イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

キャラたちは何処へ向かう ~推してもダメなら引いて見な~

2020-06-16 22:18:49 | アニメ・コミック・ゲーム

 6月1日のエントリを書いてからパソコンが不調をきたし、思いがけずしばしのネットアクセス隔離期間となったためお気に入りの行きつけサイトともご無沙汰していました。

 情報源は紙の新聞と紙の雑誌、テレビ、ラジオと、久々の純アナログライフへの回帰も悪い事ばかりではなかったんですが、先週末にめでたくリカバリー成って帰還。

 この間に2020サンリオキャラクター大賞結果が発表になってました。

 1位シナモロールくん。白肌に青い目、魔性(?)の笑顔。やっぱり強いですね。あの、空も飛べちゃうたっぷりお耳も強さのモトかな?いつかツイッターで、“シナモンお風呂でアイス食べ中”の画像があったんですが、お湯に浸からないよう頭の上で右左、キュイッと交差させてまとめて入るのね。ターバンみたいで可愛いのなんの。男の子(=オス犬)という設定なのにとても乙女っぽい。

 2位のポムポムプリンくんが、プリンとカラメル色の甘めカラーリングで“ゴールデンレトリーバーの男の子”という設定にもかかわらず、ぽっちゃり体形で食べ過ぎを気にして(気にしても食べる)、ウォーキングや体操につとめていたりなど微妙にオジさんぽいのと好対照。ここらへん、月河の分析通り、“人間が人間を好きだから”こういうキャラクターが愛されるのよね・・という好見本を提示してくれています。

 のほほん系のプリンにはジャーマネのような、お母んのようなマフィンくん(=ハムスター)がいつもついてて、無尽の食欲にブレーキかけたりジョギングのペースメーカーしたりしてくれてるし、天使シナモンにはライバル?をもって自任する、ちょいワル小悪魔キャラ・ルロロマニック(=ベリーとチェリー)がいる。持ち味を際立たせてくれる、脇役も配置してもらっているわけです。もう、かつての五社協定時代の映画会社お抱えスターか、宝塚各組のトップさんの域。

 気になっていた歯ぐるまんすたいるは「ココに到達しなかったら翌日からツイッター休止」と宣言したデッドライン=33位は達成できませんでした。あちゃー。・・でも、昨年51位から目標にあと一歩の34位まで急上昇した功績を認められて、ツイッターはめでたく存続決定したようです。

 なんか、伸び悩みタレントの事務所仕込みの炎上商法っちゅうか、“休止するする詐欺”みたいでもあるけど、彼のツイッターはサンリオのキャラ内ではちょっと異色な、昭和な粘っこい描線でおもしろいので、まずは存続で良かった。

 人気投票と言っても、稼ぐのはグッズ、それも大賞投票期間に何弾にも分けてリリースされるスペシャル期間限定モノの売り上げなのに、今年は全国のショップが期間の大半営業自粛中で、しかも我らが(誰らがだ)歯ぐるまんはそもそもグッズの点数が少ないので、ファンのオンライン投票に多くを頼ったわりには大健闘と言っていいでしょう。いや言ってあげましょう。

 月河の推しでは、ぐでたま12位。妥当ですがチョット物足りないかな。ベスト10内は確保してほしかった。同じ“非動物・食べ物系”のKIRIMIちゃん17位、こぎみゅん13位、動物由来ではあるけれど同じ“おうちでだら~系”の後発・まるもふびよりモップくん21位辺りには、もっと突き放して差をつけてもいい風格があるんですけど、ぐでちゃん。でもイギリスでは2位なんですよね(1位クロミ、3位シナモロール)。イギリス人って、フランス人やイタリア人ほど食にこだわりがなくて粗食そうな分、たまご料理はめっちゃ好きそうだしね。ポーチドエッグとかスコッチエッグとか。

 月河ハコ推しの“はぴだんぶい”ではポチャッコが最高位3位。ここ数年の、ポチャのじわじわ右肩上がりっぷりは侮れないですよ。2017年10位から、18年6位、19年5位ときて、今年ははぴだんぶい効果も貢献してついに表彰台。1位シナモン2位プリンとともに“犬キャラ”の金銀銅独占となりました。

 他メンはこの“犬トレンド”のワリを食ったか若干水があいてタキシードサム10位、けろけろけろっぴ11位、バッドばつ丸14位、ハンギョドン15位、あひるのペックル16位と爆発しきれなかった感じですが、これだけクツワを接したのはやっぱりユニット効果ですな。特に、香港では3年連続1位の盤石さを誇りながら国内総合では20位台半ば程度に甘んじてきたペックルくんの躍進には、ファンのはぴだんぶい愛を感じます。やっぱり、ユニットとなると、どのメンバーにも“お客さん”“お荷物”になってほしくないもの。今年に入ってからのユニット展開で、久しぶりにそれぞれの可愛さに気がついたオールドファンも少なくなかったと思います。ユニットデビューイベントやショップでのスポット推しが自粛期間にぶつかる不運が無かったら、ポチャくん以外の諸君も全員、もう二つ三つランクを上げたのではないでしょうか。

 ・・・結果ランキング表を眺めながらそんなよしなし事を考えていたら、サンリオ本体にも大きなニュースが飛び込んできました。1960年創業時からの社長・辻信太郎氏が会長に退いて、孫の辻朋邦(ともなり)専務が社長に就任されるそうです。創業60年目にして、初の社長交代。

 信太郎氏92歳、朋邦氏31歳、アレ?一世代飛び越えて孫が後継ぎ?と誰もが思うでしょうが、信太郎氏長男で朋邦氏の父である辻邦彦氏は、1987年に常務、90年に専務、2002年には副社長となっておもに海外ライセンス事業展開で大いに社勢を高めておられたのですが、2012年にアメリカの出張先で急死されたんですね。まだ61歳でした。

 邦彦氏の死後は海外事業をめぐって方針転換や模索が続き業績も低迷していました。トップ交代で流れを変えることができるか、キャラ大賞史に“犬の時代”を刻んだシナモン、プリン、ポチャッコの諸君にも、キャラビジネスの新時代を盛り上げるべくがんばってもらいたいものです。

 ちなみに、新社長となる朋邦さん31歳、ネット上では「ポムポムプリンにそっくり!」と、早くもじわり人気キャ・・いや人気社長になりかかっているらしいですよ。

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たまたまぐでたま ~おいしいごはんの上がいい~

2020-06-14 21:52:01 | アニメ・コミック・ゲーム

 先日、「人は何故キャラクターにはまるのか」という、目下のコロナ禍の世間のどこからも何の需要もない、不要不急きわまりない考察をこのブログ内で展開し、「人間が、人間を好きだからだ」という、これまた何の、えーと、何だっけ?そうだエビデンスもない結論で締めたばかりですが、我が身を振り返ると、「なんで最初にはまったのがぐでたまだったんだろう」と、いまだにふと思うことがあります。

 デイトブックを出先のセブンイレブンの雑誌スタンドで見つけて、あまりの脱力っぷりに思わず買い帰ってしまったのが2015年の秋で、以来、ダイアリーなりカレンダーなり、毎年、何かしらのぐでたまステーショナリーがデスク周りで三百六十五日伴走する日常になっている。初めてのデイトブックには“何これ”モードだった家族ももう怪しみません。

 決めゼリフのひとつ「どーせ食われるだけだし~」が良かったのかなと思います。当方のアンテナ周波数にしっくり来る。なんか、悟っているというか、醒めているというか、いっそ爽快じゃないですか。食べられちゃったら無くなるんだけど、食べてもらえないまま何週間も何か月も過ぎたら、いずれグレたまさんになっちゃうので、彼(=ぐでたま)本人(?)としては限りなく、絶え間なく、食べてもらえることを志向している。

 醤油かけてほしいとか、寒いからベーコンの下に潜り込むとかいろいろ我儘勝手言ってますが、すべては“美味しく食べられたい”という一途な願いの然りあらしむるところ。

 ずいぶん昔から、イヌとかネコとかウサギとかネズミとか、動物由来のキャラクターはどうも苦手というか、身近に置いて眺めたり触れたりして可愛がりたい気持ちになれないのですが、根底に“生命あって知覚を備えた生き物を自分の生活空間で支配下におく”のが憂鬱だという思いがあります。

 飼育、愛玩のためだけに傍らにいる生き物って、彼らの身になるとどうしても幸せと思えない。人間なんかの住環境よりずっと彼ら自身に適した世界、時間があるはずなのに、人間の趣味嗜好で捻じ曲げて連れて来られている気がする。

 生き物の生を、継続的に自分の生活環境内に置いて、水や食物を補給して生かすということは、日々刻々、じりじりと死に近づいて行く時間をともにし見守るということでもありますから、そういう作業を引き受ける対象は家族だけでもうじゅうぶんだという思いもあります。

 そこ行くと潔いじゃありませんか、ぐでちゃんは。どーせ食われるだけだし。でも食われてナンボだし。あまりにもぐでっと無抵抗なので、食べようとして思わず固まって「・・あとでいいか」となるくらい。

 食べても食べても、タマゴと名の付くものあるところ、茶わん蒸しはもちろん、カステラにもドーナツにも、プリンにもぐでたまはいる。イクラの軍艦巻きにも、からし明太子にもいる。錦糸卵になってちらし寿司の上にのっていたり、マヨネーズとしてポテサラから出現したりする。

 “食われて終了”な潔さ“食っても食ってもそこらへんから何度でも現れる”不滅さ。これぞ、凡百のキャラクターにはない、月河が愛してやまぬぐでたまエッセンシャル、ぐでたまレーゾンデートル(←言ってみたかっただけ)です。

 人間でない生き物を無理くり人間の環境、人間の価値観ワールドに入れ込んで適応させて、人間より短い寿命なのにいたずらに可愛いカワイイと愛玩いじくり倒しているバツの悪さが微塵もありません。

 ぐでたまに続いてなんとなく自然とグッズが身の周りに増えてきつつあるKIRIMIちゃんも決めゼリフは「おいしく食べてね」「こんやのおかずはワタシに決めてね!」、小麦粉の妖精“コギムーナ”の女の子、という設定のこぎみゅんに至っては、“将来なりたいもの”が「おにぎりになりたいみゅん」・・小麦粉なのに。美味しくなりたい、食べてほしい気持ちがあり余って、自分の実態が見えなくなっているという。

 「人間は、人間を好きだから、キャラクターにはまるのだ」という根拠のない結論を出したその舌の根もかわかないうちにこういうのもなんですが、“生きてない無生物”のキャラ化だからこそホッとできる、癒される、ってのもまた真実なのではあります。

 生きていること、生きているもの、生命を持つ存在って、愛玩するには重すぎるんです。“死”に近づいて行く過程に付き合うんですからね。

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紳士だったら知っている

2013-11-04 00:39:54 | アニメ・コミック・ゲーム

 打撃の神様・川上哲治さん死去。 

・・と聞いても、赤バットの現役選手時代のイメージがマッタク無いのは、なにぶん当方が生まれるかなーり前に引退しておられたかたですからしょうがないとして、V9を達成した巨人軍監督時代のお姿も、気がつけばあんまり記憶が無いのですな。
 

背番号が77だったか88だったか、重くてゾロ目で縁起のいい感じの数字だったはずです。昭和389年には当時住んでいた地域でも読売系列のTV放送が視聴可能な環境になっていたし、長嶋さん王さんファンの男子諸君も周囲には多かったのですが、当時の野球中継には監督をアップで映したり、ピンのインタヴューを流したりする機会があまりなかったように思う。月河が川上さんを“野球界の凄い人”としてヴィジュアルを認識したのは、“現物”じゃなくて漫画『巨人の星』作中でした。
 

設定としては確か飛雄馬パパ・星一徹さんと、第二次大戦出征前はともに読売巨人軍選手として同じ釜の飯を食った元・戦友で、一徹さん家族が長く住んだ下町のボロ長屋におしのびで訪ねてくる場面も一度ならずあったような。月河の初見は昭和434年頃刊の単行本で、画像引用するのはこのブログの任ではないので省略しますが、結構でっぷりして、顔にも笑いジワとも渋面ジワともつかないヒダヒダの多い、なんだか叩き上げのブルーカラーの社長みたいな絵柄でした。“巨人”の星というタイトルの作品における“巨人”の大監督ですから、流れ上は主人公が仰ぎ見る立場でありやがて味方になり上司になるわけで“偉くて頼れる人”ポジションの描かれ方とはいえ、あの絵柄はご本人サイドからクレーム来なかったのかな。
 

“現物”のほうを初めて見たのは日曜朝の『ミユキ野球教室』で、たぶんシーズンオフの放送回です。漫画と似ているようで全然似てないので、「コレがカワカミ監督?」と驚いた記憶があります。衝立っぽいいかつい体型ではあったけれども、結構、締まっていて、地方出身の元・野球少年らしい青臭さや素朴さを残した“軍隊系で農耕民族な体育会おじさま”だったように思います。『巨人の星』での絵柄は返す返すも老けさせ過ぎで、漫画の単行本は雑誌連載に遅れて刊行されますから、あの絵柄に描かれた当時の川上さんはまだ40代前半~半ばぐらいだったはずですけどね。
 

川上監督の他にも、ユニホにベースボールキャップもしくはメット姿でない、スーツ等の私服姿を見たのはこの『野球教室』でが初めてだったプロ野球選手は数多く、月河が当時から、及び現在でも、野球選手に所謂「萌え~」を感じたことがないのはそのせいかもしれません。何せ、キャップ無しだと、大抵の選手が刈り上げもしくはスポーツ刈りなんですよ。そしてスーツの横幅がやたらでかい。幼稚園坊主の頃から背伸びして、少フレ週マ別マになかよし、りぼんの類いを愛読していた小学生女子月河には、到底“憧れ琴線”に触れないヴィジュアルの人たちばっかりでした。
 

ただ、スタープレイヤーと呼ばれるような主力選手たちは、さすがに私服にスポ刈りでも独特の、旬のオーラとでも呼ぶべきものは画面から伝わってきていて、昭和何年のオフシーズンの放送だったか忘れましたが、長嶋茂雄選手がちびっ子ファンからの「今年は4割打ちますか?」の質問に「打ちますよ!もちろん打ちます!」と笑顔で、バットを持つ手の形をしてみせて即答していたのが印象的でした。実際の長嶋さんは、ビックリするほどの高打率を続けたタイプの選手ではなく、4割を窺うどころか通算3割オーバーだったシーズンは17年間のプロ生活中9回か10回ぐらいだったはず(それでもたいしたもの)ですが、月河は長嶋さんと言えば、「『野球教室』でちびっ子からああいう質問が出て、ああいう答えを速攻出す人」というイメージで今日までも記憶しています。
 

川上さんは、良くも悪しくも“戦前”の匂いをまとった最後の世代のプロ野球人のおひとりだったのではないかと思います。彼が指揮を執った時代の巨人軍は、前出の様な漫画の題材になったり、ONなど個人の人気選手たちとは別に、黙々と勝ちに行って本当に勝つみたいな色気も艶気もない戦いぶりが、少なからぬ“アンチ巨人”を生みもしました。しかし軍隊従軍経験者からすると、勝負は勝つことがすべてで、とにかく勝たなければ物も言えないしごはんも食べられないし、明日も明後日も来年もないのです。どんな接戦でも僅差でも、過程が名勝負でも、結果負けならそこでぜんぶ終わりです。
 

勝つこと、ただ勝つことに集中し徹底する川上さんのスタイルが、別の一角にアンチ層を育てつつ一時代を築いたという事実は、日本のプロ野球史にとっては大きな宝ではないでしょうか。いろんなタイプの指揮官がいていいし、いろんなカラーのチームが存在していいけれど、「どこよりも長く頂点に君臨していたのが川上さんの率いるジャイアンツだった」という史実は、ひとつの原点として長く記憶にとどめておいていいと思うのです。
 

人生がジャイアンツの歴史の一部でもあった川上さん、訃報の伝えられた1030日は日本シリーズ第4戦で、vs東北楽天イーグルス対戦成績12敗から起死回生の逆転勝ちをプレゼントしてくれましたが、名将の弔い合戦も第6戦で今季無敗田中マー君に土をつけたところまででツキを使い果たしたような結果に終わりましたな。彼岸で川上さんが「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」とゲキを飛ばしているかも・・・ってこれは野村克也監督のほうの名言だったかな。
 

とにかく93歳、一代に時代を二つも三つも経験され見聞された人生だったと思います。漫画の中でまで監督やってたのですからね。お疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。ちなみに来年はうちの日本ハムファイターズが巻き返して東京ドームに乗り込みますので天国からの解説とゲキはお手やわらかに。 

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夜半シーベルト

2011-03-17 17:28:53 | アニメ・コミック・ゲーム

『あさイチ』と“被災地”って、期せずして韻を踏んでいますね。

オープニングで「本日のあさイチも、昨日に続き被災地から…」と言うたび、有働さんもイノっちも“本当なら笑いにできるところで、できない”状況の醸し出す重苦しさをたたえています。

最も被害甚大だった地域からはだいぶ距離のある当地も、かすかに有感程度な余震が頻発していて油断がならないせいもあり、TVで連日、あまりに非日常な映像付きで非日常な事象が報道され続けていると、脳内で現実逃避すべしのスイッチが働くのか、逆に、突拍子もないことを考えてしまいます。

まず、“警察機動隊の放水車”と聞くと、月河の世代が懐かしくも思い出すのは何と言っても1972年のあさま山荘事件です。なんか、高いところから鎖分銅みたいな鉄球ガーンて外壁にぶつけて、凹んで穴空いたところ狙って地上から放水。立てこもりグループを2月の寒空に水攻めにして、顔出したところを突入確保ーーみたいな。子供心に、消防車が火事のとき限定でやるものと思っていた“放水”を、消防車ではなく警察の車が、こういう目的で実施するというのはかなりの驚きでした。

その警察放水車を、2011年の原発事故現場でまた拝見することになろうとはね。資料映像のスチールでしかまだ見ていませんが、40年前当時の型よりはかなりパワーアップしているようです。当たり前か。4000リットルの水を30°の角度で1分間で放水するんだって。すげー水圧。ワクワク。いやワクワクしちゃいかんか。放射性物質の濃度が高い危険地帯の作業に当然なるでしょうから、あまり間近で生中継もできないでしょうけど、ホント懐かしいなあ。

『突入せよ!あさま山荘事件』のように、30年ぐらい後に映画化されるかも。被曝健康被害や環境汚染問題になったら、さすがに差し障りがあるか。

懐かしいと言えば、昼間のNHKの原発事故報道で連日大忙しの水野倫之解説委員。19999月、杜撰な作業体制が「バケツでウラン」と憤られたJCO東海村臨界事故の際、地元住民に避難要請や勧告の出た現場近くでほとんど単独でレポートを続けておられました。当時ウチで数少ない、原子力を多少は解する理系人である家族などは、「たまに誰か交代してやればいいのに、NHKもブラックだな」と気遣いつつ、「でもこの人が生きて映って、動いてしゃべってる間は大丈夫だ」「それにしても昨日より目の下のクマが濃くなってきた、そろそろかもしれない」等と月河より数倍不謹慎なことをほざきながらTVに見入っていたものです。

そんなことはつゆご存知なかったであろう水野さん、作業員2名が被曝で犠牲になった同事故の収束後、ほどなくしてアメリカNASAのスペースシャトルの何だかで、今度は正反対に明るい表情で現地レポートするお顔が見られ、「“東海村お疲れさん”の慰安旅行代わりに派遣してくれたのかもな、NHKも鬼じゃなかった」と家族も安心していました。

そんな水野さんも、12年後の現在は科学文化担当のベテラン解説委員。ラベンダーや格子縞の、妙に味出し系のシャツが気になりますが、東京電力管理職の面々や原子力保安院の、専門用語を切り貼りしたような、芸も誠意もない記者発表を、見事につなぎ読みしてわかりやすく噛み砕く解説ぶりは、東海村のときとは違った意味で「この人がよどみなく話してくれていればまだまだ安泰」という安心感があります。これだけスタジオ詰めが続くと、あのユニークなシャツやネクタイのスペアがどれだけもつのかという問題もあるか。余震や救援物資の補給路など、さなきだに難問山積の状況、原発がらみだけでもどうにか最少被害で収束してほしいと、水野さんもきっと心から願っておられることでしょう。

あと、水野さんほか学者識者の皆さんの解説で耳にタコできそうな、“マイクロシーベルト”とか“ミリシーベルト”という単位を聞くたびに、浦沢直樹さんのMONSTERを思い出すのは月河だけではない、ですよね。

期せずしてドクター・テンマも志願した“国境無き医師団”も来日、被災地での活動にあたってくれてるようですし。

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仮面の酷薄

2011-01-06 17:43:02 | アニメ・コミック・ゲーム

こういうご時勢に、珍しく心温まるニュースではあるのですが、「心温まる」と思ったその後に思わず「けど…」が付いてしまった。昨年暮れに群馬・神奈川の児童相談所に相次いで届いた、ランドセルのプレゼント“fromタイガーマスク”。

ピュアに善意の人というのは、根っからシャイなのでしょうかね。シャイがシャイのまま地味に終わらず、“仮面”“仮想”“コスプレ”をまとって、やっと安堵する心理。

一件めの報道で、「あの漫画&アニメで育った世代の男子だな」と思いました。ってことは上か下か、どっちにせよ月河とあまり変わらない年頃のはずです。

普通に匿名でいいし、群馬のなんかはクリスマスシーズンだったようだから、「サンタクロース」でも良かったのにね。何ゆえアニメから持ってくるか。児童相談所のお世話になり、ランドセルをもらって喜ぶ年代のいまどきチビっ子が知ってるかな。親しみ持ってるかな、タイガーマスク。「ただの匿名より、子供たちが喜ぶように」と考えての名乗りだったとしたらなんだかズレてて、せっかくのピュア善意に“名乗ってるほうの自己充足”って余計なニュアンスが乗っかっちゃったような。4代目だか5代目だかのリアルプロレスラータイガーマスクは現役活動中とのことだし、少なくとも三沢光晴社長なら、健在だったら喜んではくれたと思いますが。

先行の群馬で伊達直人を名乗られたから、「いい話だ、オレもやろう」と思った神奈川の人もつい追随しちゃったのかな。だったらウチの世代の影響されやすさがもろ出てしまったようで、これも微量恥ずかしい。

照れくささ”とか“含羞”といった、自意識のプチ軋轢、葛藤に悩んだとき、“フィクション”特に“アニメ”に救いを求めて走ってしまうのがウチの世代なのです。

なんだか、1970年のよど号事件の犯人グループが、人質とって日本を離陸する際にいろいろごちゃごちゃ声明した挙句「…最後に確認しよう、われわれは明日(あした)のジョーである」と付けた、って話を思い出しました。「確認しよう」って言われてもね。「すれば」としか返しようがない。

ピュア善意にせよ、イカレ革命思想にせよ、いいオトナが、自分をなぞらえるのにアニメ持ってくるのはどうなのか。自分の中で自己確認して「オレって伊達直人みたいだなあ」「矢吹丈じゃん」って悦に入ってるぶんにはいいけど、クチにして言葉にして不特定多数にさらしたら、一気に失笑もの化する。

子供たちへの善意、チャリティなら古典の“あしながおじさん”なんてもう死語なのでしょうかね。“ドラえもん”じゃテレビ朝日のまわしもののよう。

余裕ないしガラじゃないからしないけど、月河が子供たちにランドセル、仮名で寄贈するとしたらどうするかな。“魔法使いサリー”じゃ目線下げすぎだし、“妖怪人間ベム”じゃあり得ない(“ベロ”なら「ボクも背負うからホラ!」と気さくに持ってきそうだ)。

“紫のバラの人”………おい!どんどん失笑に拍車かかってるし。

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