イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

トゥザヘヴン

2009-04-30 17:17:49 | CM

自分の中での“ラジオ黄金時代”は、自宅労働者になった頃、95年前後から、概ね2001年頃までで、ピーク時には新聞も週刊・月刊誌もほとんど読まず、日中から夜中までニュースも天気予報も交通情報も、地元で聴けるFM3局をローテーションして摂取していたものです。

世紀が替わった頃から、世の中万事“ケータイ・ネット本位制”になり、音楽市場でCDが売れず、徐々に音楽消費の媒体がダウンロード主体になってきたためか、比較的肌理細かく提供してくれていた新譜情報コーナーや、6080年代にスポットを当てたスタンダード曲中心の番組もめっきり減ってしまい、生活リズムの変化もあってなんとなくラジオと疎遠になっていました。

それでも、レギュラーで聴いている番組に送ったリクエストが、耳に馴染んだDJ・司会者さんの声で読んでもらえるとわくわくする、この感覚は何度味わってもいいものですね。

昨日(29日)の朝、NHKFMSP番組『今日は一日戦後歌謡三昧(ざんまい)』、朝900過ぎに突然『青い山脈』が流れてきて「なんだ、今度のSPは懐メロ番組か」とチャンネルを変えようとしたら、昭和歌謡曲をこよなく愛する立川志らく師匠の「昭和歌謡は懐メロではありません」「英語圏ならビートルズに匹敵する、日本人のために日本人が作った、立派な“名曲”です」という熱弁が耳に飛び込んできて、久々に終日ラジオお伴にできる祝日だし、騙されたと思って付き合ってみるかという気になったわけです。

“戦後”間もない時期の楽曲ならさすがに月河も“懐メロ”以上の関心は持てませんが、昭和40年代前半~中盤ぐらいからなら実家にTVもあったし、近所や親戚の大人たちの会話で、どんな歌や歌手が売れていたかの記憶もあり、子供心に、流れてくると心はずんだ曲、見かけると嬉しい、歌マネ振りマネしてみたくなる顔もありました。

NHKオンラインの公式サイトを探し出し、駄目モトでリクエスト送ってみたら、なんと!フルネーム読んで、曲もかけてもらえましたよ。しかもアナタ、天下のNHKの大御所、“女子アナのパイオニア”生きる伝説とお呼びしても良い加賀美幸子アナウンサーの、しっとり落ち着いた美しいお声で。

加賀美アナの声で読まれると、なんかえらく格調高い、NHKアーカイブスに入る級のメッセージに聞こえますな。有り難味倍増。ちゃんとまじめに払おう、NHK受信料(いままでも払ってるけど)。

番組は2500までの超長尺ナマ放送とあって、さすがに夜の深い時間はフル聴けませんでしたが、昭和34年=1959年の第10NHK紅白歌合戦の音源が聴けたのは拾い物でした。懐かしの銀幕スターとしてしかお名前を知らなかった島崎雪子さんや水谷良重さんもしっかり歌手として出場しておられたんですね。今度ばかりは月河に“随伴聴取”してくれた高齢家族たちのほうが、さすがに楽曲はともかく名前や背景を知っていて、いろいろ教えてくれました。

もちろん朝丘雪路さん、島倉千代子さん、シャンソンの石井好子さんなど、いまも現役で歌っておられる方もみずみずしい歌声を披露しています。

この年初出場の森繁久彌さんは、この頃(=50年前)から枯れた感じだったのだなあ。この番組のこのコーナー、故・ナンシー関さんに聴かせてあげたかった。半田健人さんは聴いていたかな。

さて、吉井怜さん扮する明里が女優転向して仰天瞠目七転八倒の演技を連日繰り広げている『エゴイスト egoist~』、ドラマ本編のほうはさておき、草彅剛さんがお休みに入って以来P&GアリエールのCMが流れなくなったなと思う一方、KINCHO関係はオンエア頻度が上がったような気がします。あの会社のCMは昔から、思いがけないタレント有名人を、妙な味付けキャラで起用したり、「結局、何の宣伝なんだ?」と首を傾げたくなる仕上がりにわざとしたり、なんか鼻につくというより、確信犯的に鼻に“つけに来て”いるのが多いですよね。

しかし、まさか茶系ツヤありの、ゴキブリ色のチュニックを着て、アタマに触覚まで付けて歌い踊らされるとは思っていなかっただろうな、舞闘冠(ぶとうかん)の諸君も。

♪一度で二度効く“ゴキブリ用コンバット”、舞闘冠5人が、ゴキブリの好みそうな夜の暗がりっぽいフロアでカッコよくダンスを繰り広げている画面の下では、「エサを食べたゴキブリが死ぬ。」「フンや死骸を食べた仲間も死ぬ。」と小っさーい文字で、しかし考えてみたらさっき食べた昼食がモドってきそうなエグい説明テロップが展開されるわけです。

しかもテロップと並行して、コンバット仕掛けのエサを食べたゴキブリが仲間のところまで戻って来たところでひっくり返って赤くなり(=死に)、一拍おいて仲間もヒクヒクして赤くなり、死んだことを示す白い天使の環っかが頭上に浮かぶ…というかなり即物的な図解入り。

こう言っちゃなんですが、いくらジャニーズ事務所期待の新進ユニットとは言え、舞闘冠程度のヴィジュアルで薄めたり和らげたりできるやわなメッセージではないと思います。北国生まれ北国育ちの月河、東京に住んでいた期間はわずかでしたが、シャレにならないっつうか、人生観変わるくらいのごっつさですからね、ゴキブリとのバトルin台所は。

近所の若いママさんと、幼稚園前の御令息たちはすでに ♪イッチロレニロきく こんばっと~ と浮き浮きダンスのマネっこを始めていますが。

ところで、♪舞闘冠がCM中~ のフレーズが、♪…Cへ夢中~に聞こえるのは月河だけでしょうか。その昔、男女のお付き合い深度をA・B・C・D(中略)・Iで示すのが流行ったことがあり、故・沖田浩之さんというアイドルが……いや、やめとくか。

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この状況でヨガ

2009-04-29 17:50:20 | お笑い

ふぅー。24日放送の新体制第一弾『爆笑オンエアバトル』未視聴分(4ハライチ2マシンガンズ1U字工事以外)をやっと完走。

お笑い好き、ネタ番組好きでも、8組フルオンエア+オンバトプレミアム(今回はベルト持ちのトータルテンボス)一気見は結構腹にこたえますね。中華街グルメレポート後みたい。

何より今回は、新体制のシステム紹介も兼ねてか、挑戦各組の収録入り前コメント・ネタ見せ順抽籤風景などの前フリVが分厚く、「いよいよ計量、オンオフ決定」まで、正味59分ほどの放送時間中、約10分を消費しているんですよね。次回(523日予定)からはもっと短縮されるのかなとも思いますが、まずこのオードブル、と言うか“ピザのミミ”部分でかなり腹が埋まった感。

kb8位から、順位順に1位までオンエアというのも「おもしろくない順、ウケが少なかった順ですよ」とカミングアウトしてるみたいでどうなの?と首をかしげかけたものの、上記先取りつまみ食い3組以外では、今回353kb8位滑り込み(9位オフエアのストリーク4kb差)のイシバシハザマがいちばん笑ったんだから世の中わからない。

個人的には本当に久しぶりにTVで見たなという気がします。05年後半ぐらいだったか、オリエンタルラジオの「武勇伝ブユウデン」を初めて見たとき「オンバトで似たようなモーションの組いたよなぁ」と思った記憶があるので、もう4年近くあのシンクロツッコミモーションをやってることになる。最初に見たときは“毛量少ないのに無理やりアフロ”だったボケ石橋が、きれいさっぱり短髪にして、元・猿岩石で現・アダ名王の有吉にも、市川海老蔵さんにも似てきてましたな。

モーションつきシンクロツッコミの後、同じツッコミを硲が重ねてちゃんと“我に返らせる”構造もトボけた感じでいいし、終盤近く「なまはげみたいに…」辺りから硲が乗らず石橋をボケ域に置き去りにする流れもいい。何よりネタ後のMC小松アナとの「しょうもない話」で笑いました。あのオレンジ色、図ではなく地だったんだ。

ネタ的には、この消防士チームの、この状況をアームストロングが演じたら…とちょっと思いましたね。

377kb7チョコレートプラネットは、やや持ち時間を持て余し気味で、終盤へ加速するナンセンスグダグダ感が笑い増幅につながらなかった感じ。「地球ですよ~」「ハハハ楽しいな~」の“いきなりスペースシャトル”は笑ったけどね。これもアームストロングに料理させてみたいネタだった。ボケのようなツッコミのような長田は、狂言の和泉元彌さん似なんですね。

393kb6大輪教授は、いままでホワイトボードを使っていた“数字”ネタを、言葉と演技だけで笑わせる、なかなか挑戦作で来ました。笑え方としては水準以上だったけど、「~~な感情を引き出したいと思います」チン!のセルフ前振りがちょっとダレた。

409kb5のろしも、持ち時間が半分も有効に使えてない。従来の常連組で言えば上々軍団オジンオズボーンもそうなんだけど、どうして皆やたら歌いたがるんだろう。しかも、歌ったことがひとつもネタ質向上に貢献していない例が多過ぎる。今回のこの組も、「♪先生に言ってやろ~」まで延々引っ張ったことが後半への盛り上がりにつながらず、ただダレて薄くしただけだった。

449kb3ザ・ゴールデンゴールデンは、女装・北沢のほぼ“出オチ”になってるのが、かつてのツインカム島根の“定子”みたいで若干ズルいですな。最近のこの組のオンエアなったネタの中では“演りきれていた”という点で良かったと思いますが、ちょっとまだひとつひとつの芝居に小劇場演技的な無駄なタメが目立ち、全体のテンポをモタらせている。この組にはむしろ、2分間ぐらいのショート縛りでのネタを見てみたい。

プレミアムに余裕の登場のトータルテンボスは、そろそろ“ヘンな店員orサービスマン大村と、振り回される客藤田”ネタ以外も見てみたいところですが、11ヶ月後のチャンピオン大会防衛に向けて本領発揮を温存しているのだろうね。さぞ斬新なネタがストックされているのだろうね。わはは、プレッシャーかけてハードル上げてやったぞ。

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よし!帰ろう

2009-04-26 20:01:42 | お笑い

ドラマ俳優としては特段の興味がない、と言うより積極的に勘弁してほしい人のひとりではありますが、武田鉄矢さんが0611月の自身主演(“片山蒼”名義で共同脚本も)のドラマ(=TBS『どケチ弁護士山田播磨』)のサイトでの“ひとこと”は説得力がありました。

武田さん曰く「最近のTVドラマは見て欲しい客を限定し過ぎて、たまたま見てしまった人を巻き込む力がなくなってきたと思う」…

…ドラマに限らず、TV番組全般、出演者の顔触れや“門構え”“しつらえ”の部分で“どういう層を対象に発信しているソフトか”があらかたわかってしまうため、「自分は客のうちに数えられてないな」という見切りも早々についてしまい、何の予備情報も期待もなく“たまたま見てしまった”TV番組に惹き込まれて、「思いがけずおもしろかった、この番組次回はいつだろう、必ず見よう」と思う、そういう素朴なサプライズ感覚を忘れて久しいなと思っていたときに目にした言葉でした。

 この4月からの新体制『爆笑オンエアバトル』、月に115組挑戦して8組オンエア、最多kb1位の組は来年の第12回チャンピオン大会出場権獲得…というルールに変更。とりあえず初回は見ようと思い、24日(2410~)放送分を録画したのですが、うーん、さすがに1時間、しかもネタ番組の中でも“片手間に一発ギャグ小耳にはさんでウケる”式の聞きかじり消費では半分も醍醐味が味わえない、フルネタ演順に観てこそ感想も論評も持ち得る仕立ての番組とあって、かなり視聴に敷居の高い、エネルギーを要する番組になってしまった気がします。

ショートネタ、一発キャラの促成量産使い捨てが依然続く民放お笑い番組の流れに、いままでにもまして敢然と抗する意味では、勇気ある改革だったとも言えるのですが。

特にこの日は、『オンバト』放送後25102625に『上方漫才コンテスト』再放送(本放送は36日だった模様)もあったため、併せて録画はしたものの、再生視聴する時間を捻出いつできるんだぐらいの勢い。

 こういう、オカンの言うこと聞かない幼稚園児みたいな“好物のみ”のつまみ食い視聴では番組の趣旨に悖るんだよなと一抹の忸怩を感じつつ、公式サイトで挑戦者メンバーを調べ、冒頭のオン/オフ結果部分だけ再生して当否と順位を確認。メンバーがわかった段階でオンエアなってほしいなと思ったハライチ4429kbマシンガンズ2489kbとめでたく通過。よかったよかった。今回からkb順の逆順で、8位から順にオンエアされていくらしい。こういう運用細則も読めてしまうと、今後心ならずも、好物のみのつまみ食いが増えそうだなあ。“ほぼ初見の組だけれど、オンエアされたから流れでついでに観てしまったら、思いのほかおもしろかった”という嬉しい出会いがしらがままあるのもオンバトの魅力のひとつだったのに。

 月11時間。うーん。何とかするか。日曜のスーパーヒーロータイム30分×2で、週一1時間は再生機器の前に座る時間捻出、この数年ずっとしてきたのだから。

今月4日の『爆笑トライアウト』会場審査では3位ながら視聴者投票圧勝の1位で今回の挑戦権獲得したハライチは結構2人とも愛されキャラのようですね。“短髪の桑田佳祐”風のツッコミ澤部が、ノリツッコミの袋小路に深く深く入っていくたびに、ボケ岩井勇気が「次のボケ、いま出そうか、もうちょっと深入りさせておこうか」とタイミングを窺ってるところが徐々にツボに来ますな。戦隊ヒーローネタは若手諸君の定番のひとつですが、「グレー」辺りの浅い段階でまったく戦隊と関係なくなってくのが彼らの新鮮さ。「野菜のグリーン」は『マジレンジャー』でほぼ実在しましたけど。

マシンガンズは期待を裏切りませんねぇ。相変わらずの怒り・悪態芸だけど、悪態の後の「それが地球ですよ」「組体操みたいになってんだよ」「最近慣れる通り越してダレてきてるよ」といった、怒りの内容に輪をかけ&フォローする段階での静かさ、起伏のつけ方の的確さ、要所での2人のモーションのきれいなシンクロぶりに、ネタ中でも自虐していた「10年やってる」キャリアの成果を感じます。ハライチ同様、いつかこのスタイルが飽きられるときが来ると思うんだけど、視聴者観客、“ネタとして怒って悪態ついてくれると気持ちいい”話題は尽きませんからね。

マシンガンズからの再生の流れで1U字工事も見ましたが、517kbという数字高すぎね??と思ったものの、今回は最初から1位を狙って来たのか、いつもの栃木自虐ネタも“関東地方からFAを宣言して東北地方№2を目指す”という、斬新さを感じられるものでした。このところ鼻についていた“茨城いじり”を封印しただけでもずいぶん見やすいし軽快味がある。

ただ、本人たちも「(いつもセミファイナル落選でチャンピオン大会を逸していたので)4月末にもう(チャンピオン大会)出場決定なんてびっくり」と言っていたように、ちょっとルールとして決定が早期に過ぎるような気はします。11ヶ月後まで、今日のデキを本人たちが維持でき、観客も忘れずにいられるかどうか。出場権取得で、強制勝ち抜け今季今後の挑戦権はなくなるのかな。ファイナル向けのネタ準備期間が十分あるのは有利だけれど、勢いや印象面で、シーズン終盤に出場権獲得した組のほうがトクなのではないかとも思えますね。せっかく決めたルールですから通年やってみないと結果も傾向もわかりませんが、“いま時点でそんなに喜びリアクションすんのも間延びしてヘンだし”というU工の戸惑いが印象的でした。

締めのコーナー“オンバトプレミアム”、今週は現役ディフェンディング王者・トータルテンボスの新ネタ披露でしたが、なんとなく“全オンエアネタ見せ後の、視聴者投票のための時間稼ぎ”のようで王者に失礼な感も。次回以降もプレミアムなゲストが登場するのでしょうが、構成としてはもうひとつ芸がない。

むしろ、せっかくのチャンピオン(“連覇ーズ”と自称)トタテン参加だったのだから、新ネタより“今回オンエア8組の中で、チャンピオン大会参戦されたら怖い、イヤなのはどの組か、どこらへんが怖いか”“コイツらなら来ても楽勝だと思うのはどの組か”みたいな放談、暴言言わせてみたらどうでしょう。以外と大村あたりから「どの組もヤだ」「もう降りちゃダメ?」弱気発言が出たりして。

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今日は避け避け

2009-04-25 18:16:48 | ニュース

草彅剛さんという人を、TVのフレームひとり映りで、こんなに長い時間見たのは最初で最後だったと思いますが、あれでしょうね、お酒が入らなくても“ド天然”な人なんでしょうね。「いい意味で恥を知らない」というか。

恥を知らないにいい意味も悪い意味もなさそうですが、普通、「“全裸で深夜の公園で奇声発して暴れて逮捕”と新聞TVに出ちゃって大騒ぎ」と知ったら、マネージャーさんに謝罪会見をと促されても「ヤだ」「顔曝したくない」「せめてほとぼりがさめてからにして」とゴネそうなもんじゃないですか。月河ならゴネるね。給料90パーぐらいカットでもいいから、顔を知られてない外国行って、3年ぐらい布団かぶっていたい。記憶飛ぶまで酔っ払っただけでも相当恥ずかしいのに、全裸で奇声だよ。液体窒素に漬けられて冬眠でもいいくらい。

いっそ「そんなに会見会見言うんならいいもん、こうするもん」っつって、もういっぺん、そこらの工業用アルコールとか飲み干して倒れてやるか。工業用アルコールが都合よく手近にあるかどうかわからないけど。

それとも、“どの程度、どんなふうに報道されていたのか”を本人が認識しないうちに、顔色とか体調、頭髪(頭髪って)とかも回復“し過ぎ”ないうちに、「それそれそれそれ、こっちこっち、ハイ入って頭下げて」と誘導した結果があの会見だったのかな。

国民的アイドルの一員という草彅さんの特殊事情はさておいても、先日の中川昭一外相(当時)のローマロレロレ会見といい、こと“お酒”に関しては“度を過ごしての不始末、醜態”にユルく、緊張感希薄なのが日本という国なのかなという気はしました。

特に男性で、それ相応の地位や知名度を持つ人の場合「ストレスたまってるだろうから多少のことは」という斟酌を、自動的に世間が加えてくれる様なところがある。度を過ごすことで人格変わったり理性を失ったり、依存症になったりするリスクのある物質の中でも、酒だけは“”が付きますもんね。“お大麻”“おシャブ”とは言いませんわね。

稲作農耕民族の国・日本において、伝統的な酒は米から作られ、酒作りは神事とされていることも関係しているかもしれない。

80年代にアメリカに行ったとき、NYシティのビジネスマンたちが、昼休みのオイスター・バーでバドワイザーライトをクッと空けては、顔色ひとつ変えずにビジネストークしながら午後の仕事に戻って行くのを不思議な感覚で眺めていました。その一方で、「パーティーなどの席でへべれけになったり、飲んでセクハラや暴言失言するようでは、まともな企業では管理職になれないし、政治家なら選挙に当選できない」「酒にだらしがないのは下層階級の行動として蔑まれる」のがアメリカ、というのもよく聞く話。

いま考えてみると、アルコール以外の食事やデザートでもとにかく一人前の量が違う国だし、要するに肝臓のキャパの大きさ、アルコール分解能力の差なのかなという気もします。

結局、日本人は平均的に“酒に弱い”にもかかわらず、許容量を超えて飲みたがる、飲ませたがる傾向がある、とりわけ社会的に目立ち、リスペクトされる男性ほど「オレはこんなに飲めちゃうんだよ」「つまり、頑健でスケールの大きい人間なんだよ」とアピールしたがる傾向があるということなんでしょうね。

人間としてのスケールや、男としての甲斐性と、“酒の許容量”はまったく相関性はないのに、なんとなくみんな「ある」ような錯覚を持っている。酒豪(しゅごう)”なんて言葉が存在するのも日本語ぐらいではないでしょうか。英米語には概念としてないような、少なくともフランス語圏にはないような気がします。

月河はむしろ、草彅さんが会見後、こっそり自宅にメンバーを集めて「みんな迷惑かけちゃってごめんね、当分ボク休むし、今日はオゴるから好きなだけ飲んでよ」「…じゃ早速乾杯」と、呆れるメンバー放置で先に空けちゃって、木村拓哉さんに「ちょ、待てよ」と言われてたりする風景を想像したほうがなごみますね。会見で「もう酒は一生やめます」と言いやしないかヒヤヒヤしてましたもんね。やめられませんからね、土台ね。言えば嘘になりますからね。

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コロシテヤル

2009-04-24 17:39:44 | 夜ドラマ

いやいや、俳優業と並行して歌手・ミュージシャンとしても活動されていることは聞き知っていたけれど、ああいう曲調の楽曲を、ああいう発声・節回しで歌うタイプの歌い手さんだったとは想像しませんでした、藤木直人さん。

『夜光の階段』EDテーマ曲『Crime of love』、一瞬Kinki Kidsが誰かのカバーで歌っているのかと思いましたよ。昭和男子アイドル風。

劇中でもザ・ピーナッツの『恋のフーガ』が藤木さん扮する佐山道夫の愛唱ソングとして繰り返し使われていた(NHK朝ドラ『だんだん』でも使われていた)し、松本清張原作が湛える“(がつがつした)昭和の匂い”をどうにか盛り込もうという工夫の一環なのかもしれません。

それにしても藤木さんが歌を歌った場合、もう少し“いかにも高学歴トレンディ役者さんの余技”らしい、澄ました感じの歌唱で楽曲だとばかり思っていたので意外でしたね。♪せっつなでも いつわりでぃも くぁむぁぅわないくゎら~ 昭和50年代後半のカラオケで育った月河もちょっと歌ってみたくなる感じですCrime of love

夜の時間帯のドラマ、特に連続モノを、初回だけとりあえず録画視聴してみようかと思う動機に、やはり“原作情報”は大きいですね。『夜光の階段』は松本清張作品の中でも『黒革の手帖』の弟篇と言ってもいい作品で、単発のTVドラマとしては過去3回、いずれも再放送だったはずですが視聴した記憶があります。

最も新しいのは1995年本放送で、佐山道夫役は東山紀之さん。彼に接近し独占しようとして自滅する女性雑誌記者は黒木瞳さん、奇しくもその上司格の編集者で、佐山にまるめ込まれて男まさりから“女”になり結局湖上で消される役は、今作佐山のパトロン夫人役で出ておられる室井滋さんが演じていました。

10年遡って86年には、佐山は辰巳琢郎さんです。記者は坂口良子さん、男まさり編集者は加賀まりこさん。どちらかというと佐山より、九州での女性殺人事件から追い続けていた執念の検事役・古谷一行さんが主役の色合いだった。

さらに遡って83年。佐山は風間杜夫さん。好みの問題ですが、月河は風間さん版佐山がいちばん嵌まり役だったように思います。パトロン夫人役が岡田茉莉子さんだったことは鮮明なのですが、記者役は中野良子さんだったような気がするほか、女優陣の記憶があまりない。風間さん当時33歳、何より“地方出身で郷里を捨てて来た男の、陽の当たる場所への執着”がとてもうまく演技で表現されていたと思う。風間さん自身は確か東京生まれ東京育ちのはずですが、“必死さ”を役柄の属性に変換するにおいて、当時から実に手練れだった。

86年の辰巳さんも悪くはなかったのですが、残念ながら、手指のアーティスト“美容師”にあまり見えなかったうらみがある。やはり京大出身の辰巳さんですから、男の色気で女を騙して出世するにしても、もう少しホワイトカラーな、デスクワークなジャンルを選びそうなイメージがあるじゃないですか。最後に湖底に突き落とされながら佐山の衣服を掴んで離さず道連れにした加賀まりこさんがよかったですね。

東山さん版もやはり女優陣、特に佐山の秘密を知った黒木さんの「ミチオくん~、もうワタシから逃げられないわよ」という独り言とか、ガテン系ファッションで煙草プカプカ男言葉の編集者から、ドレス姿に変身する室井さんらのほうが観もので、東山さんの印象は失礼ながらあまり残らない仕上がり。“ヘアアーティストらしく見えた”という点では歴代1位をさしあげてもいいでしょう。

さて今作の佐山役・藤木直人さんはどうでしょうか。佐山の、女性が思わずクギ付けになる美貌の持ち主で、かつ“何を考えているのか、どんな過去を隠しているのかわからない”という仮面性は、藤木さんによく合っていると思いますが、如何せん現在36歳、歴代佐山俳優中最年長(辰巳さん放送当時27歳、東山さん同28歳)であるばかりでなく、早大理工学部卒、持ち味的にちょっと落ち着き過ぎ、行儀が良さそ過ぎ、知的分別がありそげ過ぎて、“青い危険さ”がやや不足かもしれない。同性が羨む金満有閑夫人や、花形職業のキャリアウーマンが、顔は綺麗だけれども何ゆえこんないかがわしさまる見えの男に…という“いかがわしさ”、フェロモン魅力と表裏の“どこの馬の骨とも知れなさ”が物足りない。

コンテストへのインスピレーションを求めた帰郷時、タクシー運転手に「うるさい!」とキレる場面、グランプリならずの場面での「ブタ野郎!」吐き捨て退場などは、“甘やかな笑顔に押し隠した攻撃性、残忍さがはしなくも覗いた”というところなのでしょうが、いかにも取ってつけたようでした。

もともとこの原作は、佐山という男のゆがんだ上昇志向と、財力や社会的地位のある都会の女たちの“女をたらし込んで食いものにするろくでもない男と、うすうす承知、でも私だけは特別であってほしい”という、これまたイビツで、むなしくも生臭い独占欲とがストーリーの両輪となる、実に清張さん作らしい、食えないお話ではあり、その意味ではインテリ花形職業気取りで、女性から見て絵に描いたようにイヤな女を演じている木村佳乃さん、食えなさを滑稽味のミックスで見せている室井さんら女優陣のほうに、より注目すべきかもしれません。

藤木さんの俳優としてのピークかつ代表作は2000年のNHK『喪服のランデヴー』といまだに月河は思っています。凍結したような表情が、僅かに融解するいくつかの瞬間が実によかった。ウィリアム・アイリッシュのこの原作は日本で、野沢尚さん脚本で、藤木さん主演でドラマ化されるために書かれたのではないかとさえ思えました。当時27歳、できればあの頃の佇まいで佐山役を演ってほしかったですね。

“年上女性キラー役が似合う若手俳優”をイメージするってえと、月河の脳内パドックにはほとんど特撮組しかいないのですが、ずばり『炎神戦隊ゴーオンジャー』OBから片岡信和さん23歳を強く推したい。どんなもんでしょう。佐山のような役を、いまいちばん演ってほしい、演るところを見たいと思えるのがこの人。

同じ『ゴーオン』チームから、徳山秀典さん27歳なら演技力・キャリア場慣れともにもっと安泰でしょうが、どうもこの人が演ると第一印象が“やさぐれ”になりそうなんだな。

…てな想像をたくましくしていると、噂をすれば影とやら。佐山が勤務する美容室“ムラセ”で、オーナー村瀬(渡辺いっけいさん)の不興を買い叱りつけられているのを遠巻きに見守る美容師同僚役で、『ゴーオン』OB海老澤健次さんの顔が見えましたよ。アーティスト帽子かぶっているので初見ではわかりませんでした。うーむもっと見たかった。今後佐山が独立したら、出番なくなってしまうのかしら。事が大きくなってからの聴き込み受けるぐらいの出番でもいいから、再登場、再々登場熱望。

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