イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

女豹の香り

2007-06-30 20:47:00 | コスメ・ファッション

 『麗わしき鬼』最終話、夜の庭先で英矢とみちるが肩を並べて西瓜を食べる場面を見ていたら、一昨年安売り店で衝動買いしたジャガー ウーマンのオーデトワレを思い出しました。

 クルマ好きな方ならよくご存じの、英国製のあのジャガーブランドのフレグランスです。

 パワーストーンで言えばクンツァイト=リチア輝石を思い出させる淡ピンクと、キリッと涼しげなツヤありシルバーとのコンビネーションのパッケージに惹かれ、たまにこういう植物的な香りもいいかなと思ったのですが、お店にさりげなくいろんな香りが渦巻いていたせいなのか、試したときの月河の体調が良くなかったのか。

 買った数日後、改めてつけてみると、トップが思い切り西瓜っぽいの。

 この淡ピンクそう来たか!西瓜をあらわしていたのか!と気がついたときはあとの祭り…と言えばチョットけなし過ぎになりますな。フルーティー系のつねであくまでトップ限定。ラストのほうはかなりムスキーで女っぽい、フェロモニックな香りになるので、その振り幅広さを評価すれば、わりと傑作調香の部類かもしれません。

 しかし、フルーティー系の中でも、柑橘でもベリー類でもなく、いきなり西瓜がドーンと最前面に出てるフレグランスって、稀ではないんでしょうけど、月河は初めてだったのでかなりびっくりでした。

 西瓜を英語で“ウォーターメロン”と言いますが、ウォーターの付かない“メロン”の香り主体のフレグランスなら、ブランド名などは思い出せませんが何度か嗅いだ記憶があります。

 あと、グリーンアップル=青林檎の香りのボディーローションは学生時代好きでよく使ったなぁ。ラブ化粧品。同社のレモンの香りのファンもいました。だから体育の時間前の更衣室なんかは、そっち方面のマニアなら鼻血噴いて倒れるようなどえらいことになっていたんですが、それはともかく、単一フルーツの一本調子な香りをパシャパシャつけて気持ちよくいられるのはいま考えれば若さの特権でした。

 そんな中では、西瓜って、果物の中でも、香り・香気をおもに楽しむ系のフルーツというイメージがあんまりなかったんですね。フレグランスにされてみて、初めて「そっか、そう言えば西瓜ってこういう香りだったわ」と気がついたぐらい。

 日本では、西瓜は香りよりも、やはり暑い季節の“天然のシャーベット”として、シャボシャボした歯ざわりとジューシーさを楽しむほうが優勢ではないでしょうか。『麗鬼』では精子検査の結果良好でハッピーなみちるちゃんが、肌を露出しないワンピース姿で手団扇しながら、まだ夏本番ではないけど暑いわねぇという季節感、あんな(精子)検査緊張しちゃったワという心理を、併せて巧みに醸し出しつつ食べて見せてくれました。

 英矢「男みたいな女の子が生まれても困るなァ(笑)」みちる「贅沢言わないのッ、どんな子が授かっても有難いじゃないの、眉川家の直系としてちゃんと育ててくれなきゃダメよん」英矢「あー、そうだなぁ…」の会話のあと、庭に向かって座る2人の背中を無人の室内から映したカットがよかった。

 カメラ位置がやや上めなことを脇に置けば、小津安二郎の映画にも似た、心情の掬い取り具合でした。

 肉体的に生殖能力のない兄が、能力はあるけど精神的に異性と交われない弟の力添えで血の後継に恵まれるという構図は、産めない悠子&産める洵子姉妹協力の構図の、もうひとつのヴァリエーションとも言えます。

 そもそもこのドラマ、1話で英矢が父・鞆泰から「昔、懇ろにしていた女性(=みず絵ママ)が四谷に店を開いている、高校生になる息子(=みちる)がいるはずだから様子を見て来てくれ」と言われて、当時はまだ普通のスナックだった“壱岐”を訪ね、富弓と出会うところからすべてが始まっています。

 「お兄さんには会いたいけど、こんな(ゲイの)アタシをどう思うかしら」と緊張していたみちるに、産婦人科医の英矢が「生命の発祥はオスもメスも一緒だから、みちるクンのように身体は男でも心は女性というのは異常でも病気でもなく、むしろ自然なんだよ」と好意的に接してくれたこと、鞆泰・房子夫妻にもためらわず紹介して好感触を得たことが、最終話での代理出産協力、悠子Ⅱ世誕生につながりました。

 あのとき眉川家の誰か1人でもみちるを毛嫌いしたり、蔑んで遠ざけたりしていたら、この結末はあり得なかったわけです。

 こう考えると、このドラマは悠子洵子姉妹の数奇な運命の物語というより、若い時分から子供を欲しがってやまず、命の重さ、命を連続させることの尊さを誰より知っていたみちるが、性的マイノリティーという弱みを補って余りある人徳を活かして、めでたく“自分の子”を授かるまでのストーリー…とも読めます。

 ドラマ本編では、みちるは要所要所で一里塚的発言はしつつも、一貫して物語のナレーター・語り部に徹していました。恐らくは数々の報われない恋心や悲しい別れも体験したのであろう彼の半生に、踏み込んだ描写がほとんどなくて、野心や色欲・金銭欲、嫉妬怨恨などの負の感情からまったく自由な、妖精のような存在として描かれ通したことで、あからさまなセリフ、刺激的なシーンが交錯する濃厚なドラマに、常に一陣の涼風が吹き抜けていました。

 みちるちゃんは蒸し暑い一日の終わりに食べる、甘く素朴にシャボシャボ冷えた西瓜のようなキャラだったかもしれませんね。あの場面、啓子さんの定番・紅茶にケーキでもなく、ビールに枝豆でもなく、はたまたアイスクリームでもなく、西瓜だったことに、このドラマのセンス、みちるというキャラの愛され度合いを改めて感じました。

 ジャガー ウーマンに話を戻せば、西瓜が象徴する通り、まさに夏向きな香りでしょうね。リゾート地のホテルの、夕方のパーティーなんかをイメージするとつけやすいかも。月河の身すぎ世すぎには、かなり縁遠いシーンですが。

 西瓜メインのスイートフルーティーはトップだけで、時間が経つと結構、主張する香りになるので、つけて速攻、閉め切ったクルマに乗り込んで2人きりの親密ドライブ、なんてのにはトゥーマッチだと思います。

 ………って自分と縁のないシチュエーションばっかり引き合いに出してどうするんだ。

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その愛で眠らせて

2007-06-29 20:28:41 | CM

 家じゅうで、泡系のアルコールを飲むのは月河ひとりなので、発泡酒の中でもその時その時、特価になっている銘柄を買って来るようにしていますが、やっぱりSAPPORO生絞がいちばん飲みやすいかな。

 発泡酒と言えば、ビール界3大手の中ではキリン淡麗(生)がパイオニア的存在だけど、アレはちょっと苦味が先行する感じで、月河は苦手です。

 ま、他に無ければ、冷えてるんならいいかって感じで飲んじゃいますけど。

 同社の淡麗シリーズなら、志村けんさんのCMでおなじみ、グリーンダヨ!がむしろ飲みやすく後味がいいと思います。低糖質・低カロリーにこだわらない人にも、暑かった一日を締めくくるサッパリ感を重視するなら、こちらをおすすめ。

 先日、いつものお店でSAPPORO生絞りの特売が品切れだった(ご当地のせい?ウチの近所ではやはり月河同様リピーターが多いらしく足が速い)ので、初めてAsahi本生ドラフトを買って飲んでみましたが、こちらは麒麟淡麗(生)とは反対に、微量甘み寄りの粘っこい後味があり、別な意味でいまいちかなという感じでした。

 香取慎吾さんがTVCM担当してるからってこともないでしょうが、なんだか他社の同系列競合品より高カロリーな感触さえある(まさかね)。

 同社の発泡酒系なら、ちょっとビールのEBISUとパッケージ色が紛らわしい、贅沢日和のほうが圧倒的に美味です。ただ、コレ発泡酒の銘柄の中でもちょっと上グレードという位置づけのせいか、近所の特価品になかなかないのが難点。

 ま、Asahiはビールのスーパードライが売れれば発泡酒その他は他社に後れを取っても別にいいや、って姿勢なのかもしれませんね。

 大手3社の隙間を狙うSUNTORYは、“第三のビール”範疇のジョッキ生だけ一度飲んでみましたが、同社のビールと一緒で、はっきり言って水の味がする(爆)。

 最近元・宝塚歌劇団月組娘役トップさんで映画『武士の一分』での木村拓哉さんとの共演が好評な檀れいさんがCMに登場した、金麦を一度飲んでみようと思っていますが、こちらも水の味そう。

 “第三のビール”系統では小西真奈美さんのアサヒぐびなま、鈴木京香さん松山ケンイチさんの麒麟良質素材が結構イケるかなと思いましたが、冷静に考えると、「ここまで“ビールそっくり”にして、かつ一缶15~17円程度の価格比を追求する必要があるのか?」と思ったら、なんだかいかにもバッタもん飲んでる気がしてちょっとシラけてしまい、いつものSAPPORO生絞りに戻りました。

 ビールであれ発泡酒であれ新ジャンルであれ、キンキンに冷やして飲む泡系アルコールはクチに含んだときと、乾いたノドをゴンゴン流れて行く感じ、あとは、「くぁーーっ」ていう後味、非常に短時間の勝負がすべてなので、ブランドに左右されないで、美味しいと思うのを飲んだほうがいいと思います。泡の出るヤツって、胃的にも量に限界があるしね。

 さて、『麗わしき鬼』、なんだかんだで本日最終話。

 洵子が蒸し返すと「もーいい加減にせい!」と思う代理母話が、みちるのクチから「アンタ(=悠子)がいなくなっても、アンタの宝物がいれば淋しくないわ、ワタシたちにアンタの子を遺してよ」と言われると、それもアリか…と思えてしまうのは何故だろう。

 どうかと思う男と、その場の勢いでいろいろやってきて、これからも子が欲しければ誰とでも、いくらでも産める洵子と違って“産みたくても産めない性”であるみちるが子供を待望する言葉には重みがある。

 悠子の「いままでに会った中で、みちるサンがいちばん男らしいわ、酸いも甘いも噛み分けて、スジを通して胸張って生きてる、私にはいちばん尊敬できる男性だわ」には、心から納得。ホント、スジの通らない、男らしくない男が続いたからねぇ。

 「いや~オマエ、無精子症じゃなくて良かったなァ」と、みちると並んでタネ有りの西瓜を仲良く食べる英矢先生も可愛かった。洵子が男と交わらず、自分の(女を欲しない)異母弟の精子で孫を産んでくれて、英矢さんには万々歳だったのではないでしょうか。

 フェミ啓子も、オスの性的横暴(「ダメよダメダメェ~ン」)にも、男性優位の社会にも屈しない出産には快哉の様子。

 富弓にはもとより自分の実娘のお腹をいためて産まれた孫、しかも遺伝子上は悲運の親友・時子の孫でもあるのですから、嬉しくないわけがない。

 那波の精子を介在させることにはあれほど抵抗していた太郎も、みちるちゃんの精子で洵子姉さんが孕むなら問題ないみたい。「もし精子バンクを使うことになったら、ボクが自分の精子とすり替えていたかも」と、洵子に面と向かってクチに出して言ってみて、「あなたの力がなかったら代理出産はできないわ、あなたはもうひとりの父親よ」と肯定されたことで、太郎ちゃんには愛の告白に匹敵するガス抜きになった模様です。

 洵子の妊娠を肌で確かめて、短い生涯を閉じた悠子だけが幸薄いまま終わってしまったけど、せっかくネイリストの才能を活かして自立したのに、何とかドラマ的に病気で死なせないで、生きて洵子とリスペクトし合いながらそれぞれの道を歩む終わり方にはできなかったものかな。

 悠子としては、生きている限り洵子への性的な渇望はかなえられないわけだし、洵子が那波と結婚しても、他の男と結婚しても、あるいは姉の自分の想いに遠慮して誰とも結婚せずに過ごしても、結局は洵子を縛り、洵子に縛られる苦しみから逃れられない人生になったのだろうから、これがいちばん救いある結末だったと言えるのかもしれません。

 原作・脚本の中島丈博さんとしては、悠子やみちるを“矯正すべき、矯正し得る病的な性向”の人として扱い、ラストで“治った”的な落とし方をするのがイヤだっのかな。

 最後の場面、ちょっと女性っぽさ抑え目なイデタチのみちるを「パパ~」と屈託無く呼んでなつく、3歳の“悠子2世”にすべてが救われました。ママ洵子と2人、たぶん眉川家の人々にも愛されて育っているのでしょう。終わり良ければすべて良し。

 眉川病院先代の鞆泰院長・房子ご夫妻も、ひとり息子英矢が無精子症だったのにミラクルで血が継承されて、彼岸でお喜びでしょう。特に房子さんは、本来なら敵対すべき愛人の子であるにもかかわらず、みちるちゃんを可愛がってくれてましたね。コレ大きいですよ。あの頃みちるちゃんを毛嫌いして排斥していたら、今日のミラクルは無かったんですから。

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だんだん過激になってきた

2007-06-27 21:43:37 | テレビ番組

 ワンモアセッ!のビリー隊長来日に刺激を受けたわけじゃありませんが、最近ホコリかぶり気味になっていたシーソーステッパー運動を、ここ2~3日復活させてみました。

 左右サイドに12分、前後に12分。前後運動は軸足かえて12分ずつやると一段とよさそうですが、ラクして6分ずつで計12分、延べ24分。一気にやる時間は午前中も夕方も無いので、左右サイド12分を午前中(=昼食の支度スタート前)に、前後12分を浴室掃除→入浴前に。

 12分で有酸素運動が成立するステッパーの説明書に書いてあったので、一応その辺がメドかな、と思ってやっていますが、途中でペースダウンして深呼吸してまたリスタートしたりしてのユルユル、テレテレの12分ですから、あまり根拠はありません。

 運動量としてはビリー隊長の足元にも及ばないほどショートでライトでマイルドな「いい汗かいた」程度で、怠け者月河にちょうどいいヴォリュームなんですが、難しいのは、毎日、継続させることなんですよねぇ。

 さて、ステッパー夜の部はだいたいこの録画をヘッドホンで観ながら。『麗わしき鬼』第63話。29日(金)の最終話はこの枠のつねでOPが無いでしょうから、工藤静香さんの『雨夜の月に』の歌声を聞くのも明日、28日の64話が最後になります。

 「人を刺激中毒にする気かコレ」と思った序~中盤でしたが、それなりに起伏もあって、気がつけば愛着の湧く人物も何人かいます。

 憑きモノが落ちた(?)後シワシワ老婆姿になって何処へともなく姿を消した留美は、どこかで心静かに生きているかしら。

 熱演、猛演だった嘉門洋子さんのほうが警察情報流出報道でちょっと大変なことになってしまいましたが。

 別に、嘉門さん自身が法にふれることをしたわけではないと思うので、女優根性と実力でまたいい役をつかんでほしいと思います。

 半ば狂い死にのような最期だったシェリー水上。実家が開業医をしているという飛騨高山に、無事納骨されたかな。ご遺族は洵子姉妹とのあんないきさつや性癖はつゆ知らず、「このご時勢に小児科を選んで、博士号まで取った自慢の子だったのに」と花を手向けたりしているのだろうか。

 今日は洵子がまたぞろ「ワタシが悠子にしてあげられるのはコレぐらい」と代理母出産の話を蒸し返してきて、いささかうんざり。卵子を使う使わないは関係なく、誰かのために子供を産んで“あげる”って、産まれてくる子供に失礼千万だと思わないのか。どんな産婦人科医だよ、洵子は。

 悠子の思いがけない大病が判明して、最終話まで二転三転ありそうですが、鬼子母神さまの力で、どうにか救いのある結末にならないかな。

 今日は啓子さんの富弓への「ウチでゆっくり静養なさいよ」が前半のちょっとした圧巻でした。啓子って昔から何事もアタマデッカチで、ブッキッシュな正論先行、人の生々しい感情や湿ったわだかまりに無頓着なところがあるんだけど、ゴリフェミなりの“オンナのヤらしさ”もちゃんと備えていて、前妻・富弓の前で「ほーらよくわかってるウチのダンナは♪」と英矢にタッチしたり、結構「こんなに進歩的でさばけたワタクシ、どぉ?」「ヤセても枯れても現夫人よ」って鼻高々なトゲも出し入れしている。

 ところがそのヤらしさが、ド天然の土偶みたいな富弓には、さっぱり通用しなくて、あらかた空振り。

 富弓が女のプライドピリピリなタイプなら「のぼせないでよ!」「理屈で帳尻合えばいいってもんじゃないでしょ!」と席を蹴って立つような提案も「そんな事ぉ」「ダメですぅ」と柳に風。

 しかも撃ってる本人・啓子が「ワタクシ撃ってなんかいないわよ、善意よ、家に苦しめられた女同士の連帯感よ」と思い込んでるときてるから、この場面、アンジャッシュのコントみたいに可笑しいのなんの。

 常識人の太郎ちゃん、継母啓子に「所詮他人」と距離感ある洵子が目配せしたり肩すくめたりしている間に、とうとうもうひとりの天然・“現況受け容れ王”英矢から「いい考えかもしれん、素直に受け止めたら、お互いにそれに越した事はない、この家は他人の寄り集まりなんだから」と渡りに舟を引き出してしまいました。

 啓子、富弓に、もひとつ前の妻・那代子(山下容莉枝さん)。全員、女の世渡り賢さ(那代子のあのヌカ床)、しなやかさ、図太さ、怖さをそれぞれに兼ね備えていて、3人並べると英矢さんの人となりがなんとなくまるわかり。

 英矢さんに、血はつながらなくても孫を抱かせてあげると思えば、洵子の性懲りもない代理出産志願も少しは応援して…あげらんないな、やっぱりな。

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狼馬の休日

2007-06-26 18:12:43 | テレビ番組

 先月30日放送の『ためしてガッテン』以来、トマトを湯剥きせず皮ごと、種もとらずにヘタだけとってミキサーにかけて、トロトロトロトロ気長に煮詰めるトマトソースにこっています。

 欧米の皮の厚い調理用トマトと違って、ナマで食べて甘いように品種改良されている日本種のトマトは、種の周りに旨みのグルタミン酸が集中しているので、料理本で常識になっている“湯剥きして種をとる”下ごしらえは不要なばかりか、かえって旨みを殺いでしまうらしいです。

 汚れたミキサーの後始末が例によって面倒くさいことを除けば、このトマトソース、手間もかからずアタマも使わない、トマトさえあれば本当にシンプルにいつでも作れる優れモノです。

 パスタソースのベースや野菜炒めだけではなく、チャーハン、コンソメスープ、あるいはカレーの隠し味にも大活躍。

 最近はオムレツの具作りに、ケチャップの代わりに使っていました。ジャガイモの角切りと玉ネギのみじん切りを炒めてこのソースで和えると、中に包み込む具にも、プレーンオムレツに添えるソースとしてもいけます。

 しかし、昨日(25日)の『美味(デリシャス)學院』最終話を見ると、甘ーいケチャップたっぷりのお子さまオムライスが久しぶりにまた食べたくなってしまいました。

 「これがオイラにとっての最高の激美味(ゲキウマ)なんだ」…そうだよなぁ。父ちゃんがチキンライスを作り、母ちゃんがオムレツを作って、ケチャップで書いてくれたハートマーク。子供にとって、この上ないご馳走ですよね。の黄色に、赤いケチャップ。子供にはあの色合いがたまらないんだな。子供狼馬の回想試食シーンで、BGMがドヴォルザーク『新世界より』になったのが、さりげなくジーンと来ちゃいました。

 美味追求のために家庭を捨てたと思っていた父ちゃんも、ホントは母ちゃんが大好きで、狼馬よかったね。

 父に去られ母は早世、悲しい身の上話を背後に残して狼馬がどこへともなく姿を消したときのデリ5メンバーのリアクション、なかんずく凛王子の「あ!話が悲しすぎて、つい」。

 大将戦も選手が急病なら代役でいい、ならば校長とは狼馬に戦わせようと考えた南郷先輩の「あたーっ!急に下腹部に激痛がっ!」…普通にハライタでいいのに、なんで下腹部よ。しかも「何か、ナニか産まれるかも!って、エイリアンの宿主じゃないんだから。「狼馬!」と起き上がったときに、ちゃんとホイッスル効果音ピィー。最終話まで音声さんに愛されてる先輩。

 校長の最強オムライスを試食した瞬間、アニメになって雲を突き抜け昇天しちゃう徳平先生とか、デリ5の狼馬応援オムライス・ダンス、「学園内に心を通わせる改革」と称した四天王のムリヤリハンバーグ・ダンス(虎堂のやる気なさっぶり)など、イイ話の中にも笑いどころがてんこ盛り。

 最終決戦で校長父ちゃんは激美味変身して髪が逆立ったけど、狼馬は変身せず「吹っ切れたみたいネ」(マシュー)とやさしい顔のままオムライス完成、校長「もうジャッジの必要はない。ここまで人の心を揺さぶる料理は、いまの俺には作れない」と脱帽…という流れも、ハチャメチャなりの整合性がありました。

 マンガチックなコロモにくるんであっても、中身には少年の成長、父への反感と対抗意識、違う環境で育った仲間への共感と友情の芽生え。師匠たちが課す試練、友と協力しての克服。そして恩讐を越えて、息子は母へ、父は妻への愛の共有を確認して和解。ジュヴナイルのファンダメンタルズがきっちり詰まっていた。

 もう来週からデリ5と四天王に会えないのが本当に残念。校長の座をかけたデリ5のチャレンジ戦もだけど、南郷先輩と女子部の大将アゲハさんとのその後の顛末も見たいな。

 昨日25日は『プロポーズ大作戦』も最終話。なんだよー、タイムスリップしてさんざん小細工した挙句“未来を変える鍵は、現在にしか無い”って結論かい。でも礼が自分の意地っ張りさ、素直でなさを自覚した回想場面は、ぜんぶ健が過去に戻って、不器用なり間が悪いなりに精一杯変えたシーンばかりだったから、妖精も健もムダ足ではなかったってことになるのかな。

 健ゾー、泣き過ぎなんだもの。スピーチの最後「幸せにならなかったら…××許さないからな」の“××”言えてないし。

 コレ、11話やるには、話として尺が足りなかったんじゃないかな。ジャック・フイニイの小説だったら、『時に境界なし』(ハヤカワ文庫『ゲイルズバーグの春を愛す』所収)並みの、文庫二十数ページでキュッとまとまってる。ドラマ化するにしても、せいぜい45分枠3~4話で締めるところでしょう。

 途中のウダウダは、長澤まさみさんのセーラー服姿、浴衣姿、ドレス姿に花嫁衣裳姿などが小出しに鑑賞できたからファンの人たちとしては満足なのかな。広い会場敷地内を、レースキャミの裾まる見えにドレスたくし上げて健の姿を捜し求め駆け回る礼は、ファンタジーのお姫さまみたいだったけど、こういう眼福はあくまで結果であって、目的じゃないと思うんですが。

 健ゾー山下智久さんは、持ち前の死にかけた魚みたいな暗い瞳のまま、ときたま繰り出すローテンションギャグ演技もさることながら、ハレルヤチャンス時のフラッシュライトで、その暗い目をそばめて手で庇う仕草がよかった“フラッシュ当てられたときのリアクション”限定で言えば、いま間違いなく日本一似合う、巧い俳優さんでしょう。あの眩しげな目と仕草に(リアル山下さんへの、たとえば写真週刊誌パパラッチ夜襲などを想像重ねて)毎週ときめいていたファンも多かったのではないかな。

 こういう、俳優さんがらみのパーツパーツだけつかまえて「可愛いー!」「カッコいいー!」とウケていれば結構面白かったのかしら。なんか、分厚くて紙質高級で激重なわりに、記事部分より広告のほうが多くて豪華な、美容室に置いてある系女性ファッション誌みたいなドラマでした。

 健がひとしきり咽び泣いたあと、ひとり式場をあとに乗ったタクシーが「どんだけー!」のガス欠になったところへ、妖精に「いまからでも間に合うと思わないか?」と背中を押された礼の「ケンゾーーー!」の声が聞こえて、振り向き微笑む健…で終わっちゃったけど、最後くらいチカラいっぱい抱き合ってキス、ぐらい見せて欲しかったですね。

 健礼にあまり肩入れしていない視聴者月河でも、「ロマンチックが足りないよー!」と思ってしまいました。

 “過程の一歩一歩が重すぎ、考え過ぎて結果が出せない”このカップルにふさわしいエンドかも知れないけど。やっぱりハッピーエンドに収斂する王道ラブストーリーは、もう流行らないのかな。

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ドライジン、ロックで

2007-06-25 18:16:50 | コスメ・ファッション

 ドラッグストアに行くたびに、コンビニにおける発泡酒類並みの短サイクルで商品の顔ぶれが変わっているのがシャンプー、リンス、コンディショナーなどヘアケア製品の棚。

 先日からアメジスト(紫水晶)のことばかり考えていたので、菖蒲色の表紙に惹かれて、花王Segreta(セグレタ)のパンフをもらってきました。

 “ご自由にお取りください”のお言葉に甘えてタダものは積極的に頂戴するけど、本商品速攻買っては来ないのが、賢い消費者。ってなもんでぃ。

 中を開くと、完全に30代後半以降向けの、アンチエイジング商品です。石榴(ザクロ)・真珠・薔薇・王乳(ローヤルゼリー)・按葉(ユーカリ)エキスなど“人より高級なモノを使ってるワタシ”が大好きだからね、この年代の女性って。

 ホテルスパやスーパー銭湯にも持って行くマイ・シャンプー、月河はカネボウのクローチェ柔らかい髪用をもっぱら愛用していました。

 “11種類の和漢植物エキス”ウンヌンより、洗い流した後のツルツル感がいままでのシャンプーにはない感触で、当時ひどくなっていた枝毛裂け毛も着実に減った気がしたし、何より、ほどよく柑橘っぽい残り香が気に入っていました。

 それが、間もなく発売当初の黄橙色のパッケージが、肌色と茶色のなんだかお地味なデザインに変わってしまい、えー前のほうが良かったのに…と思ったら、アッと言う間に近隣の店頭から消滅。

 想像ですが、たぶん他社の後発商品が、そっくり同じではないけど似かよった色系統パッケージを採用、区別が付きにくくなることを警戒してデザイン変更に踏み切ったことが、かえって影を薄くさせてしまったのではないでしょうか。ヘアケア製品だけではなく、衛生用品、洗剤、清涼飲料水、栄養ドリンクなど、競合の激しい分野では良くある現象です。

 昨年からネット環境になったので調べてみると、もうクローチェのサイトはなくなっているし、オンラインコスメショップではまだ買えるようですが、作り置きの在庫品を送料手数料費やして取り寄せてまで買う気もしなくなり、最近は浮気しまくっています。

 P&GのDove(ダヴ)は潤い感はたっぷり過ぎるくらいたっぷりだったけど肝心の洗髪中の泡立ち、泡切れが良くなく、洗っているというよりいきなり乳液塗ってるみたい。資生堂マシェリは洗い上がり後ドライヤーをあてたときのツヤ感は感じられるものの、洗髪中も後も、香りが甘すぎ強すぎて参りました。

 痩せてコシのなくなった髪をキトサンでコーティングしてヴォリューム感を出すというフレコミのウエラクリニケアも、期待して買ったんだけど、試そう試そうと思って試す前に店頭から退場。…こうなると、なんかね、髪をきれいに、状態を良くしようと「オマエ真剣に思ってないだろ」と自分に喝ーっ!だね。こちらはヘア専門メーカーの製品なので、向こうから田舎のドラッグストアに早めに見切りをつけたっぽい。

 それから、宮沢りえさんのTVCMで思わず目がハートになった資生堂FINO(フィーノ)一度使ってみたいと思って、もう2年ぐらい経ったのかな。今日、まだストアにあったっけ。

 こんな中、03年秋から飛び飛びに使っている花王アジエンスと、それよりはるか前「髪を弱いものと考える。」というキャッチコピーが静かに衝撃的だった資生堂スーパーマイルドが、試用済みブランドの中ではいちばんの定番になっているようです。

 スーパーマイルドは香りが控えめなこと、すすぎに時間がかからない、ほどほどの濃度で目鼻への刺激も少ないことが高齢家族にも好評。アジエンスは月河含めてもっぱら女性軍が使っていますが、やはり香りに支持が集まっています。フルーティー系でも柑橘系の酸っぱさが少なめ。シャンプー類の残り香としてはコロンブスの卵的調香ではないでしょうか。

 月河はウチの女性軍ではいちばん髪が長いので、洗い上がりの肌理の揃い方、ハリ・コシ感ではやはりかつてのクローチェに一歩を譲るかな…という物足りなさはあります。シャンプーの後、トリートメントをつけるまでの間、ちょっと髪がクタッとなってもつれる感じがあるんですね。クローチェ柔らかい髪用では、このクタッがなかった。

 それでもアジエンス、褒めてあげたいのは、2年前ぐらいのリニューアルのときにも、パッケージデザインを大きく変えなかったこと。シャンプーはクリームゴールド、コンディショナーとトリートメントはアースゴールド、色を変えないということは、他社競合品にこれ系の色を使わせないという自信、競馬で言えばかつてのアイネスフウジン、ミホノブルボンやキョウエイマーチみたいな「ついて来ようとするヤツがいたら、そいつのほうが先にバテる」的磐石の自負が感じられるだけでなく、店頭で「いつものアレ、ドコ行った?」「なくなっちゃったの?」と探し迷わないという買い手側のメリットもあるわけです。

 まぁ、“髪を健康に、美しく保つ”ことを追求するなら、シャンプーだトリートメントだをアレこれジプシーするよりも「カラーリングをやめる」。これだけで髪は数倍、数十倍健康になります。間違いありません。

 コレ言うと「アンタは白髪がないからそういう勝手なことを言うのよ」「肌を若く健康に保つにはファンデ塗らないことが一番、って言われたら、アンタ素ッピンで通せる?」ともんのすごい顔で詰問されるので、あんまり言わないようにしてるんですが、ホントなんだってば。

 月河も80年代後半頃は御他聞にもれずきつめのソバージュにしていて、当時のお宝(“逆お宝”か)写真を見ると、スープがたっぷりからみそうな縮れ麺の札幌ラーメンみたいなアタマをして愧じるところがなかったわけですが、まーね、面白いように抜ける、切れる、裂ける。

 当時はバブル期OLで、貰い過ぎなくらいのお給料をほとんど自分のために遣っていましたから、都心のサロンでトリートメントつきのパーマを毎度毎度かけていましたが、毎朝のスタイリング、シャンプー後のドライヤー、ブラッシングのたびにブチブチ、静電気パシパシ、いま思い返すと身の毛がよだつような惨状を呈していました。

 90年代の退職とともにパーマはゆる巻きで年2回程度にすると、これまた面白いように髪にツヤが戻ってきて、伸びるのも早くなりました。要するに、肌におけるメイクと同じで、人工的な手を加える度合いが増すほど、ダメージは大きく、不健康度が高くなる。

 ヘアケアメーカーも、一方で茶髪のモデルさんを大量投入しておシャレ白髪染めとかカラーリング用品を売り込み、もう一方の手で「髪が傷んだら、ツヤと輝きを回復」と、薔薇やらローヤルゼリーやら和漢植物ナンタラ入りのシャンプートリートメントを売る。ずるいよねー。

 どうするかな。Segreta。いま読んでいる『ハンニバル・ライジング』にも紫夫人って出てくるし、紫つながりで一度使ってみるかな。いちばん小容量のパッケージはハウマッチ?…ってパンフにお値段いっさい書いてないよオイ。ホント悪辣だわ。

 『麗わしき鬼』61話。大詰め前のひとときの静けさという感じでしたが、鉄面皮アホ全開の那波(松田賢二さん)を太郎ちゃん(山口翔悟さん)が「あの男は俗物ですよ」ときれいに一刀両断してくれました。

 太郎ちゃんは洵子姉さんにひそかに異性としての恋愛感情を持っているので、図式的には公平でないのですが、これまでの流れを見る限り、那波みたいな無神経な下半身先行男でない、賢明で頼り甲斐のある花婿候補が現れれば、「淋しいけれど洵子さんが幸せになれるなら」と喜んで祝福してくれたと思う。そのために自分が他の女性を好きになるのは遅れるかもしれないし、麗花のような思い上がり押しかけ彼女志願はムキになって拒否するかもしれませんが、彼自身はそれで満足でしょう。

 洵子が本心から那波を愛しリスペクトしているとは思えず、むしろ行きがかりの流れで、自分で自分の尻拭いをしているに過ぎないこと、悠子とのしこりをきちんとして再出発できる問題解決能力や決断力が、那波という男から感じられないことを、太郎は見抜いている。

 洵子が「あなたは弟なんだから」と言ったときの、太郎の悲しそうな顔ったら。洵子、違うんだよー。太郎ちゃんが「ボクだって言わせてほしい」と言う“本心”とは、洵子とオスメスになってどうにかなりたいってことじゃないんだ。そんなんなったら、血のつながりはなくても戸籍上の姉弟、どちらかが籍を抜いて他人の養子籍に入らなければならず、英矢先生や啓子さんがまた病院の後継がらみで大騒ぎするに決まっていて、常識人の太郎はそんなこと望んじゃいないと思う。

 彼の願いは、多感で心揺れ動く受験生時代に憧れの目で見ていた、賢く優しいお姉さんの輝き(←かなり痘痕もエクボ入ってるが)を濁らせないでほしい、ということだけなのに。どうしてわかってやれないか。洵子の頭の中はどうも“下半身本位制”なんだな。

 今日は、那波の洵子に伴われてのバカヅラ表敬訪問時における啓子「アナタたち妊娠までした仲なのに、いまさら結婚式とか披露宴とか必要あるの?なんだか白々しいわ、ワタシたちだって結婚式はしてないのよ、ねぇアナタ」に英矢「…あのときは、なし崩しだったじゃないか(←遠い目)」に軽く笑いました。

 ホント、CM明けいきなり家紋入りの喪服着て主婦してたもんね、啓子さん。あのCMの間がなし崩しのハイライトだったんだろうけど、英矢先生自身もお盛んで、自分から“崩しに行ってた”からなぁ。それも込みで思い出して遠い目になっちゃったんでしょうね。

 IKIで太郎と鉢合わせした悠子の「しばらくです、そのセツはいろいろとお世話になりまして」もなにげに、なかなか言えないセリフではある。ムリヤリ穏当に言えば“熱しやすく冷めやすい”っての?暴れる荒れる→号泣反省のリフレイン、コレやっぱり実父・義正譲りだね。洵子もそんなところあるもんなぁ。性溺→ケロ忘れ、のリフレイン。

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