イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

俄然ガーゼ ~マスマスくるしい~

2020-04-29 19:00:05 | ニュース

 噂の“アベノマスク”2枚組、取扱い会社がどことどこだ、誰つながりだで早くも香ばしくなってますが、すでに郵便ポストに届いたお宅もあるようです。ウチの地域は近隣どこも未着ですね。一応、現時点では全国屈指の感染拡大地域なんですけど。

 これねぇ。タイミングが遅いとか早いとか、2枚じゃ大家族には足りないとか、不織布のサージカルマスクが品薄で皆血相変えてる中でいまどきスカスカのガーゼマスクってどうなんだとか現実的な事以前に、イメージとして、アイコンとして、安倍晋三首相みずからが送付にさきがけてモデル着用に及び、公的な場にも映像媒体にも露出しまくっちゃったのが決定的なしくじり大王でしなね。

 なんであんなにこのタイプのマスクが似合わない顔の人を、わざわざモデルにしてご披露したんだろう。最初にテレビで見たとき、何かのギャグかコントかと思いました。何に似てるかと思ってちょっと考えたらすぐ思い出した。月刊『本の雑誌』の背の、沢野ひとしさんのイラストでした。

 背の細いところの、いちばん天地の地に近い所に「本の雑誌社」って社名が入っていて、そのすぐ上に、毎号いるはずですマスク男。顔面面積比で布部分のせまーい感じ、ヒモばっかり目立つ感じなど、安倍さんのアベノマスク顔に実に感じが似ておる。

 人から飛ばされる飛沫ディフェンス、自分が飛ばすかもしれない飛沫シャットアウトになんぼの効果があるかより、ショボ過ぎるだろう、ビジュアルが。

 政府が如何にケチでしみったれか、如何に国民の困りごとのために自腹を切りたくないか、徴収した税金を少しでも使わずに済ませたくているかが、あのビンボくさいビジュアルからじゅんじゅんとにじみ出ています。

 配り始める前に安倍さんが「洗って繰り返し使える“布”マスク」と説明してしまったのもまずかったですね。アレを聞いて、月河家では、いつぞのニュースで話題になっていた“水着メーカーが水着の素材で作った”みたいな、伸縮自在フィット感抜群の、二十一世紀の人間工学技術の結晶的なやつを全員想像していたもの。最初っから「お子さんが給食当番で使う昔ながらの“ガーゼ”マスクです」ってぶっちゃけてくれたほうがまだしもその後のガッカリ感が少なかった。

 まぁ擁護するわけじゃないけど、安倍さんも言いだした当初は、自分がモデルになって延々カメラの前に出続ける羽目になるとは思わなかったんでしょう。あの似合わなさを見かねて「総理っ、ここはボクが、ワタシが着けて取材とか受けましょう」「総理はもっと高性能の、諸外国の首脳に見られても恥かかないやつを」と助け船を出す閣僚子分も居なかったんでしょうな。萩生田さんとか世耕さんとかなら、ノドまで出かかったけど、“・・・いや、オレのほうがもっと似合わない”と思って呑み込んでそう。

 “言い出すべきかべからざるか、うーん、えーっと・・・”と考えて何週間も結論が出ないのが岸田さんで、言い出すも何もマスクの着け方自体わかってなくてアイマスクになったり鼻出しになったりするのが先輩の麻生さん

 誰がモデル着用したらオサマリがいいかな?と、ここ最近テレビのインタビューや討論番組で顔面を拝見する機会のあった見た閣僚級政治家の皆さんの顔を順番に思い出して、あのマスクを脳内で着けさせてみたら、茂木敏充外相、意外と似合う気がしませんか。小動物っぽいチマッとしたルックスに、チマッとしたマスクはナイスマッチなような。

 小泉進次郎環境相もいけそうですよ。閣僚の中ではいちばん“給食当番経験”から年数隔たってない感じだし、ついでに白い三角頭巾と白い割烹着も着ていただいて「さあーみんな、きゅうしょくのじかんだよー」「のこさないでたべるんだぞー」って、小学校の先生が当番の実地指導してるみたいでいいじゃないですか。

 ・・・マスクに罪があるじゃなし。2月に家族で買い置きマスクの棚卸をしてみたときに、自分でも忘れていたのですがまさに、この“アベノ”タイプのガーゼマスクも5~6枚、タンスの奥にストックがありました。サイズは揃ってタテ95㍉×ヨコ135㍉で、安倍さんが答弁で説明していたのとまったく同寸、“大人用普通サイズ”の標準です。

 メーカーはロート製薬、ニチバン、大三と結構、大手ばかり。たぶん2009年5月の、新型インフルエンザ日本上陸騒動以来、いま一般的になっている不織布プリーツ仕立てで都度使い捨てのサージカルマスクのほうが効果大だとアナウンスされる前は、風邪や花粉症やハウスダスト、大掃除対策時も、こんな感じのガーゼマスクが一般的でした。あの頃なら、今般のアベノマスクも、それほどショボいイメージを持たれず歓迎されたと思います。

 当時、月河が気に入っていたガーゼマスクがサニークの“快適革命”。タンス防虫剤などでおなじみの白元が販売元で、ドラッグストアのほか調剤薬局の物販コーナーやコンビニ、駅のキオスクでも買えました。単価どれくらいだったかが記憶にないのですが、ネットで検索するといまは楽天市場でもamazonでも取り扱いが無い様で不明。

 鼻の突起に添わせるワイヤーのノーズフィッターだけでなく、鼻部分が突き出て唇に向かって平らになる、横から見ると鳥類のクチバシっぽくも見える独特のフォルムでクチの前にスペースが確保され、圧迫感や呼吸をふさがれてる感がありません。しかもとかく痛かったりこすれたりキツかったりで悩む耳掛けゴムが、リボン状の平ゴムでアジャスターも付き、長さ調節可能。

 洗って繰り返し使えるタイプの中ではこの“快適革命”が出色で、家族用にも、と当時複数枚買ったのですが、なぜか月河以外の家族全員に「顔に合わない」「ズレる」「生地のフチのパイピング布がこすれてカユくなる」等とイマイチ不評で、最終的にぜんぶ月河用のストックになりました。いまある不織布タイプの手持ちはそっくり家族に譲っても、月河ひとりだけならこれを手洗いしながらローテしていけばまるまるもう一シーズンいけそう。

 これだけ長期間のマスク品薄が将来やって来ると、あの当時予測出来ていたら、コレもう家族のためじゃなくあと10枚くらい買っておくんでした。開封せず冷暗所保存なら、腐ったりカビわいたりするもんじゃないし。

 いま製造再開すれば売れるのになぁ・・と思ったら、外袋の下に小さーくMADE IN CHINAの表示が。こりゃ見かけなくなったわけだ。がんばれ国産。

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ビハインドザマスク ~仮面の酷薄~

2020-04-16 17:13:12 | 日記

 今般の新コロナウイルス騒動がいずれめでたく鎮圧され日常が戻って、五年十年経ったら、日本国民の心に最も深く刻印されるのは「とにかくマスクが無かった」ことではないでしょうか。

 たかがマスク、されどマスク。月河家のように、寒冷地で高齢者と同居する、マスク必要度・親和度の高い生活を長年送っている世帯から、インフルだウイルスだヒマツ感染だというフレーズを小耳にはさんで俄かにマスクコンシャスになった大方の人々まで、こんなに高体温にマスクを思い、マスクに恋い焦がれて過ごした日々は未だかつて無かったし、この先もたぶん訪れないでしょう。

 あれだけどこにでも野放図に置かれて、四季を通じて売られまくっていたマスク、本当にいったいどこに行ってしまったんでしょうね。当地では、1月下旬までは、ドラッグストアでも百均でも普通に函で積まれていました。

 渡航禁止された問題の一地域以外からの、いつもながらの中国人訪日客が、カートに一杯お土産のように買って帰国する姿もテレビで報じられていましたし、どこぞの偉い人があちらに防護服等の医療用品とともにふんだんに寄贈したなんて話題も手柄がましく伝えられて軽く炎上したり、要するに「日本の店頭からマスクっちゅうものがきれいさっぱり姿を消す」なんて事態は、誰も予想だにしていなかった。

 いままで国内流通していたマスクが大半、原材料の不織布やゴムひもからして中国製で、中国からの輸入を断ったら速攻不足すると言うのはわかるんですけど、国産に切り替えて大増産する旨、菅官房長官が2月前半からずーーーーーっとアナウンスし続けているのに、いったいどこに消えているのか。

 ドラッグストアなど一般向けより医療機関向けを優先して製造しているから、我々末端まではなかなか行きわたらないんだと言われればそれなりに納得ですが、それにしてはですよ、なんかさ、各地の医療機関、看護師さん保健士さん医療スタッフのほうが、マスク不足深刻らしいじゃないですか。

 これ、やはりおかしいですよ。月河をはじめ全員、我々シロウト一般人の日常向けマスクと、医療機関・保健施設でお仕事するプロのためのマスクは、メーカーも製造ラインも品質基準も、もちろん流通ルートも別で、もしもの時には一方をもう一方に集中させて枯渇払底を防ぎ国民の衛生安全を守る仕組みになっているぐらいに思っていました。

 日々の通勤や営業時に飛沫飛ばしのウイルス運搬車になりたくない一般人も、運悪く感染疑いとなった患者さんの診断加療に全力集中したいプロも、枕を並べて「マスクがな~い!」となるなんて、どっか間違ってるだろう、根本的に。

 月河家に限って言えば、幸運なことに今季、家族が使いたい数量が入手できずに焦る事態にはなっていません。月河本人はこんな歴史的異常事態にならずとも、毎年、10月中下旬~11月上旬の季節性インフル予防接種時期をスタートの合図と考え、マスクをはじめ使い捨てカイロ、磁気治療器替えシールなどの防寒対策消耗品を少しずつ、家族の体調や積雪の状況を見つつ備蓄します。これは雪深く交通の便の悪い長い冬期間を過ごすための、当地住民の平時の知恵にすぎません。

 プラス、より外回り仕事の多い非高齢組は出先でそれなりに調達しては余分めに買って持ち帰ることがありますから、これだけで、正月前の時点でヴォリューム的には準備完了していました。

 で、二月後半、ドラッグストアのみならず総合スーパーでもコンビニでもマスクの棚だけ空っぽと言う状況が続くようになって、家族で“マスクの棚卸”をしてみたら、全員の感想「来季分まであるねコレ」

 ・・確かに。塵も積もればチョモランマ・・とまではいかないけど、まぁ、近い所で、雌阿寒岳くらいは備蓄できてるか。こちらも一時品薄で世間を騒がせたトイレットペーパー(←アレもやりきれない話でした)と違って、さほどかさばらず持ち帰れることもあって、目につくと買い、「あ、コレ前に買ったヤツより目が細かそう」「ワイヤーが二本入って安定感ありそう」「前は普通サイズだけ買ったから小さめサイズも買っとこう」・・こんなことを何回か続けると結構な物量になるもんです。考えて見れば前の前のシーズンに買い置きしたのも、ぜんぶ使い切ったわけじゃなく若干持ち越してるし。

 で、月河がふと「・・これだけあったら、足りなくて困ってそうなトコにひと箱ぐらい譲ってもよくない?」・・筋向かいには無認可保育所があり、まだ一列に並んでお散歩ができない小さいお子さんを6人ぐらいずつ手押しカートに乗せて緑地帯を連れ歩く保育士さんたちの姿を、午前中何度か見かけたことがあります。もうちょっと先にはYクルトステーションもあるし、どちらも潤沢に支給されてる感じではありません。ひと箱ぐらい焼け石に水かもしれないけど、1枚でも2枚でも多いにこした事はないはずです。

 そこへ「チョット待った」と、高齢者その2。この人は、今般に限らず“余った”モノを“人にくれてやる”事についていつも抑制的です。“意識的”と言ってもいいかもしれない。所謂“ケチ”とは違う。月河のように、その場で思いついた人にあげる、何人か思いついたら機械的に人数分に等分してあげる、なんて幼稚なことをしない。あげるにせよ、あげないにせよ、或いは誰と誰と誰にあげるにせよ、裏付け、根拠が無い事がないのです。

 彼女の言うには、

 「今シーズンの普通の流行だけだったら余裕だけど、この“ころな”ってのは今シーズンだけで、暖かくなったら終わり、では済まない。勘だけど」

 「夏を越して、また寒くなる頃、ヘタしたら年が明けても続いてるかもしれない」

 「いままで無かったことが起きてるんだから、終わり方もいままでのようにはいかないはず」

 「そうなったときに“あのとき譲ってあげたひと箱が手元にいまあったら・・”って後悔しても遅い」

 「モノってものは何でも、いったん無くなってゼロになったら、ちょっとやそっとで元に戻らないからね」

 ・・・“勘だけど”。これが怖いですね。ヨワイを重ねた人、昭和の光と影を知り尽くした人の言う事は不気味な重みがあります。確かに、思いつきで、頼まれてもいない、知人もいない先に“困ってそうだから”という思い込みであげて減らしてしまうより、長期籠城戦に備えて黙って備蓄しておくのが賢明かもしれない。

 当地も悲しい事に着々と感染拡大中、緊急宣言下なので、そのうち噂の“アベノマスク”も二枚、届くことでしょう。

 でもたったの二枚って、ねぇ?と月河が言ったら、今度は非高齢家族が「いや、郵便で来るんだから、開封して“当たり”が出たらもう一枚くれるかもしれない」・・

 ・・うまい棒かと。どこにその“当たり”を持って行くんだ。

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キャラたちは人間を目指す ~もしくは思考のグッドはな丸~

2020-04-13 17:16:02 | 日記・エッセイ・コラム

 消しゴム版画家でTV番組コラムニストの故・ナンシー関さんが、90年代後半から2000年頃にかけて或る雑誌で『記憶スケッチアカデミー』という連載企画をされていました。

 シロウトの読者一般に毎回、たとえば“カエル”“ウルトラマン”“ギター”等のお題を出し、読者は実物や写真などの“お手本”をいっさい見ないで、「カエルといえばこんな輪郭で、こんな特徴があったはず」という自身の“記憶”だけに基づいてハガキに描き投稿する、次回は関さんがその応募作品のかずかずを見て、ユニーク作珍作怪作を採り上げて講評する、という内容。

 まぁシロウトの絵ごころを実作実況公開して見世物にする企画はそれこそテレビ番組でも昔から幾つもあったと思います。この名物連載はのちに単行本化され、02年に関さんが惜しくも急逝されてから文庫化もされていますから詳述はしません。今般印象深く思い出したのは、“サル”“ラクダ”“牛”等の動物お題が出ると、動物の顔の眼の上に明らかに“眉毛”と見える物を描き込んでしまい、結果、全体的にサルならサル感、牛ならウシ感がきわめて稀薄になった作品の比率が毎度異常に高く、嘆いた関アカデミー理事長が「繰り返す!動物の顔に眉毛を描くな―!」と全体講評で再三お叱りを発していたことです。 

 ・・・さて、改めて、このほど月河のデスク横に定着した“バッドばつ丸”くんを、ホクホクむにむにしつつ全身しげしげと眺めて思うのは「キミ、ペンギンじゃないだろ」

 つかどこがペンギン?確かに、ナンシー関理事長を慨嘆させるようなシロウト描きの眉毛は、さすがにありません。トレードマークの黄色いへの字クチバシと同じく黄色い足はリアルペンギンに近いし、ツンツンヘアーも野生環境の中でときどき出来する“外ハネクセ毛”て言うか羽毛、のデフォルメだと思えば思えなくもない。

 しかし、あとは頭部と背中が真っ黒でお腹から足元にかけてだけが白い、燕尾服風の染め分けぐらいしか“ペンギン要素”は無い。

 何よりキミ、胴がくびれ過ぎだ胴が。腕っぽい黒いみじかい翼が生えている所と、見れば見るほどまるっこくて鳥類離れした頭部との境目が、キュッとなり過ぎている。いないわこんな人間っぽいペンギン。

 人間。そう、結局、キャラクターをひねり出して愛でる心の本質は、人間が好きなのだと思います。ナンシー関さんも、投稿作品の動物眉毛率の高さから、人間の視覚的記憶力の法則を“人間化”と結論付け、続いての進化(?)を“和モノ化”→“知人の輪化”、ひいては“自分化”と体系づけています。この連載の特別企画で常連投稿者さんのお宅を訪問し対面インタビューしたら、作品の動物の面影と、ご自身の風貌が酷似していたという写真付き(←雑誌掲載です。いい時代だった)記事もあります。

 人間は人間が好きだし、就中自分が好きなのです。馴染みのない、記憶の定かでない動物にも、宇宙のどこにもいない架空の生き物にも、人間を投影し、人間の中でもいちばん付き合いの長い愛着の深い“自分”に寄せてイメージを構成し、定着しようとする。

 でも、キャラクターですから、人間ではない。ここは彼ら、ばつ丸もハンギョドンぐでたまKIRIMIちゃんも、もちろん歯ぐるまんすたいる(以下略)・・・も譲れないし、譲ってもらったらこっちも困る。人間に対してだったら当然のように遠慮も礼儀も義理も必要ですが、人間じゃないからね、こーやってこうやって、揉んだりむにむにしたりむぎゅむぎゅしたりふにょふにょしたり、好きなだけイジれるし、好き勝手話しかけたり、放置したりもできる。

 でも楽しいことに、目つきクチつき風貌や風采は限りなく人間っぽいのです。なんなら人間が着る様なTシャツやパンツ(←ぐでたま「殻だし~」)も身に着けて、歯ぐるまんに至っては歯の主と一緒に満員電車に乗って会社でプレゼンとかもして、「ボクも、オレも、ワタシも人間になりたいよ~」みたいな気配も垣間見せてくれたりする。容姿も表情も雰囲気も“人間寄り”だからこそ、愛でたいと思う気持ちも、購入したいという意欲も湧いてくる。おカネを稼いでくれる“商品”として成立するのです。

 人間が、(実在のペンギンや卵黄や生鮭の切り身よりも)人間が好きだという心理を商品化したシステム。それこそが“キャラクター”と言えるのではないでしょうか。よっし、きれいに決まった。

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歯てしない歯考 ~3密でなくサンリオ~

2020-04-11 16:51:43 | 日記・エッセイ・コラム

 “不要不急”の外出は無期限延期でステイホーム推奨、という世の中になると、これはもう素直にみずからに「ハウス!」と命じ、不要不急は不要不急でも、思考の不要不急=つねづね考えて見たくてしょうがなくはあったが「いまそんなこと考えてるヒマはない」と押しやっていたことどもを、延々トコトン心ゆくまで考えて時間を過ごすに限るではないかと思い、

 “人は、なぜキャラクターにはまるのだろうか”

 ・・この件を追求してみようと思い立ったのです。さぁ奥深い。惜しみなく奥深い。

なぜ単純に黒いペンギンのぬいぐるみではなくて“バッドばつ丸”なのか。

なぜ単純に半魚人のフィギュアではダメで“ハンギョドン”なのか。

なぜ単純に白いアヒルの剥製では面白くなくて“あひるのペックル”を創造するのか。

なぜ単純にタマゴの白身と黄身のオブジェでは物足りずに“ぐでたま”と名付けて興がるのか。

なぜ単純に鮮魚水産加工物店に並んでいる生鮭の切り身では飽き足らずに“KIRIMI・・・・

・・・と果てしなく脳内でカラフルににぎやかにャラクターたちを渦巻かせているうちに、毎年恒例のニュース。

 『サンリオキャラクター大賞 2020』数えて第35回!!!のファン投票が昨日、始まりました。

 さっそく愛しのぐでたまを筆頭に、贔屓のKIRIMIちゃんこぎみゅん(小麦粉の精コギムーナの女の子。お仲間にエビフライ、ギョーザくん、うどんさん、から揚げ兄弟、たこ焼きシスターズなど粉もんいっぱい)の“食べキャラ”勢にまず投票したのですが、昨年ツイッターに偶然出くわして以来、その次くらいに可愛がってきた歯ぐるまんすたいるが存亡のがけっぷちみたい。

 今回のキャラ大で総合33位以内に入れなかったら翌日からツイッター急死、もとい休止だそうです。わーーー。ハードル高いじゃないですか。33位って。

 ツイッター、結構人気だと思うのに。フォロワー2.6万人もいるのに。

 2016年4月にピンで公式ツイッター開設して、その年の第31回では総合55位、以後第32回は41位、第33回も同じく41位と手堅かったのに、昨年の第34回で51位だったのが問題視(?)されたのか。まだサンリオショップで前面展開されるようなグッズ見たことがないけど(ショップのフロントがぜんぶコレだったら歯科材料業者のプレゼン会場みたいですごいインパクトだがそれはともかく)、出たら買いまくろうと思っていたのに。

 月河は基本、動物が苦手(或る条件を満たした状況の或る品種のウマを除く)なので、ネコとかイヌのキャラにはあまり強く惹かれないのですが、食べ物系の次にこういうキモかわ系は好きなんです。特撮のヒーロー単体より敵怪人の造形にはまりやすい体質の然らしむるところか。

 動画もあります。よく見てやってよ。歯にクチだけついてるのって、かわいいじゃないですか。キモい!?

 総勢80キャラがエントリーで、5月25日(月)12時の締め切りまで毎日投票できますから、全国的にステイホームでお暇な向きは、なんとか盛りあげてやってください。この機会で月河も初めてまじまじと投票方法とルールのバナーを読みましたが、1日に80キャラまで投票できるんですって。エントリーが80キャラですからなんのこっちゃねえ毎日全キャラに1票投じてたって良いわけ。それじゃ差も順位もつかないか。

 おなじみキティとかプリンとかシナモン、マイメロにキキララあたりの人気どころはほっといても上位にいくと思うので、崖っぷちの歯ぐるまんすたいるをなにとぞ褒めて伸ばしてやって。あのフォルムでフェイス(?)で、手のひらサイズの『もっちりマスコット』や身長12センチぐらいの立体『むにゅぐるみ』がリリースされたら、手でむにゅむにゅ、ぎゅーってしたら・・と想像してみたまえ。そんな軟体ってどんだけカルシウム不足の歯だよって話ではありますが、サルバドール・ダリの絵画に出て来る時計の文字盤の様な、その非日常性にわくわくするではないか。新コロナ?なにそれ、新型のセダン?とか思えてしまうではないか(思えないか)。

・・・歯無しを、もとい話を元に戻して“人は、なぜキャラクターにはまるのか”

 さっくり次回にしましょう。考える時間はなんぼでもある(これも困ったものだが)。

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むにゅむにゅ中毒 ~黄身だけじゃなく愛を~

2020-04-04 22:22:36 | グッズ

 ここのところ東映スーパー戦隊シリーズから(物販限定では)引いていて、緊縮財政上、いい傾向だと自画自賛していたら、思いもよらず、戦隊以上にターゲット年齢層から隔たりの大きい、サンリオキャラクターにはまってしまいました。

 きっかけは“ぐでたま”。すでに4年前から、セブンイレブンで偶然見つけたデイトブックが楽しくて、イラストも脱力可愛いし、カレンダーページに月の満ち欠け=新月・上弦・満月・下弦・新月のサイクルも傍示されているのも「ときどき俳人」の月河には都合よくて、それから毎年、週間日割りページつきでもっと分厚いダイアリーや、卓上カレンダー複数ヴァージョンと一緒にシリーズで買いそろえるようになっていました。気がつくとデスク周り、かなり黄身色に侵されておる。ぐでたまだらけ。

 「なにもしたくない・・」「もうつかれた」「来年本気出す」とか年じゅう言いながら四季のコスプレしたり、殻をカートにしてドライブしたり結構いろいろやってるのがしゃらくさくてかわいいんですよね。メンドくさがりで、ラクしたい。自分が汗かいたりアタマ使ったりすんのはヤダ、でもおもしろいものとかカッコいいカッコすんのは好き。おいしい思いはしたい、醤油かけてほしい、みたいな料簡って、微妙に共感をそそる。

 それで2月のとある日、100円ショップDイソーで『もっちりマスコット』なるものを見つけました。

 手のひらに載って、グー握れば隠れるサイズの、シリコンゴムの白身のでれっとなった上に、同じシリコンゴムの黄身色ぐでたまの顔がまるっこくころんとのっかってるだけのフォルムで、ぐにっとしたりむぎゅっとしたりするとイイ感じで反発する。それ以外、どっかに吊るしたり貼ったりして飾るわけにもいかないし、ホントに、手で触って感触を楽しむ以外何の役にも立たない究極の“おもちゃ”

 ひと目で「これはいい。右手でデスクワークしながら左手でこの子をむにむにして脳の血行を良くしよう」「疲れたらこのタレ目おクチ半開きの脱力顔とまじまじ見つめ合って息抜きをしよう」と思ってフックボードからはずしてカゴに入れたら、同じボードでなにやらダークでブラックなフェイスの怪しい目つきのヤツが「ソイツしか買わねぇの?」と言わんばかりに睨んでおる。で、「じゃあ友達だと思ってついてくるか?」とお情けで一緒に買った、あとからよくみると“バッドばつ丸”でした。

 パンキッシュなツンツン黒髪(?)と三白眼がチャームポイント(??)のばつ丸くんは、なんかちょっと昔によく文房具などで見かけたけど最近はご無沙汰だった気がしますが、帰宅して月河なりにいろいろ調べたところ、最近サンリオで“はぴだんぶい”という、6キャラクターから成るユニットが押されていて、その“ボーカル担当”ということで、ばつ丸にも改めてスポットが当たっているらしいのでした。

 「ハッピーな男子6人(←“人”??)でV字回復」という意味を込めたというこのユニット、メンバーはタキシードサム・あひるのペックル・けろけろけろっぴ・ポチャッコ・ハンギョドンに、バッドばつ丸。サンリオキャラクターとしての誕生はサムくんの1979年を皮切りに、90年のペックル、93年のばつ丸までまちまちで、もちろんそれぞれピン展開でしたから、今回ユニットとして再展開されるのは、

 「自分にスポットライトが当たらない時期も自分らしさを大切にして、着実に人気を取り戻しつつある彼らだからこそ、自分は今のままでいいのか悩み不安を抱える人へ、ハッピーを届けることができるはず、そんな思いを込めて」(サンリオプレスリリースより)

・・・という意図があるらしいです。

 ぐでたまだったら「スポットライトあづい~ どーせ食われるだけだし~」と殻かぶってプリケツ向けて寝そうですが、なるほど。ばつ丸の顔を見て「ちょっとお久しぶり?」と思ったのはハズレではなかったのだ。

 6人(・・“人”でなければほかに何と言う?)(ペンギン2羽、アヒル1羽、カエル1匹、イヌ1匹に半魚人1・・・人)の中では、ポチャッコがいちばん“現役感”があるかもしれません。ペックルやけろっぴはそう言えば、最近ピンのグッズを見かけてなかった。ハンギョドンはほんの数年前までテレビでも見たような気がしますが、あれは忍者ハットリくんだったか。似てないか。

 6人揃うと、絵柄的に、けろっぴとばつ丸とハンギョドンが“おめめくりりん系”、サムとペックルとポチャッコが“ちいさ目系”と、なかなかバランスもとれている。

 ・・・そんなわけで、先週、サンリオショップ前で、いつもなら素通りするのに、吸い込まれるように買ってしまった、バッドばつ丸の“むにゅぐるみ”。身長ざっと12センチ(ヘアのツンツン含む)。ボールチェーン付きで吊り下げられる。

 レジに行く前に「‥行っちゃうの?」とつぶらな瞳(・・・)で見つめてきたハンギョドン、こちらは身長13センチ弱(モヒカン風のアタマ・・じゃなく背ビレ?含む)も連れて、ついでにサンリオメンバーズカードまで作ってもらってお持ち帰り。家族が高齢組も非高齢も揃って「今年の戦隊のバディはぬいぐるみで売り出すのか」と驚いてましたね。月河がこの時期おもちゃを買ってきたらスーパー戦隊、と彼奴らも思い込んでいた。

 “むにゅぐるみ”とは良くぞ名付けたもので、ベロアのテロッとしたガワの手ざわりと、むにゅむにゅした反発力が、“もちマス”とは違った快感があります。デスクワークの傍らどころか、“人をダメにするむにゅ感”。メーカーさん、この絶妙な反発力指数に到達するまでに、何度も試作を重ねたことでしょう。

 ばつ丸とハンギョドン、ソーシャルディスタンス無視して並べて、頬っぺたくっつけてむにゅむにゅさせたり、お尻でむにゅむにゅさせたりしていると自分でもあきれるくらい飽きない。ハンギョドンのお尻には尻ビレがあるので、ばつ丸がくすぐったそうなんだけどそれも微笑ましい。そばでぐでたまが「むにむにして~」と恨めしそうにクチ半開きにしていたりするので、「そうそう、そもそも黄身・・じゃなくてキミから始まったんだったね」と改めてむにむにむぎゅー。コイツの友達として買ってきたもちマスのばつ丸も並んでいるので、一緒にむにむにむぎゅー。

 ・・・・いったいなにをやっておるのか。世間では新コロナウイルスに立ち向かう医療者、保健行政者の皆さんが必死の戦いを繰り広げているのにむにゅむにゅ、むぎゅーって。

 こういうキャラクターものって、こんな風に、“触覚”からクセになって、中毒化して、芋づる式に消費してしまうように、最初っから商品設計がされているんですね。それにまた、教科書的に嵌まってしまう、月河のような客が存在する。

 ・・・そう言えば、『もっちりマスコット』シリーズに、キティシナモンポムポムプリンの人気筋にまじって、“はぴだんぶい”組のポチャッコ・けろっぴも居たなアとか、すでに“友達を連れてきてあげたい”気満々の自分がいる。

 ピンで商売になるキャラを、複数組み合わせてユニットにして興味関心、人気累乗でウハウハという、ジャニーズ商法をもホウフツとさせる、サンリオ戦略恐るべし。

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