イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

花の色は欝りにけりな

2013-02-10 21:35:46 | 夜ドラマ

『八重の桜』サウンドトラックCDをここ一週間ほどタイマーおめざめ盤にしていますが、とっぱじめのM01が坂本龍一さん曲のメインテーマ、そうアノ微妙なOPの曲なので、さすがに欝だ(爆)。

…いや失礼失礼。非常にその、しずしずと風格ある曲調ゆえ、朝、布団ガー撥ね退けたりたたんだり、じたばたばたばた着替えしたりしてるのがバカバカしくなるんですな。ついローテンションな、遅刻ぎみな朝になりがち。

しかも、OPで言えば綾瀬はるかさん扮する八重が桜色の傘をくるっとして背を向けると磐梯山をのぞむ傘の花全景になるシーンで、曲も春が来たように長調になるじゃないですか。アレで妙な達成感と言うか着地感が湧いちゃうんだね。思わず出動準備じたばたばたばたの動きが止まって一服してしまう。

あと、この曲をおめざめBGMにしている人なら(いるのか)、全員(本当にいるのか)一度は試したと思いますが、演奏125秒で来る、テーマ旋律再来の所で、OPの綾瀬さんのマネして“髪ばっさー”をリアルでやるという。月河ももちろんやってみましたが、目撃した家族全員に「なまはげの様だ」「頭おかしい」と総攻撃されたので速攻やめました。

谷あいに日の出を告げるかのごとき木管の音で、アルプスの少女ハイジ日本版といった趣きで始まり、テンポを刻むピアノが屋外へ誘い出すようなM07『熱い情熱、未来へ』か、走るよりむしろスキップしたくなるアコーディオン?のM04『八重、疾走する』辺りが断然、一日のスタート向きですね。

岩間の湧き水がやがて清流に変わっていくようなM09『覚馬の正義』は、タイトル通り直球なアップテンポが心地よいのですが不思議に切なすぎる。江戸の象山塾で世界を知り、激動する世界に遅れを取らぬ我が会津であれかしと、生き急ぐように疾駆する兄様(西島秀俊さん)が重なるからでしょうか。演奏30秒、130秒過ぎ、230秒過ぎと、1分刻みで“胸クッ”な泣かせ展開が来る、反則的に巧緻な曲の作りで、これをおめざめに聴いてたらかなり出がけの忘れ物率が上昇しそう。

ジャケ写が、桜は桜でも絢爛の桜吹雪ではなく薄墨色の蕾なことからもわかるように、本盤は八重さんの未だいたいけない娘時代イメージを中心に、遠くから徐々に近づく歴史のうねり…とでも言った構成で、若々しい曲、瑞々しい曲、ほのぼのと家庭的な曲が多く収録されているように思います。このところのNHK大河ドラマのサウンドトラックは放送期間中に3集はリリースされるようなので、『八重~』も5月頃には第2集が聴けるかも。その頃にはもっとハードでダークな曲が似つかわしい物語世界になっているのでしょうかね。曲は早く聴きたいですが、ドラマではいまの質実で端然とした、おだやかな会津をもっと、できるだけ長く見ていたい気もしますね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする