イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

韓にして洋を得る

2011-07-03 22:43:11 | 海外ドラマ

脇道にそれますが、韓国製茂樹……じゃなくて(←祝・復員生還)(@『おひさま』)史劇ドラマも、長かった『善徳女王』の後、無謀にも全81話の『朱蒙(チュモン)』にまで手を出してしまいまして、現行NHK総合とBSプレミアムで放送中の『イ・サン』と、『同伊(トンイ)』も合わせると、結構なタイトル数を、制覇したりかじったりしたことになります。

こんだけここのワールド渉猟したら、世のおばちゃん方並みに、韓流スターのご贔屓のひとりぐらいできたってよさそうなものなのですけれどね。主役クラスの二の線の諸君諸姉は、かなり顔面偏差値も高いですしね。

ドラマの内容が濃くて、引っかかりもツッコみどころも豊富なのに比べ、俳優さんたちにいまいち熱く興味を持ちきれないのは、芸名がカタカナばっかりというのも大きいと思う。欧米名ならわりと簡単に顔や役柄とセットで覚えられるのは、小学生坊主の頃から英米ミステリを読み慣れていたからかも。韓国の人名って、語呂がみんな似たようじゃないですか。姓なんか九つか十ぐらいしかないんじゃないかってぐらいだし。

漢字表記と併記ならもっと覚えやすいと思うんですけれどね。漢字には、字ごとに表意があるので、イメージがしやすいんですよ。それこそ太陽の陽子とか、金ヘンに定めると書いて錠とか、真実を知る子と書いて真知子とかさ。同じ漢字文化の国なんだから、漢字で交流しましょうよ。

それでも、韓国製ドラマは大体、OPで主要キャストの顔出し紹介が毎話毎話あるので、全62話の『善徳』ぐらい多話数の作品だと、カタカナでも、結構覚えます。毒婦女傑ミシル璽主(せじゅ)さま役のコ・ヒョンジョンさんという名前は、キャラがあまりに強烈だったのでさすがに早々と覚えた。にしても、“高賢廷”さんという漢字表記ならもっと早く覚えられたのに。ミシルさまのイメージそのものな字並びじゃないですか。

『善徳』ではクレジットトップのトンマン女王役イ・ヨウォンさんも覚えました。韓国で姓“イ”さんは近世の王朝名にもある“李”さんですね。漢字では“李瑤媛”さん。愛媛県の“媛”なのがトンマンっぽい。

この作品は女王が主人公で概ね女性上位の物語なので、男優陣は覚えるのに時間がかかり、それでも終盤までにクソまじめのカッタマリ・ユシンええと…最終的には大将軍(てじゃんぐん)役のオム・テウン泰雄”さんは覚えられました。カタブツにもほどがある役柄に合った、古風な端正さのあるお顔立ちなのですが、なんか、月河は終始、微妙に昭和40年代の演歌歌手の黒木憲さんを思い出して仕方がなかったな。霧にむせぶ夜。

中盤から最終話まで、とても重要かつカッコいい役なのになぜか顔出しOPに出てこないアルチョン侍衛府令(しいぶりょん)役のイ・スンヒョ“李承孝”さんは、逆に、出てこないから先に公式を調べて覚えました。漢字で書くと読売ジャイアンツの選手みたいだが。こちらは歴然と純コリアンの男クールビューティという感じ。いかにも史劇の若武者役向きなルックスのかたですが、俳優さんですから現代もののラブコメとかお仕事ドラマなんかにも出ているかもしれない。ちょっと見てみたいような。

贔屓とかファンという域ではないけれど、いまいちばん興味が沸いている韓国俳優さんはぺ・スビン“裵秀彬”さんでしょうか。『同伊』で「大きくなったら俺の嫁になれ」とトンイを可愛がってくれていた、心優しく勇敢なチョンス兄さん役でお顔だけ先に覚えましたが、『風の絵師』でいきなり王さま役で、若々しい中にも圧倒的なロイヤルオーラばっきんばっきん出しまくっていてびっくり。しかも『風の~』の王さまはただの王さま(ただのってことはないが)ではなく正祖(チョンジョ)大王ですから、『イ・サン』の世孫(せそん)さま即位後のお姿をだね、世孫のお祖父さまに当たる人(=英祖さま)を産むことになるトンイを可愛がるチョンス兄さんが演じておられるわけですわ。ああややこしい。

このぺ・スビン“裵秀彬”(“ひであき”さんと読みたくなりますね)さん、いま着々と視聴中の『朱蒙』ではヨン・タバル商団のサヨン行首(へんす)として、男であって心は女でもあり、知将かつ馬術武術も強くて、というなんともスーパーなキャラで活躍中です。こういう役どころは演技力に定評ある人だからこその起用だと思います。

そう言えば先週、午後の出先の待ち時間のTVで、タイトル未知の現代もの韓国ドラマを放送中で、いきなり現代姿のスビンさんが映ってびっくりしましたっけ。軽くリーゼント風オールバック頭、なにげにおヒゲの剃りあとが濃い。時代ヅラ無しだと、印象的な翳りのある大きな目より、顔の長さのほうが若干目立つかな。『天使の誘惑』というドラマと後でラテ欄見て知りました。若き御曹司が他人になりすまして自分の妻だった女性にどうこう…ってなんかめちゃめちゃどっかで聞いたようなストーリーみたい。どっかで聞いたけど、でも大好物。どうしよう。どうしようってことはないか。DVD探すか。こうしてずぶずぶと嵌まって行く自分が怖いが。

そう言えば『朱蒙』でスビンさん扮するサヨン行首に熱く見つめられている、タムル軍のミスター髭ヅラ・ヒョッポ大将役のイム・デホ“林代昊”さんも、当地で朝いちぐらいの早い時間帯に放送されている『ホジュン 宮廷医官への道』で見かけました。こちらは12年ぐらい前の作品らしく、怪力無双でがっしりしたヒョッポのイメージよりだいぶぶにぶにな、ドジな普通のデブキャラと見えます。『朱蒙』扶余(ぷよ)国クムワ王のチョン・グァンリョル“全光烈”さんがホジュン役。忙しい朝っぱらからかぶりつきで視聴してるわけには当然いかないわけですが、気になる気になる。

顔と名前と芸風が覚えられた俳優さんを、別の作品で見かけるとなんだか嬉しくなり、作品自体への興味も増して、共演の俳優さんの顔と名もひとりまたひとりと覚えていく。1980年代後半のレンタルビデオ隆盛の頃、学生時代以来ちょっと縁遠くなっていた洋画の世界に、改めて嵌まって行ったときがこういう気分でした。

洋画以上に玉石混交で、それゆえ八方破れなパワーも感じさせる韓国ドラマ。怖れず急がず焦らず、ゆっくりじわじわ踏み込んでいくとしますか。気がついたら耳まで浸かってそうで、怖いっちゃ怖いけど。

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4 コメント

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月河さま、はじめまして。 (よしみ)
2011-07-04 09:29:05
月河さま、はじめまして。
毎回(とは行きませんが…)ブログを拝見させて頂いています。
日々のタイトルにも「上手いっ!」と、感心させられます♪
月河さまのブログを拝見するようになったのは、数年前の『美しい罠』が切っ掛けです。
嵌まりに嵌り、一生に一度の覚悟で(笑)高額なDVDまで買いました。
今でも日本のドラマでは一番好きだと思います…
日本のドラマでは??…そう、私も昨年辺りからある切っ掛けで韓国ドラマにずぶずぶと…既にヤバい事になっているかも(家事とか。。)
色々観ましたが、それでも『美しい罠』ほど嵌まるドラマには出会いませんでした…ところが、今年の春スカパーで『復活』に出会い、今も嵌まりまくっています。
これ、最高傑作だと思います。私の中で『美しい罠』を超えてしまったかも…そして主演の「オム・テウン」にまで嵌まってしまいました。それまで観た韓国ドラマはどちらかと言うとヒロインの方ばかりに興味が沸きましたがはじめて男性(そんなにイケメンタイプではないのですが演技、様々な表情に)に惹かれました。
今また先週からBSフジでアンコール放送を(月~金PM5:00~)やっていますが、スカパーの時はノーカット字幕版だったので今回吹き替えと言うことでまた録画&視聴しています(笑)。カットは多いですが上手く編集されていてそれほど違和感はありません。私、時代物は回が長いので手を出さなかったのですが『善徳女王』は大人バージョンに「オム・テウン」が重要な役で出演と知り、こちらも録画&視聴しています。月河さまは今時代もので手一杯のご様子(笑)ですが、いつか機会がお有りでしたら『復活』も視聴され感想等お聞きしたいものです。名作と評判なので今後も再放送されるかと思います…。
それでは、長々と失礼致しました。
これからも、ブログを楽しみに拝見させて頂きますね☆
返信する
追記… (よしみ)
2011-07-04 15:01:36
追記…
今朝程は、韓国ドラマ関連の記事に喜びブログもサラッと読ませていただいたままコメントしてしまいました(汗)
「オム・テウン」さんにも触れていらっしゃいましたね(汗・汗)
改めまして…
「黒木憲」さんですか?!よく存じて居ますが『復活』ではまったく浮かびませんでした(爆)、確かに年齢よりオッサンに見えますが…善徳のテウンはまだよく分かりませんが『復活』のオム・テウン最高です。聞けば【オム・フォース】とか【オム・ポス】というあだ名が付いたくらいカリスマ的演技だったようです。

ぺ・スビンさんは『天使の誘惑』で始めて観ました。風の絵師もちょっとかじった(裏番組に人気ドラマがありあまり観られませんでしたが)時、出てらっしゃる~と思い『イ・サン』の予告を観た時も出てらっしゃる~と、現代ものを最初に観たので時代劇は新鮮でした☆
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ほんと何度もすみません… (よしみ)
2011-07-04 15:27:10
ほんと何度もすみません…

ぺ・スビンさんは『イ・サン』ではなく『トンイ』でしたね。
『天使の誘惑』コンビが出てらっしゃる~と思いつつ予告をたまたま見たのですが…
イ・サンとトンイ…確実にこんがらがってます私(汗・苦笑)
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>>よしみ様 (月河たびと)
2011-07-04 19:48:40
>>よしみ様
  コメありがとうございます。韓ドラの怖さって、毎話、引きが強すぎて家事、睡眠等、生活の“必修科目”に支障をきたすってところもですね。和ドラも傑作佳作なら、次回が待ち遠しい!と思うことはあるけれど、韓ドラほど“引きに命賭けてる”作は少ないように思います。やはりキムチ常食国だからかしら(←何でもキムチのせいにする)。
 『復活』はレンタルサイトでタイトルだけ知っていました。トルストイ原作の翻案?なんて漠然と思っていたら、復讐劇のようですね。韓ドラ現代劇は未体験なんですが、『美しい罠』に嵌まったよしみ様の一押しなら、月河にも向きそう。いや絶対向くでしょう。決定的に向くでしょう。決定的過ぎて逆に視聴が怖くなりました(怖)。
 テウンさんがお好きなら『善徳女王』はぜひご覧になるといいですよ。テウンさんが登場する9話からなんてぇことは言わず、やはりアタマから行きましょう。タイトルが示す通り女性陣主体の物語なので助演ですし、生粋の武人役、キラキラしたキャラでこそありませんが、彼の一徹さがヒロインはじめほとんどの主要人物たちをいろんな角度から照射し輝かせる、素晴らしい役どころです。
  全62話、時間的にはこたえるヴォリュームですが、物語に韓ドラ史劇ならではの、何と言うか野太く大地に足を踏ん張ったような牽引力があるので、不思議と体力は消耗しませんでした(か細くてブレブレなドラマほど視聴してて疲れるものです)。黒木憲さんについてはお忘れを(笑)。
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