イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ハングリートータス

2009-09-28 22:04:55 | 朝ドラマ

 『つばさ』でひとつ残念だったのは、音楽がもうひとつパワー不足でしたね。つまらないとか薄いとかではなく、もうちょっと牽引力のある、一度聴いたら忘れられないメロディー、楽曲が、数あってもよかった。個人的に、リアルタイム視聴でもラジオでアナログの音声だけ聴いた回が多いので、特にそう思います。

 ♪ララララララ ラーラ・・・の実質メインテーマ『太陽の街、川越』とそのサンバカーニバルアレンジがあんまり印象的過ぎて、他にどんな場面でどんな曲が流れていたのか思い出せないんですよ。

 斎藤興業ヒロリン社長(西城秀樹さん)のオフィスシーンになると突然決まって流れたジャジーアンニュイな曲と、優花ちゃんのためにつばさが完成した『おはなしの木』の劇中紙芝居のアコースティックピアノ曲、あとはリスナー参加劇『婦系図』での昼メロ和風な曲ぐらいかな。

 でもあの♪ララララララ ラーラ・・・のためだけにでも、サントラCD欲しい気持ちが、ちょっと無いでもありません。

 昨年の『瞳』も、OPのさわやかに力強いトロンボーンのテーマだけが欲しくて、結構迷ったのですが、演奏時間66分、ボーナストラック1曲で3,000円というコスパに若干NHK製ソフトらしい割高感があって二の足を踏んでしまいました。『つばさ』は71分で2,625円です。うーん、幾らの差でもないな。

 今日からこの枠は『ウェルかめ』になりました。情報を媒体で見た当初は“ヘンなタイトル”というだけの印象でしたが、夏が終わり、「猫もシャクシもビーチだ水着だリゾートだ」ではなくなったこのシーズンに、徳島・美波町の海洋シーンがほどのよい距離感で環境ビデオのように快適だし、子役さんたちがみんな可愛い。

 わけてもパリ仕立てのお洒落な服を着こなす東京からのクール転校生・果歩ちゃん(金子舞優名さん)が出色。“庶民的な環境に1羽舞い降りた、高慢なセレブ美少女”って、昭和の少女漫画で育った者にとっては、永遠のツボです。

 公式サイトによると、ヒロイン波美(小酒井円葉さん→倉科カナさん)の幼なじみで、ちょっと勘違いに熱い生粋の漁師ジュニア・一平(三田村陽斗さん)の成長後は、『仮面ライダーキバ』の紅音也が記憶に新しい武田航平さんが演じるそうです。これをもって通し視聴決定。海を愛する男という設定なので、『キバ』放映と前後してリリースされた写真集でも話題だった、“意外に鍛えたいいカラダ”が多シーン多カット拝めるかもしれません。それはウェルかめ、いやウェルカム。

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嫁の春

2009-09-26 21:27:13 | 朝ドラマ

 「オレと優花と一緒に、佐賀に来てくれないか」という真瀬(宅間孝行さん)の、つばさ(多部未華子さん)へのプロポーズは、プロポーズではなく“自分は本当はどうしたいのか、どこで何をしていたいのか”を、つばさに自己再確認させてあげたいという“イモ心”ならぬ“親心”だったのでしょうね。

 最終話ひとつ前の、母から娘へのブーケトス、ラジオマン(イッセー尾形さん)とのお別れ(03年の浅野温子さん三上博史さん『共犯者』のラストを思い出しました)、「子供を持つだけが夫婦の意義ではない」と気づいた紀菜子さん(斉藤由貴さん)、みんな素敵でした。

 「つばさが一緒じゃなきゃやだーー!」とゴネ通していた優花ちゃんが、ラスト「みちるだーー!」とあっさりみちる(山本未来さん)になついていたのと、斉藤(西城秀樹さん)とこえど麻子女将(井上和香さん)がいきなり異常にいいムードになっていたのには爆笑でしたな。

 ロナウ二郎(脇知弘さん)とベッカム一郎(川島明さん)のコンビ復活芸がもう一度見られなかったのだけはちょっと残念。あの寒さがクセになるんですよ。出始めは『蒲田行進曲』のヘタなパロディみたいだったベッカムも、終盤、写真誌お騒がせで事務所をクビになり、やさぐれた途端妙にカッコよくなったりして。

 昨年5月、『瞳』の途中から、思い出せないくらい久しぶりに復活したNHK朝ドラ視聴。『つばさ』は誰が何と言おうと(誰か何か言ってるのか)月河の中ではベスト作でした。

 最終話が終わった後でも、“あの人物、あの店、あの場所、今頃どうなって、どうしているかしら”と、すべてがゆかしく懐かしい。庖丁研ぎ名人・谷村さん(及川いぞうさん)も、麻子の元・極道父(石橋蓮司さん)も、なんなら葛城さん(山本學さん)も頭に輪っかつけてサンバに加わればよかったのにね。

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時は流れ すべては変わり

2009-09-24 15:46:28 | 昼ドラマ

831日スタートの『嵐がくれたもの』、なんとか1話遅れ、2話遅れぐらいのところまで追いついてきましたが、結構な牽引力です。

ここのところ、近年でいちばんの早起き生活なので、深夜の録画再生タイム、もう眠いから打ち切って明日にしようかという段で、「いや、とりあえず次のCMまで」と思わせるものはある。

リドリー・スコット監督の映画『ブラック・レイン』を観たとき、あまりの居留地的ごちゃ混ぜエキゾティシズムに、外国人が撮ると大阪もこう見えるのかと驚いた記憶がありますが、『嵐くれ』は“昭和のごちゃ混ぜ”

一応、設定は伊勢湾台風から10年後の昭和44年ということになっていますが、この年代に、TVや漫画雑誌・芸能誌大好き小学生坊主だった月河から見ると、どう見ても、昭和20年代中盤の敗戦早々と、30年代40年代の高度成長期、なんならポストオイルショックの50年代初期ぐらいまで、人物の服装髪型や街頭風俗がスーパーミックス。

水害後に節子(岩崎ひろみさん)に拾われて養女・順子となった少女(三浦透子さん)のキャスケットにデニムのオーバーオール(←“サロペット”ではなく)などまさに宮城まり子さんのガード下靴みがきスタイルだし、宇田川壮助(原田大二郎さん)によって名古屋の資産家・森龍太郎と偽られた恭平(永岡佑さん)と結婚した盲目の華道家元・百合子(宮本真希さん)のレースフリルたっぷりな薄物ふんわりトップスに“エリザベス女王レングス”のスカートは、ドンズバ昭和40年代昼ドラのよろめき良家若妻風。

22日(火)放送の17話で節子が着ていた縁取りありのボートネックトップスなんかは、昭和50~51年頃『愛に走って』や『パールカラーにゆれて』を歌っていた頃の山口百恵さんがよく着ていました。ちょっと首が太短寄り、肩もがっしりめで丈夫そうかな?という女の子が着ると、若干華奢に見えるんですよ(月河も当時愛好)。

昭和44年ならその年流行った曲流しときゃ間違いないだろうってんで、キング・トーンズ『グッドナイトベイビー』、カルメン・マキ『時には母のない子のように』、高田恭子『みんな夢の中』、由紀さおり『夜明けのスキャット』とピンポイントでイージーに流れる流れる。権利関係大丈夫なのかしら。それも、場面によっては贔屓目に見ても東京オリンピックの後ではあるはずがない風物、装置の中で流れるから、底知れないスーパーミックス感です。

イングランド生まれでロンドン王立美大出身のリドリー・スコットが撮ると日本が『ブレードランナー』になり、大阪が『ブラック・レイン』になるのと同じように、平成しか知らない、あるいはバブル以後しか知らない日本人が、ブッキッシュな情報知識だけでイメージし具現化すると、“昭和44年”もこうなるかの感。

しかし、こうしたごった煮&絵空事感をもまとめてぶっ飛ばす、恭平(偽られて龍太郎)役・永岡佑さんの、ものすごい“昭和感”が圧倒的です。圧倒的にもほどがある。

微妙な位置での横分け直毛の黒々ボリューム感、額の輪郭の、マジックでフチ取ったようなくっきり角張り具合、これと対比する顔の下半分の小じんまり具合(もっと言えば貧相さ)、正面向きの顔面積に比してこちらは大きすぎる“耳面積”、役柄設定的にやたら多い“思いつめ顔”で、そうでなくても狭苦しい眉と眉の間から鼻柱付け根付近に現われる小心そうなシワの形状など、こんなに隅々までみっちり“昭和臭い”容姿の俳優さんを、よくぞ見つけてきたもの。

彼が画面に登場するだけで、多少街角風物や看板ポスターなどに時代考証不整合があってもどうでもよくなってしまいます。序盤、水害前の、両親がかり妻がかりで無職の画家修業中・恭平は一日じゅうシャツにズボンだけのカジュアルスタイルでしたが、華道家元のムコ殿兼事務局長の龍太郎となってからはかっちり野暮ったいスーツネクタイ姿が多く、昭和感も倍増。

“事故で記憶喪失し別人のアイデンティティを生きている最中、最愛の女性と偶然再会再燃、記憶を取り戻す”という設定は何やら『冬のソナタ』でぺ・ヨンジュンさんが演じたミニョン(チュンサン)を思い出させます。

赤子の身で恭平とともに水害を生き延び、婿の連れ子として宇田川流を継ぐべき令嬢・亜弓となった、実は節子実娘の順子(山口愛さん)の境遇も、これまた昭和の少女漫画そのもの。

平成の東海テレビ制作昼帯として見れば、これほど“色っぽさ”“甘美な官能”と縁遠いドラマも久しぶり。“母性愛”押しはやはり、エロを含む“情熱恋愛”とは利害が対立しますね。

観る人によっては、警察官としての表彰を潔しとせず一度は施設に託した赤ん坊(=現・順子)とともに逃避行、店頭から盗んだ餅を頬張って母乳を含ませる節子の“汚れた顔のマドンナ”姿に色気を感じたでしょうか。

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旅のお手伝い

2009-09-23 16:55:24 | 映画

21日(月・祝)地上波初の映画『おくりびと』を、高齢家族の要望で録画し、昨日、ネットと洗濯の合い間に随伴視聴。

 納棺師という職業を契機に、死や死体にまつわるお話ではあるけれど、陰惨さや悲傷は最小限に抑えられ、むしろ欧州の現代文学中篇を思わせる、素敵に寓話的なファンタジーでした。

←左柱←←←のオールタイムベストに2作掲げてある、ベルンハルト・シュリンクのよう…とはちょっと違うかな。『愛の続き』のほか『アムステルダム』『贖罪』などでも知られるイアン・マキューアンも、書きそうと言えば書きそう。とにかく画面の色調といい、東北地方雪国の地方都市でのロケシーンといい、まことに“新潮クレスト・ブックス”っぽい世界です。日本でなら単館公開で終わる匂いの作品なのに、アカデミー賞その他海外での高評価が先行したのもよくわかる気がする。

何たって怪社長役・山崎努さんの風采と、漂わす雰囲気がいい具合に浮き世離れして通奏低音をなしましたよね。棺桶サンプルが林立するNKエージェント社屋も、よくあんな坂道の古い商家をロケハンしたものだと思う。フジヤマもゲイシャも、ニンジャもハラキリもない、初めて見るニッポンの風景に、欧米の観客評論家たちはひと目で持って行かれたことでしょう。

現実には、遺体に直に触れて拭き清めたり化粧をほどこしたりする仕事は伝統的に禁忌の職業で、子々孫々特殊な家系の、地域社会でも特殊な一画に暮らす人々がエクスクルーシヴに継承してきたのではないでしょうか。いまは昔ほど閉鎖的ではないかもしれないけれど、この映画でのように不特定多数向けの媒体におおっぴらに求人広告出して公募するようなケースはレアでしょう(そこらへんのあり得なさは山崎さんの“怪社長”、余貴美子さんの“怪秘書”感がよく埋めた)。

まして、本木雅弘さん扮する主人公・大悟のような元・オーケストラ団員、たぶん音楽大学卒レベルの高学歴者が、志願して修業して、「迷ったけどやっぱりこの仕事続ける、この仕事で身を立て妻も養う、子供も育てる」と自ら選ぶことがあるかとなったら、限りなくファンタジー、お伽噺に近いと思う。

でも、リアルそっくりのまるごとなぞりではなく、ファンタジーだからこそ多くの人々の心を揺さぶる作品になることもある。様々なご遺体・ご遺族と関わることで少しずつやり甲斐や意義を見出して行く大悟の成長と、北国の季節のめぐる風景を重ね合わせる描写もよかった。合間合い間で、畦道でチェロを弾くモッくんには「『エアーウルフ』かコイツ」とツッコみもしましたけど。深刻な、シリアスなテーマの作品ほど“ツッコみどころを用意する”バランス感覚も大事。

この映画で、本木さんの納棺師役としての華麗な手技に「ワタシも死んだらあんな風にヤッてもらいたい」との観客の声が多かったとは聞いていました。たぶん納棺師さんのお世話になる日がウチでは最も近いであろう高齢組はしかし、「あそこまでプロっぽく、さくさくやられるのはちょっと…」とその点については引き気味。

「願わくば“自力”で、好みの化粧をして髪を整え、お気にの服に着替えて、なんなら前日から断食して内臓もきれいにして横たわり、“いっせーのせー”で死にたい」とほざいていました。

「どうせなら女性の、高橋惠子か木村佳乃みたいな納棺師がいい」とも。いねーよそんなの。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・それはともかく、この作品に出演後ほどなく“おくられびと”になってしまった名俳優さんの顔も見えました。山田辰夫さん、峰岸徹さん。

山田さんは亡妻を送り出す夫の役、峰岸さんは本木さん扮する大悟の幼時に、愛人をつくって家を出てしまった父親役で、孤独に死んで遺体となって大悟の手で納棺されるとき、やっと薄れていた笑顔の記憶がよみがえるという象徴的な役どころでした。これもクレスト・ブックスっぽい、寓話的な顛末です。

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好きになっちゃうよ

2009-09-21 22:53:31 | CM

 秋の新ジャンル戦線、KIRINホップの真実に遅れること1週、Asahi麦搾り(むぎしぼり)が9月15日発売。

 ホプ真同様、公式リリースの2~3日前に大手では出てないかなと先週はアタマから網張っていたのですが、結局地元のチェーン店頭で見つけたのは16日でした。

 かつ、お披露目特価、ホプ真350ml缶108円に対しこちらは110円。

 Asahiの営業さんはもう少し頑張ったほうがいいかも。

 比較対象として、既発経験済みのホプ真、コクの時間のほか同じAsahi新ジャンル・クリアアサヒも1缶ずつ買って帰宅。

 缶パケデザインがクリアアサヒと似た、金黄色(←“黄金色“ではなくて)が白地を下から埋めて行く“尿検査系”なのが、ちょっと工夫のないチープさで残念ですが、味は・・・悪くないじゃないですか。木梨憲武さんのTVCMキャッチ「麦搾“リッチ”」ってのは若干語感でゲタ履かせ過ぎな気もするけど、少なくとも同社の先行新ジャンル・クリアアサヒよりは、“甘みに頼らないふくよかさ”や、良き複雑さ、重層作り込み感が伝わるクチあたりで、月河は好きですね。

 alc.5.5%以上6.5%未満という“ちょっと高め”設定も、なんちゃって辛口、なんちゃって本格の方向に傾かず、飽くまで“リッチ”という名の、“お酒としての飲みごたえ”に貢献しているのは好感持てます。クリアアサヒよりも長命してほしいと思える内容ですが、さて年明け辺りが分水嶺か。

 ホップの真実はピリッ、カキッとエッジが立った味を欲するとき向き、麦搾りはほんわか鍋系の料理でも囲むとき向きでしょうかね。結構、くっきり対極的な味の新製品が1週挟みで出た感じ。これもまた(ささやかな)醍醐味であり一興です。

 それにしても、イオングループのチェーンだったにもかかわらず、トップバリュ&SUNTORYのタイアップで“100円新ジャンル”として鳴り物入りで7月末にリリースされたはずの麦の薫りはまったく店頭に並んでいませんでしたね。地方中の地方店、田舎中の田舎店だから回って来ないのかしら。それとも人知れず出荷終了したのかな。

 代わりに韓国製のPRIME DRAFT88円ナリを随伴視聴ならぬ、随伴“ついで”購入。こちらは試飲済みのオリオンリッチに近い味。ちょっと清涼飲料水っぽいけど、お値段に見合った素軽さ、爽快感はあって悪くはありません。KIRINスパークリングホップ辺りが好みだった人、特に女性には向きそうです。

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