イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

卯の花の匂う垣根に

2008-05-19 16:49:46 | アニメ・コミック・ゲーム

中国・四川大地震の建物倒壊惨状のもととなった“おから建築(豆腐渣工程)”の話をネット解説記事で読んでいたら、怒りと恐怖とともにむらむらとおからが食べたくなり、デパ地下の行きつけの豆腐屋さんを3軒ほど回って買い集めてきました。

おからはご存知の通り大豆からにがりを使って豆腐を作る過程で出る副産物なので、当然のように各製造元ごと、使う大豆の品種やグレード・製法が違うごとにおからの風味や匂い、食感も違います。よっていくつかのお店のおからをひとパッケージずつ買ってブレンドして作るのが我が家流、というか月河流。

しかしこのおから、お値段も優等生ではありますが、料理として完成するまでに要するエネルギーもスペシャルでありまして、まず牛蒡・人参・薄揚げ・コンニャクと具材をトンカラ刻み根菜系はアクを抜き、ヒジキや高野豆腐・干し椎茸などは水でもどしつつ、おから本体は水気を完全に飛ばしながらも焦げないギリまで炒りに炒り、一方では鰺(あじ)節でダシをとり生姜も細かーーく刻んで残りは下ろし、汁を絞ってダシに混ぜ…月河が自宅でどうにかイチから作って人サマに晒せるレパートリーの中で、手間ヒマ・火力・水力・時間、全種目制覇の完全優勝に限りなく近い存在でありましょう。

フルマラソンの選手は42195㌔走る中で何度も「自分はなぜこんな思いしてまで走ってるんだろうか」と自問自答するといいますが、月河もおからを作るたびに「自分はなぜおからなんて作ろうと思ったんだろうか」という疑問が必ず脳裏を去来します。今回はとにかく四川大地震が悪い。悪いっつったら悪い。

もう何十年前だったか忘れましたが、家庭科か社会科の先生だったと思うのですが、「乳製品を作る過程で出る“スキムミルク(脱脂粉乳)”の消費量をいまの倍にできれば、生乳をはじめバター・チーズ・ヨーグルトなどの乳製品の売値は半分にできる」という話を聞いたことがあります。しかしスキムミルクは飲んで不味いし料理法のバラエティもあまりないので売れない、それがネックで乳製品の価格を下げ渋らせているのだ、と。

まぁ原料乳生産調整ミスだっつって全国の店頭から一斉に家庭用バターが消えるような2008年の日本では、スキムミルクが多少どうこうなったぐらいで乳製品の値段を下げてくださる、人のいい乳業メーカーは無いと思いますが、“製造加工工程で出てくる残滓”を商品化することで製品の価格が下げられるというなら、“おから”のもっと手間ヒマ火力消耗しない、かつ美味しくおシャレで見映えするレシピがもう50品目ぐらいあれば、豆腐や揚げやガンモドキ等の大豆製品も相当安くできる筈です。

食料自給率の低さ、諸表示の信憑性をはじめとする“食の安全”がいまさら問題になっている昨今、安くなればいいってもんじゃないですけどね。

そう言えば何年か前、鳥取県だかの町議会か村議会議員選挙で「オカラ」と書かれた投票を「オレは“オカダ”だからオレの票だ」「いやいつも牛の餌にオカラを与えていて、村の人がみんな知ってるからオレの票だ」と争って裁判になった、って話題があったように思いますが、アレ結局どうなったのかな。

『炎神戦隊ゴーオンジャー』GP1418730~)。飛ばすねぇ。この番組のどこが好きだって、出すと決めたら出し惜しみしないことです。今話も炎神ソウルとキャストの入れ違い→ゴーオンジャー、相棒ソウルの入ったキャストに搭乗するも、操作の勝手が違って苦戦…というモチーフだけで1エピないし2エピいける濃さがあるのに、惚れた彼女に早く会いたいために急ぐ範人(碓井将大さん)の「元に戻してる時間が惜しい、いいや、このままいくよ!」で走る走る。

カマ蛮機の攻撃にエンジンオー横転、走輔(古原靖久さん)「やっぱダメだ!」にも範人だけ「大丈夫ダイジョーブ、いけるいける!」「やっぱり真ん中(のコックピット)は気持ちいいなー!」、スピードルのキャストに入っちゃったバルカも「ボクもなんだかえらくなった気分バル~!」、キャストが違ってると気がついたときの炎神たちも、ベアールV(バスオンに入ってキャストはキャリゲーターに)「乙女のカラダ返してぇ~!!」、ガンパード(バルカに入ってキャストはバスオンに)「ス、スパゲッティ・ウエスタン?…」と美味しいリアクション続々。乏しいアイディアをふくらませてふくらませて、つないでつないで1話もたせるのではなく、1話いっておつりの来るアイディアを終盤クライマックスの23分にぎゅう詰めしてしまう贅沢さ

ピンチになるとおカマ言葉になる風呂釜型・カマ蛮機、横転したときにお湯がこぼれて空焚きで自滅してしまいましたが、最後に落語の『湯屋番』よろしく「お湯屋の兄さん、カマがこわれて早じまい」って言ってほしかったな。小さいお友達も大きなお友達もさすがにわからないか。

範人=グリーン主役のお話とは言え、実質の主役は、汚石冷奈(けがれいし・れな)として、初めて人間体も見せてくれたケガレシア様(及川奈央さん)だったと言ってもいい。萌えメガネにタイトスカートの人間体1stシーンで、チャームポイントのお鼻のホクロだけでは識別できなかったお友達のために、次のカットではカメラが背後に回って後頭部のホイール型髪留めを見せてくれるという親切さ。あの髪留め、グッズとして売ってくれたら欲しいですね。

「美しく清らか」という褒め言葉が死にまさる侮辱になるらしいガイアーク乙女のケガレシア様。なんだか“愛する男と交わると、その男を食い殺さないと人間体を保てない”『キャット・ピープル』を思い出します。ちょっと極端か。

ラスト、最後まで自分をケガレシアと気がつかなかった範人の言葉を思い出し、水に映ったガイアーク体の自分に「清らかだと…フンッ!」と鞭をくれしぶきを上げる彼女の1人映りから即エンディングテーマへ。置き去りにされたような終わり方に一種の余韻を感じた大人の視聴者は多かったと思います。これで範人との間にフラグ立った?なんてのは小さな問題。

もっぱらグラビア・AVと成人男性向けフィールドで活躍してきた及川奈央さん、『ゴーオンジャー』のこの役が決まったときは「子供番組にレギュラーで出られる」と郷里のお母さんに電話して泣いて喜び合ったそうです。気持ちわかるなぁ。モーパッサン『脂肪の塊』とかデュマ・フィス『椿姫』なんか思い出してしまう。需要のあるものを供給して、喜ばれたはずなのに、喜んだ層の人たち(元・青年→おじさま)から一段低く見られ、軽んじられるってせつないよね。

その意気込みのせいもあるのか今作の顔出しキャストの中では及川さん、いちばん演技が本気だと思います。今作をきっかけにお茶の間やゴールデンのメジャーな分野でも活躍が増えるといいですね。

そのほかにも軍平(海老澤健次さん)の「オレたちは戦士だ!喜びも悲しみも、楽しみも気持ちよさも、ぜんぶ昨日に捨ててきたんだ!(←赤青黄誰も同調せず)」→(カマ蛮機の仮想温泉に取り込まれて)「キモチよすぎる~」→(冷奈に逃げられた範人に)「…カッコ悪すぎる」のほか、温泉帰りで寝惚けモードの青黄黒「えんじんそうる、せっと(低テンション)」、ケガレシア様の作戦むなしく初戦敗退したカマ蛮機を前に、叱るどころか「人間に負けて帰ってくるとはァッハッハ~」「“3日で人間どもを消して見せるで汚じゃる”と言ったナリな~?」「腹筋が痛い~」まで笑い転げるヨゴシュタイン様・キタネイダス様の根アカ明朗快活ぶりなど、見どころ味出しどころ満載でした。

…って、“明朗”も“快活”も、ガイアークには侮辱になっちゃうのかな。「陰湿でヒネクレてて底意地悪い」って言ってあげたほうが褒め言葉になるかしら。

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