民税、健康保険料などの原資は、目下かよっている安藤(長谷川朝晴さん)の工房から固定給プラス歩合ででももらっているのか。

別にいちいち画面で仕訳帳、損益計算書示してほしいわけじゃありませんが、真帆の友禅作家としての志の高さと、その道の才能が非凡な(らしい)ことは一部の尾崎亜衣さんで一応提示したのだから、高度経済成長時代ながらも若い女性の洋装化が進む昭和40年代初頭に、大消費地東京でひとり、大量生産の繊維工業とは一線を画し、手描き友禅一本で自立しようとする真帆の苦闘と切磋琢磨っぷりを、ちゃんと見せるべきではなかったでしょうか。

それがいっさい無いから、真帆が“昔の恋人の求愛に乗っかって下半身快楽と愛人気分に溺れる、倫理観ゼロのバカ女”にしか見えない。

思うに、このドラマ、脚本家さんや演出の監督さんが、特に昭和41年時制からの真帆に、人間として女性としてさっぱり惚れてないまま原作からの流し込み惰性で作ってるのだろうな。“(数々の悲運と逆境に耐えて腕を磨いてきた)新進女流友禅作家・沢木真帆”を愛して彫琢して書いていたら、こんな脚本になるはずがないもの。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

F・マーキュリーと光ゲンジも

2008-05-15 17:51:10 | スポーツ

聖火騒ぎが一段落してふと気がついたのですが、北京オリンピックってそもそも今年の何月の、いつ頃始まるんでしたっけ。スポーツ全般さほど高体温ではなくても、国際お祭り的なこと、特にTVや媒体を通じて大騒ぎっぷりを観察するのは結構嫌いではない月河も、開幕前気分がこれほど高まらないオリンピックは夏冬通じて記憶がありません。今年、年内にあることは間違いない、んですよね?

オリンピック“気分”の記憶と言えば、夏限定なら84年のロスアンゼルスがいちばん鮮明かな。80年モスクワのボイコットの後で実質8年ぶりの日本参加、ハリウッド俳優出身のレーガン大統領のもと、宇宙飛行士がロケット背負ってシュパー降りてきたりピアノ何千台連ねて一斉にガーシュイン『ラプソディ・イン・ブルー』を演奏するなどのUS流ド派手演出も話題で、当時の会社の上司の「顧客との商談のマクラとしてぜひ見るべし」(←テメエが見たいだけ)に乗せられるまま、先輩たちとハイタッチで休憩交代しつつ、昼間の再放送を空き会議室のTVで一度ならず見ました。当時のNHKのスタジオアンカーは、いまほどマッチョ押しじゃなかった草野仁さんだったと思います。

あとはNHK BSに加入した92年のバルセロナ。マラソンコースとか競泳プールなど、開幕前の会場ルポなんかも充実していました。モンジュイクの丘。ゴール前スタジアムまでは急傾斜急勾配。視察した日本代表チーム有森裕子選手が、先輩でチームキャプテンの谷口浩美選手に「谷口さんは首を傾けて走るから平坦に見えてちょうどいいですね、ってワタシ言ったんですよ~」と屈託なく笑っていた。

デーモン小暮さんがライヴついでに現地レポーターみたいなこともやってたな。週日95時の仕事でなくなって初めての年でもあったので、プロ参加が認められたテニスのドイツ代表男子ダブルス、ベッカー&シュティヒのウィンブルドン黄金ペアとか、同シングルス、スイスのマルク・ロセ対スペインのサンチェス兄のドロドロ決勝なんかも結構見てました。あのへんが自分の中で“オリンピック=スペシャルお祭り”と幸福な一致をみていたピークだったと思います。

いま現在、北京オリンピックについて聞き知っていることと言えば、

①:メインスタジアムは外形から“鳥の巣”と渾名され、いまだに工事が終了していない(←1ヶ月前ぐらいの情報)。

②:マラソン競技でいちばん心配されているのが市内の大気汚染で、プレ大会では選手のウエアが真っ黒になった。

③:中国国内情勢や環境をきらって、直前まで治安のいい(と、されている)日本に滞在調整、出場競技前日に現地入りする海外選手も多いらしい。

④:競泳界では英国SPEEDO社の“身もフタもなくタイムが詰まる水着”が「着るドーピング」と一部からブーイングされており、同社と契約していない日本代表チームが急遽、アディダスやミズノに対し、SPEEDOに太刀打ちできる新製品開発を要請したが、日数が足りなすぎ間に合うわけがない。

⑤:シンクロナイズドスイミングの元・日本代表コーチはいま中国代表のコーチになっており、先般「日本の強化姿勢は疑問」みたいなことを発言して物議をかもした。

………………あと何かあったっけ?日本代表選手で「この種目のこの人がメダル獲りそう」「メダルには届かないかもだけど要チェック」的な、ジューシィな情報はあるのかな。何となく、闘わずして各国・各選手の勢力地図が決まってるような空気もあるし、かつて女子競泳のスター選手が生放送の番組で堂々と揶揄ったような“メダル基地街”的なもてはやし方がすでに食傷されているのかもしれません。

スター候補、メダル候補にしても、いまは“萌え”“美談”“おもしろ”か、いずれかの要素を持っていないと、メダル獲ろうが獲れまいが美味しく消費してもらえないことが各媒体わかりきっちゃってますからね。

あとは現時点の中国ならではの、底抜けヘンテコ運営ミスエピソードや舞台裏奇談ぐらいかな、“おかず”は。あんまり人の失態を楽しみにしてはいけませんが、満員の観客ですし詰めになった“鳥の巣”が、誰もテロも何も仕掛けないのに鉄骨一本の設計ミスで全世界のTVカメラの前で自然崩壊、なんてのはないかな。ワクワクするな。

『花衣夢衣』34話。将士(眞島秀和さん)誕生日二重奏。昭和41年時制、将士は真帆・澪姉妹より3つ年上のはずですから36歳か37歳。もう洒落にならない年なんですけどねぇ。

弟・晃一が不慮の事故で早世、悲しみに沈んだ家族と帰りの遅い父を案じて誕生パーティーを企画したよね屋長女の莉花(伊倉愛美さん)、飾りつけを頑張りすぎてダウン。夜更かしして咳したりしてる段階でせめて母親の澪、気づいてやんなきゃ。

「まだ熱が下がらないの?長男の豪が死んだときも最初は風邪をこじらせて、だんだん熱が高くなって、苦しそうな息遣いになって…」と縁起でもない記憶をむし返す大女将いより(田岡美也子さん)といい、よね屋一家、子供を元気いっぱい育てるにはあまりに過去の呪縛、後継者圧力にとらわれ過ぎ。

手放しで真帆(吉田真希子さん)との不倫にずっぽり嵌まり家族をないがしろにしまくりの将士はもちろんですが、幼い頃から家の中の“跡継ぎの男の子がいちばん大切、女の子は二の次”ムードに傷つきながらけなげに真っすぐ育って「将来はお医者さんになって祐輔叔父さん(溝呂木賢さん)の病気を治してあげたい」と夢膨らませつつ「でも晃ちゃんが死んじゃったから、やっぱりワタシはよね屋のおかみさんになるの?」と胸を痛めている可憐な莉花ちゃんに、この家、冷た過ぎ、沈み過ぎ、バラバラ過ぎだよ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする