イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

あけてくれー!

2008-05-13 19:01:31 | テレビ番組

左柱←←←に掲げてはいるものの、しばらく放置気味だったウチのブログ“大家さん”ブログ人の“トラ場”、今週はちょっとおもしろい問題提起だったので釣られてみました。

「自分とそっくりの人に会ったことがありますか?」…コレ、問題に答える以前に、“自分の顔”が忌憚ないところどんなんだか、正確に把握してる人が少ないですよね。

以前通販カタログに“左右反転しないミラー”なるものが載っていて、さほどの高価ではなかったのでよほど買おうかと思ったことがあります。自分の顔なら毎日鏡で見てるから知ってるわい、とは言っても、鏡に映るのは左右反転した顔であって、他人が見ている自分の顔とは似て非なるんですよね。

TVや雑誌で見かける有名人と、あるいはご近所や職場・学校関係の無名の誰某さんと、「そっくりだね」と言われて、えーそうだっけ?どこが!?と思ったことのある人は多くても、自分で自分以外の誰かさんを見て「おぉ自分そっくり」と自覚した経験のある人はかなり少ないのではないでしょうか。

しかも、他人から「○○さんとそっくりだよ」と引き合いに出されたその○○さんが、そっくりと言われて嬉しい人である場合はほとんどない。…違う?少なくとも月河は、顔かたちとか背格好体型など、自力では如何ともしがたい部分だけではなく、髪型やメイク、服装など努力や工夫・センスでどうにかできる要素についても、「似てるね」と言われて嬉しい人名を聞いた記憶はまずありません。

学生時代は、当時連続テレビ小説ヒロインにも抜擢されて売り出し中だった、そのまんま…じゃなくてかとうかずこ(現・かず子)さんをTVで見て、なんとなくショートの髪型とか顔の輪郭、ほんわかトロッとした目つきなどが似ているのではないかと思い(込み)、美容室に行くときにかとうさんの切り抜きを持って行ったり、彼女がイメージガールをつとめていた銘柄の煙草を買って悪戯してみたりした(意味不明)のですが、当然ながら誰も「かとうかずこに似てるね」とは言ってくれませんでした。

そもそも、似ていて当然の実家両親や父方・母方両祖父母にすら「そっくりだね」と言われた記憶がないし。似ているがらみでいま思い出せるのは、かとうかずこさん熱がさめて髪も伸ばし始めた頃、「テレサ・テンが整形したみたいな顔してんな」と言われたことがあるぐらいか。…って、おいっ!そりゃ鄧麗君は偉大なるアジアの歌姫だけど、何で、どう考えても容姿が優れてる系有名人じゃない人の、やってもいない(知らないけど)整形の“後”呼ばわりされなきゃならんのか。

なんか、このテーマ考えてっとハラ立ってくるだけだな。そろそろ終了しますが、名指しするのが有名人だろうが無名人だろうが、他人にみだりに「○○さんとそっくり」なんて指摘しちゃいかんし、相手のクチから「ワタシって○○に似てると思わない?」てな勘違い発言が出ても(百人聞いて百人勘違いと認識する級の火を見るより明らかな勘違いであったとしても)「似てねーよ何考えてんだよ」と否定したり「○○じゃなく▲▲だろ」と軌道修正したりしちゃいかん、ということだけは強調したいと思います。

他人から「○○そっくり」と言われることは、皇太子殿下ご夫妻じゃないけど遠回しな“人格否定発言”であり、自分の「ワタシって○○に似てる」勘違いは、好むと好まざるとにかかわらず死ぬまで付き合わなければならない“自分”をどうにか辛抱できるシロモノにするための、間接的な自己救済なのですから。

“そっくり”と言えば双子姉妹物語の『花衣夢衣』32話。役者さんのヴィジュアルや演技の力量・クセなどにもいい加減慣れたここへ来て、目についてきたのは脚本の薄さです。

“和”の世界、特に加賀友禅ときものの世界を背景に、双子の女ふたりの不思議な運命にあやつられた情念の綾織り成すドラマのはずなのですが、製作費や日数が昼ドラサイズとは言え“和”やきものの取り扱い方がいかにも通り一遍で浅いのがどうにも気になる。そっち方面の造詣の乏しい月河が観聴きしていてもはっきり「浅い」と断言できるくらい浅いのです。

たとえば今日32話、オリジナル友禅製作の注文を受けた安藤(長谷川朝晴さん)が真帆(吉田真希子さん)を連れてよね屋にデザイン画のプレゼンに。安藤は真帆のかつての悲恋の相手が将士(眞島秀和さん)であることを知った上で、「もう沢木は過去を引きずっていない、新人友禅作家としていまは受けたチャンスを生かすべき」と思って製作に参画させていますが、実は2人は13年前実らなかった相愛をすでに再燃させて禁断の肉体関係を持ってしまっています。同席する澪(吉田真由子さん)はもちろん13年前のふたりのいきさつも、現在の不倫も知りません。

この緊張感あふれる(はずの)4ショットで、将士の安藤デザインへの評「色みが明るくて見映えがする」、澪の真帆デザイン評「古典柄を取り入れて、いかにも加賀友禅らしい作品だわ」……“通り一遍”“上澄みなぞっただけ”の見本のようなコメント。

この場面に先立って、澪が企画した顧客の若い子女対象の着付け教室でのレクチャー、本日は自宅でできるしみ抜きテクらしいのですが「ぬいだあとのじょーふは、汗ジミをとってからしまいましょー。…このよーにてまをかけてあげればきものはいつまでもうつくしくキレますからね」…うわー昭和41年に思いっきり“ら”抜き言葉ですよ。ミニスカ世代の娘さんたちへの啓蒙と拡販目的の教室とは言え、きものワールドの先輩たる老舗呉服屋若おかみなんだから「…お召し頂けますよ」ぐらい言えないものか澪。

一事が万事、脚本家さんたちの“和”“きもの”への関心とリスペクトが付け焼刃なのが見え見え。姉妹間三角関係、不倫と偽装、本筋のお話がエグくておぞましいだけに、背景やディテールは端然と、肌理細やかに作り描き込んでほしかったものです。

コメント
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