イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

桃に珊瑚に薔薇 ~四十肩そして百均チークの梅春~

2019-01-18 19:07:14 | コスメ・ファッション

 三日前、起床して約三十分後、外窓の結露拭きや加湿器の給水やスギナ茶の煮出し・・いつもの朝のルーティーン中に、突然四十肩?というか遅発性の寝違え?発症で、片腕が上がらなくなってしまいました。

 痛さの“震源地”は何処か?可動範囲を確かめながら肩胛骨の外縁2箇所と、肩のせいで首まで曲げにくくなっているので、耳の下の、振り向こうとすると痛いところにも、磁気バン130ミリテスラ

 これ、意外とバカにできないんですよ。空気が乾燥してきて喉がチクチクするときも、本物の扁桃腺炎になる前に、顎の下を触ってみて、唾をのみ込むとヒリッとするところに貼ると、アラ不思議、ひと晩で治るんです。

 今年の冬はすでに三回ぐらいお世話になっていまして、そろそろ替えシール補給しておかなきゃなー・・ということで再びDイソーに寄ってみたら、先日のお店にはなかった新アイテム発見。

 キティちゃんの顔が透明ケースのフタ裏にレリーフされたパッケージがかわいいBKTチーク。前回寄ったお店にはエスポルール プレスチーク5色展開がありましたが、こちらも5色展開。前回のお店になんで無かったんだろう?立地の違いかしら。

 見ただけでキティちゃんファンのハートをクギヅケにしそうです。エスポルールよりひと回り大きい直径4センチぐらい。手のひらサイズ、なんたって100円(税抜)ですから。

 こういう、ベタにかわいいアイテムを、散文的そのものの磁気バン替えシールと一緒に買ってしまうのもどうなんだ?夢があるのか無いのか?と悩むところですが、ここは天下の百均じゃ。サクッと正月の延長気分で散財。《コーラルピーチ》《ローズピンク》、100円(税抜)でこのパッケージでなきゃ挑戦しないだろうなと思うお色にチャレンジしてみました。

 前者は、“コーラル~”と付けるには黄色みが少ない気がします。白みが多めで青みの少ないローズレッドという感じ。特に冬場に見るとポワッと気持ちが明るくなって、パッケージデザイン通りに顔周りに花が咲き乱れるような、外へふわぁと発散するきれいな色です。

 後者は、“ローズ~”と付くにしては少し淡くて、青みが優勢です。月河なら、“ペールモーヴ”か“ミスティライラック”ぐらいに呼びたい。そして細かーーいラメがかなりたっぷりめで、青み淡ピンクの光り物入りというのは、個人的には例を見ない大胆チャレンジです。

 後者《ローズピンク》から試してみましたが・・おぉ、青くない結構素直なピンク!ペールではありますがミスティではなく、付け過ぎ注意なくらい頬“紅”効果ありです。バイオレットやパープル寄りピンクを試すときの、顔色暗く青ざめて見えないかしら?・・という心配はまったくなし。ラメ効果は控えめで、新雪の雪あかりのようなしっとりキラキラ。思いのほか上品なお姉さん感。

 いっぽう前者《コーラルピーチ》は製品色が濃いめなのでひときわ用心して、抑えめにトライ。きゃー、こちらも素直に、頬に花咲く春の色。そして、先に試した青みラメ入りの《ローズピンク》に比べると、製品色が濃いわりにゴテッと付きません。毛量たっぷりめのチークブラシで、大胆に刷いちゃってもコントメイクになりませんからご安心を。濃色に見えても、白パウダーが内包されていて、肌に伸ばすと赤みを程よく散らしてくれるんでしょうね。

 《ローズピンク》がノーブルなお姉さまメイクとしたら、こちら《コーラルピーチ》はプリティーなアイドル系、妹ちゃんのデートメイクという感じです。

 このキティちゃんシリーズ=BKTチーク5色の中では、ちょっぴり黄み含みで光り物なし桜色系、肌なじみのよさそうな《ピーチピンク》も、梅春(うめはる)物っぽくて気になったのですが、この日、ボトル洗いのスティックつきスポンジを買い忘れたので、次回寄ったとき一緒に。

 それまでに四十肩も治っているといいけど・・・・と思ったら、ブラシ片手に鏡見ながら横向いたり斜め向いたり、付いたの付かないのってチェックしている間は痛いのを忘れていました。こういう効果もあるんですよねぇ。男性諸君にはわかるまい。

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2019百均初め ~清めたり染まったり~

2019-01-12 21:21:03 | コスメ・ファッション

 松が明けて正月飾りを、地下鉄で一区間先の神社のどんど焼きに持って行ったついでに、遅めの初詣で。

 この時期になると境内もすいていて、並ぶこともぽなく御手水をつかい深呼吸して二礼・二拝・一礼。

 白く凍った手水場もいいものです。天からの降り物で清められてる気がする。

 ただ柄杓を取ろうとすると足元がカマボコ状に凍ってるので、つま先が上向きになって危ない危ない。高齢の参拝者には手すりが必要ですな。

 新年早々、あれこれ邪念を持ちたくないので、深呼吸して清浄な精神のまま御神籤は引かず、大鳥居でもう一度一礼して退出。

 帰りに、いつもの最寄りの店舗ではないDイソーで、2019年の初100均市場調査。清浄な精神は一旦コッチに置いといて、好奇心、物欲解放。

 やっぱりDイソーは店舗によって品揃え傾向が大きく違うので、見たことのない商品があれこれ見つかって楽しいのなんの。

 コスメの棚でエスポルール プレスチーク なる円い透明ケース(透明フタのカットが花型)入りの、プチでかわいいパウダーチークを発見。直径4センチぐらいで手のひらにすっぽり握れてしまうサイズ。もちろんブラシもパフも付いていませんが、ポーチに入れて持ち歩くならかえって都合がいいかしら。

 5色展開らしいので、いちばん製品色にインパクトのあった《レッド》を試してみました。

 シングルカラーで、何というか、ストレートで飾り気のない、古風なくらいのレッドです。白みや黄色みがほとんど含まれず、直球で“頬紅(ほおべに)”という感じ。もちろんラメやゴールドなど光り物粉体も入っていません。

 ブラシが付いていませんからDイソーではおなじみの“春姫”ごくふわっ。チークブラシも一本買いまして、製品色濃いめチークの要諦=大胆にとってササッ!とつけて、ネチネチ付け足さない重ねない!を守ってつけてみました。

 ・・おぉ、製品色からは想像もつかないくらい、あっさり、素直に、薄っすーく・・と言うより、ライトにブライトに付きます。黄色み、オレンジ味など、外に向かってパァッと放散する要素が無いので、しっとりほんわか慎ましい紅色頬っぺに。

 月河には縁がないですが、上瞼の目尻側にも軽く付けると、和装のメイクにも適しているかも。成人式も近いですしね。

 ただ、前述のように白みや黄色み、ラメなどの、パァッと外へ散るベクトルを含みませんから、自前のお肌がお疲れ気味でくすんでいるときには、ちょっと沈んでしまうかもしれません。ファンデを明るめにして、ベビーピンクのフィニッシングパウダーをひと刷けお肌にサービスしたりすると引き立ちます。

 月河は肌年齢も考えて、ハイライトはなるべく光り物の入らないものを使うようにしているのですが、この《レッド》も、マットなハイライトのほうが合うと思います。キラキラさせないで、肌の下から紅(くれない)がほんのり透けて見えるかのように仕上げられれば成功。

 とにかく形状がかわいいので、付けるのが楽しくなります。これは加点。

 同じレッド系チークならレッド系チークで、ハイライトや挿し色とコンビネーションにするなどして、一点当たりの単価を上げていきたい百貨店ブランド等はまずやらない商品設計、こういう、外観かわいいけど性根は実質的なモノに出会えるのが100均の醍醐味です。

 この次は、同じシリーズの、フューシャ寄りなキリッと青みあり《ローズ》と、こちらはまた惜しげもなく甘ぁ~いパステル調チェリーとピーチの合体《ピンク》を試してみようと思います。

 やっぱり100均ハンティングは今年も楽し、でした。月河と同じ料簡の人が結構いると見えて、店内、正月休み明けで仕事が始まっている平日にもかかわらず、お客さんが引きも切りませんでしたよ。

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刑事コロンボ『秒読みの殺人』 ~パンチでピンチ~

2019-01-06 19:20:55 | 海外ドラマ

 『刑事コロンボ』シリーズ放送開始50周年だそうで、昨年暮れから人気投票BEST20エピソードをNHKBSプレミアムで毎週土曜に放送中です。

 1970年代からですから、再放送・再々放送はもちろん、レンタルビデオの時代になると見逃しエピの補完ができたこともあり、人気投票で上位に来るような回は二度も三度も視聴済みなはずなのですが、改めて放送されているとやっぱり見てしまうし、見るとやっぱり面白いですね。

 いま、“これまでの生涯に見たTV番組オールタイム・ノンジャンルランキング”をもし個人的に挙げるとしたら、五本の指には入ると思います『コロンボ』

 放送がある日には「『コロンボ』は最初っから見てないとねー」と時間前に用事を済ませて待機するということが普通にできた数少ない番組だし、「やっぱり事件モノ警察モノはアメリカ」「テンポ(の速さ)が違う」という、その後のエンタメコンテンツ選びの基準ができたのも『コロンボ』からだった。

 5日放送『秒読みの殺人』(今回の人気投票で13位)も印象深いエピのひとつで、テレビ局の視聴率争いや、編成における局内パワーゲームがサブモチーフになっており、記憶では70年代のかなり前半のほうだった気がするのですが、調べるとアメリカでの本放送が78年(昭和53年)2月、日本での初放送は翌79年1月だそうです。

 捜査の過程でコロンボが聞き込み相手に「甥っ子がステレオ売って8ミリ映画作るって言い出してさ、コッポラ監督に憧れて壁に写真貼ってる」と言うくだりがありました。フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザーPart Ⅱ』は74年、『地獄の黙示録』が79年に公開されています。

 再見すると、本筋の計画殺人→コロンボによる解明と追及以上に、犯人と被害者の周辺事項の描写が、アメリカのポスト・ベトナムの70年代後半という時代を映していて興味深い。

 事件や手口も、犯人のキャラも、コロンボシリーズの錚々たるラインナップの中では特別複雑でもスケール大でもなく、手ごわいほうではないのに記憶に鮮明に残っているのは、一見本筋にあまり関係なく尺稼ぎのようでもある周辺部分に、侮れない精彩があるためでしょう。 

 主人公=犯人のケイ(キャサリン)・フリーストンは東部に本社のあるテレビ局のLA支社に勤めるプロデューサーで、支社長マーク・マキャンドル―のチーフアシスタント。

 マークは有能で、NY本局に栄転の内示を受けた。長年恋人関係でもあったケイは一緒に本局に招かれるか、残留ならマークの後任支社長に昇進できると思っていたが、「君はアシスタントとしては最高だ。だが決断ができない。まとめるだけ、そこが違う」「まとめるだけじゃ(トップになるには)駄目なんだな」と、マークから関係の終わりを告げられる。

 マークは特に不実なクズ男ではない。ケイの仕事ぶり、男性部下に対する物腰、彼女に向ける彼らの視線など、端々のシーンを見る限りマークの評価は的確である。引導を渡す代わり慰謝料兼手切れ金として新車をプレゼント、ブラディ・マリーのグラスにキーを忍ばせるときの手のアップに指輪はなく、不倫でもない。引導から一夜明けてオフィスで顔を合わせたときも、来訪したお偉方にわからないようケイに「大丈夫?」と別れのショックを気遣っている。

 しかし長年TV制作のパートナーとしても、女としてもマークを支えてきたつもりのケイの怒りはひそかにおさまらず、マークがオフィスの休憩室で一人になる時間を利用して、お偉方相手の試写中に抜け出し射殺。銃はエレベーターの天井に隠す。隣のオフィスで徹夜仕事を命じられていた男性部下はすぐに銃声を聞きつけて、心臓に被弾し息絶えたマークを発見。ケイはあらかじめ用意した秒読みのテープで自らをカウントダウンし、次のリール交換の瞬間までに間一髪映写室に戻って、“銃声の時刻にはここにいた”というアリバイを作る。

 捜査に乗り込んできたコロンボに、ケイは局に送り付けられてきた脅迫の投書の束を見せ、「共産主義、独裁主義、人種差別・・暴力、妊娠中絶・・なんでもテレビのせいだと言って来るんです」と、思想犯の犯行を示唆してミスリードをはかりますが、コロンボはマークがソファで遠近両用眼鏡を頭上にあげたまま死亡していることから「ホトケさんは犯人の顔をよく知ってた、眼鏡を下ろして見ようともしなかった」と、早くも局内の、マークと親しい人物に的を絞っていた。

 ケイがエミー賞を受賞するほどの敏腕Pでありながら、現場のスタッフや監督からは一目置かれつつも煙たがられていること、マークがNY本局にケイを後任として推していなかったこと、そのマークがケイの頭文字をナンバープレートに冠した新車を購入していたこと、ケイの生まれ育ちが貧しい母子家庭で(NYの重役から臨時支社長を命じられ、高揚と不安に揺れるケイが、廃屋となったかつての自宅に深夜立ち寄り、そこに秘書から場所を聞いたコロンボが訪ねてくるシーンあり)、強い上昇志向で今日までのし上がってきたこと・・等周辺要素を地道に拾ったコロンボは、当日映写室にいた技師から「リールの交換までの間はずっと室内にいなくても、パンチ穴がサインとして画面に出るから、タイミングを知っていれば交換できる」と聴取する。

 次いでマークのビーチハウス(ケイと最後の一泊して別れを切り出した場所)で、クリーニング上がりで届いたブレザーがケイのネーム入り=マークとケイがここで半同棲していたことも突き止めた。

 こうなるとあとはどうコロンボがケイにとどめをさすかなのですが、そこに至る近道は意外な所から開けた。

 ケイは担当する生放送バラエティーに、かつて友人以上の関係にあった女優ヴァレリー・カークを押し込んでいたが、ブランク明けのヴァレリーはプレッシャーに耐えられず薬物に溺れて現場に穴を空け、ケイはやむなくまだ上の許可を得ていない、事件当日試写中だった自局制作のスパイノワール映画を穴埋めに放送させる。

 電気修理店でこの放送を偶然見たコロンボは、技師から「映写室に戻ってきたらすぐこの場面だった」と聴取した拳銃自殺シーンが、まさにリール交換のサインである2回のパンチ穴の直後であることを知り、ケイはずっと映写室にいたどころか、交換の直前に戻ってきたに違いないと睨んだ。

 “拳銃つながり”でもうひとつ、こちらはコロンボから仕掛ける。凶器の銃がまだ局の建物内にあると確信して、エレベーターシャフト内の天井からいち早く探し出したコロンボは、同型の銃をわざと下からシルエットが見える位置に仕込んで、ケイと世間話をしながら乗り込む。確かに見えない位置に隠したはずの銃がまる見えでケイは愕然とする。

 世間話に調子を合わせながらどうにかコロンボをやり過ごしたケイは受信機のアンテナを使って懸命に天井板を持ち上げ銃を回収(ケイ役の女優さんが、大人の白人女性としては顕著に低身長で、持っていたファイルと畳んだコートを踏み台に、シャフトの天井の高さに手こずる演出が良い)、車で遠出して側溝に捨てるが、それはコロンボが仕込んだダミーだった。

 ヴァレリーの失態を庇うためのケイの“決断”は、散々な低視聴率という最悪の結果に終わり、自局が大枚はたいた映画を粗末につかった(そもそも試写を犯行のアリバイに利用しているし)ことも上司の逆鱗にふれて、ケイは解雇を言い渡される。

 直後にコロンボから“ケイが乗る前/下りた後のエレベーターの天井の画像”と、本物の凶器の銃を突き付けられ、リール交換のアリバイも崩され、映写室の手袋の硝煙反応を知らされたケイは、「終わったらホッとする、肩の荷を下ろした気がするってよく言うけど、全然違う、その反対よ」「あなたが連行なさるの?すぐに連れてって、私負けないから」「戦って、生き残ります。それが私の生き方」と、笑みさえ浮かべて退場する。

 コロンボシリーズの中では、そんなに手ごわくコロンボを翻弄するほどの力量ある犯人ではありません。シロウトが見てもここが杜撰だな、ここからバレそうだなと思ったところから案の定バレていく、自滅しそうに見えた通り自滅して行くケイですが、1979年=いまから40年前の初放送と思って視聴すると、“男社会(激烈競争のテレビ界)の中でやたら頑張った女性が、頑張り方を間違えて墓穴を掘って行く”ドラマとしてなかなか秀逸です。

 LAの放送局らしく、支社長のマークはじめ管理職は広壮なオフィスを連ね、オフィスの前室には秘書たちが並んでタイプを打ち電話応対をしている。こういう秘書は長年勤続しても“ベテランの秘書”になるだけでしょうが、それでも花のテレビ局オフィス、当時のスクールガールにとっては憧れの職種だったはずです。もちろん女性管理職はケイだけです。

 ましてや生放送スタジオの現場に場面が移ると、監督も調整室も男ばかりで、女性スタッフはタイムキーパーだけ。例によって暇潰しの様に調整室に訊き込みに来たコロンボに技術ディレクターが「テレビ業界で一番始末に負えないのは、ぜんぶわかってる女性なんですよ」と半笑いで答える場面が象徴的。

 ケイが頑張れば頑張った分だけ浮き上がり人望が遠のいていく。試写の前、重役たちがオードブルをつまみながら次クールの出演タレント交渉について冗談交じりに話しているところへ、ケイが開始を告げに入ってくると、微妙に空気が変わる場面もあります。いつの世もどんな状況でも、男というものは“女に手の内がわかられている”のが不快なのです。そこはかとない逆風を感じてはねのけるためにケイが残業の指示、現場からのSOS対応にと頑張ると、さらに嫌われていく。

 そして、70年代に初見のときはよくわからなかったのですが、ケイが根はバイないしはレズビアンであることが、この年代でよく放送できたなと思うほど、かなり明確に表現されています。

 数字至上主義のはずが、薬物の前歴持ちで過去の人になった女優を、現場の不安は再三耳に届いていたのに生放送に押し込み、いよいよ立ち行かなくなると社運を賭けていたはずの映画を穴埋めに使ってしまう。冒頭、別れを切り出したマークが「お互い最終的には愛情で結ばれていたと思うんだ、仕事やゼニカネを離れてさ」「僕は与え、君も与え、それで満足だったはずだ」と言いますが、ケイこそ愛が無かった。愛があるように装って、“アシスタントとしては最高だが、まとめるだけでは駄目”な分は、愛で下駄をはかせてもらってトップに行けると信じ、女の武器でマークを騙していたのはケイのほうだった。

 ケイは愛を裏切られたからマークに殺意を抱いたのではなく、策の底を見られたと思ったから完全犯罪で消すことを企てたのです。

 危なっかしくハラハラさせる犯人で、しかも同シリーズの女性犯人の中では屈指の美人だったにもかかわらず、ケイが最後まであまりかわいそうでないのは、微動だにしない“自分大好き”“自分以外愛さない”根性が透けて見えるからでしょう。

 ところで、脚本家三谷幸喜さんが自他ともに認めるコロンボフリークで、このエピソードから『古畑任三郎』の“さよなら、DJ”(=桃井かおりさんのおたかさん)を着想したことは有名ですが、ケイの最後までへこまないうすら堂々っぷりは“しばしのお別れ”(=山口智子さんのフラメンコ華道家)、 犯人が自己評価に夢を持ち過ぎで、殺された男のほうが実は冷静正確に評価していたという点では“哀しき完全犯罪”(田中美佐子さんのズボラ女流棋士)に反映していますね。

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平成最後の正月なので ~ザクザク、トットッ、シュワーー~

2019-01-05 13:43:12 | 

 年末年始を挟んで、今年は歯の治療中でもないし、冬スタートが暖かめで坐骨神経痛もいまのところおとなしいし、消炎鎮痛剤や抗ヒスタミン薬の痛み止めのお世話になることもないから良かろう・・と、バーボンソーダ解禁決定。

 コンビニで久々に氷と強炭酸を買って、深いグラスにザクザク入れてバーボンをトットッ、炭酸をシュワーーー、チャリッと混ぜて、いや~~いつ以来か思い出せない至福の味だわーと思ったら、舐めた程度でもう回ってしまいました。(#^^#)

 バーボンウイスキーは基本、甘いので、炭酸で敢えて尖んがらからせるのは、“邪道の王道”というところでしょうか。

 暑い日の仕事終わりもここ何年かはA―ルフリーかDライゼロばっかりで、いつだったか缶チュー“ほろよい”シリーズのカシスオレンジサワーっちゅうやつを「飲みやすっ」とジュースみたいにクイクイ飲んじゃったら、字面通りのジュースのような甘さと度数3パーセントの口当たり詐欺(!)に引っかかって、もろに頭の芯に数時間ネジ回しが入ったみたいになったので、甘い酒と炭酸のコンビネーションは悪の同盟であるからしてゆめゆめ騙されるまいぞ!と思っていましたが、甘くてもやっぱりバーボンは別腹ですな。

 お酒の棚のウイスキーコーナーも久しく覗いていませんが、映画『スティング』の1シーンの映り込みで知ったエズラ・ブルックスとか、スティーヴン・キング『Apt Pupil(邦題:ゴールデンボーイ)』に不気味に出てきたAAことエンシェント・エイジとか、ショップに行ったらまだ買えるかしら。

 素朴なというか、カントリー風味全開なラベルを並べて見るだけでも楽しいんですよね、ケンタッキー・ストレートバーボン。この次解禁するのはいつかわからないけど。

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