イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

冬靴ラプソディ ~月河たびとのすべらない話~

2018-12-31 16:47:48 | グッズ

 月河、2018年暮れ最後の大散財と言えば、冬靴です。

 ツルツル路面でもすべらず歩ける(歩けそうな)ソールの靴を求めて、手近の量販店と通販サイトを股にかけて、長めのブーツタイプのを2足、クルブシまでの短いのを1足、都合3足も一気に買ってしまいました。

 お安いところお安いところ狙って買ったので、ぜんぶ合わせてもナショナルブランドのプロパー1足分くらいの出費で済むには済みましたけど。だはは、すでに安物買いの銭失い感が濃厚に漂っているな。

 こんなに「これもいいかも」「これも、前に買ったのよりはましかも」と将棋倒しに数が行ってしまうということは、要するに、決定打が無いのです。いくら買い換えても、買い足しても、「これで盤石」と百パーセントの安心に至らない。

 この前の個人的冬靴買いピークというと、何と言っても昨年、2017年の正月明け早々、バス停で、走るでもなく歩くでもなく列に並んで待ってる最中にガッと膝をついてしまい膝蓋骨に亀裂が入り、4週間あまりの片脚固定生活を余儀なくされてからのシーズンです。

 その時、履いていたのが、ジュート(麻)繊維を混ぜ込んだ防滑ソール”という宣伝文句で、手持ちの機能性ソール冬靴の中ではいちばん不安なく歩けると信頼していたヤツだったのでショックが大きく、2月後半、歩けるようになってからは冬靴のセールを飛び回り、滑らなそうなソールは片っ端から試してみました。

 曰く、ガラス繊維を植え込みました、いやガラスはガラスでも微細粒を練り込みました、練り込んだ系ではクルミの殻の砕片、ホタテ貝殻の砕片、ザラザラジャリジャリした物なら何でもぶっこんでとにかく摩擦係数を上げて行こうという方向性、コレ、間違いではないんだけど、数週間履いてみるとあらかた頼りになりませんでした。

 当地は積雪期間が長いし、しかも都会生活ですから、型通りの圧雪・凍結ツルツル路面ももちろん歩くけれど、地下鉄の構内、ビルの中、商業施設の中、サンダルやスニーカー履きの夏と寸分変わらない路面もバリバリ歩くので、直球で高摩擦係数の設計だと、ワンシーズンの間にぐんぐん摩耗してしまうんですね。

 防滑ソールの凹凸形状によく採用される、凍結路面に接地すると硬化せず吸い付きの増すラバースパイクってヤツも、効果を全力で発揮する日のほうが少なく、人間の歩き方にはクセがありますから、右・左バランスよく健康的に歩いてるつもりでもいつの間にか片足が先に減って、ピン状のスパイク形が周りと融けこんで、限りなく平滑ソールに近くなってくる。

 メーカーさん自慢の高摩擦・高防滑設計のソールほど摩耗劣化のスピードが速く、しかも、ツルツル路面じゃない屋内を歩いている時の足の疲れ方が半端ない(高摩擦ですから当然)わけです。

 疲れるということはまさに、強烈に摩り減らしているということで、何のための防滑靴かわからなくなってくる。

 今年のシーズン終了間際には、新聞で読んだ北海道発の有名ブランドの特許製品=反転式オン/オフ式スパイクのついたブーツもセールで入手。これはまだ稼働していますが、この反転スパイクって、過去の経験から言って高確率でオン/オフの蝶番部分が、驚くほどの短期間で、しかも決まって片足だけ先に微妙にゆるんでグラついてきます。なまじ「スパイクを立ててあるから」と無防備に踏み込むと、思いがけない着地の“ブレ感”に肝を冷やすことになる。

 結論。靴底で冬場の路面を、フルシーズン完全防御するのは無理です。

 今日の路面では90パーセント安心だった靴も、明日履いて行く時間帯、その時間帯の天気、歩くコースの路面状況バリエーションでは、20パーぐらいの安心度に落ちるかもしれない。10パー以下かもしれない。

 ガラスやクルミ殻や麻繊維やその他もろもろのザラ・ジャリ素材入りソールも、喧伝される機能のざっと三掛けか2.5掛けくらいに見ておいたほうがいい。

 ソールの防滑力への依存はほどほどにして、冬靴は、フィット感(=足が中で遊ばないこと)温かさ(=底が厚くて、かつ、ヒート中敷きを入れ込み可能な余裕がある)、歩きやすさ本位に選ぶのが賢明。

 3足買い回って結論がコレ。遠回りしたなあ。 

 此処にまた帰るため履くブーツ哉(かな)    たびと

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まんぷく再び ~塩対応~

2018-12-30 22:13:53 | 朝ドラマ

 『今年の漢字』私案=“時”で思い出しましたが、NHKテレビ小説『まんぷく』は先週であきらめました。溜まっていく一方の録画の始末が億劫でしょうがなくなったら、連続モノは、それこそ“潮時”です。

 結局は、ヒロイン=福ちゃんがいつまでたっても好きになれなかったことが決定打かな。

 あの、語尾が“キィーーン”となるような金属音の発声がどうにも、いろんなところを逆撫でするんです。毎朝聞く声で、しかもヒロインだから出ずっぱり。出ない日は無し。

 会話していて、当惑したり焦ったりしたら頻繁に手で髪をいじる癖も、不潔感ってほどではありませんが幼児的で頼りない。

 序盤は、女学校出たての新卒ホテルウーマンだし、物慣れない中にも一生懸命さを表現する演技だと思っていたのですが、結婚しても、二児の母になってもまだキィンキィン言っていて、しかも夫の萬平さんはじめご家族も、たちばな栄養食品スタッフも、そんな福ちゃんを“いつも前向きでポジティヴ思考でへこたれない”“いろいろできる女性”と全面是としている。なんか、息苦しいんですよ。「そうじゃないだろ、普通に危なっかしいだろこの人」と見ていて思っても、そこを突いてくれる人物がいないし、そういう前提で展開しないので、息が詰まる。

 なにやら、10年ぐらい前の“NHK朝ドラヒロインってこれこれこんなイメージだから苦手”時代に戻ったような気がします。今作はヒロインが、見た目の可愛さやういういしさよりなんたって実力派!な安藤サクラさんということで、こっちがハードル上げ過ぎたかもしれない。

 それから、もうひとりの主人公=夫の立花萬平さんも思いのほか魅力発揮が難しかった。やはり実話・実在人物ドラマ化の弊と言うべきか、実際の安藤百福さんは台湾生まれ台湾国籍の台湾人で、それゆえのいろいろな苦労もし、差別や挫折も経験しておられるのですが、日本経済新聞の『私の履歴書』でも意識的に伏せたりぼかしたりしていたところがあったくらいですから、NHKの、それも毎朝のドラマにリアルに描出するのは到底無理で、差し障りあるか、あるかもしれない要素はあらかたオミットして“天涯孤独の、浮世離れしたアイディアマン”一本やりで机上で造形したために、どこが凡人と比してすごいのか、秀逸なのかよくわからない、ただの世渡り下手で人を使えない理系オタクみたいになってしまったと思います。

 目のつけどころや着想力でアッといわせ「この人おもしろい!」と視聴者を惹きつけていくには、何度も延々投獄拘束され過ぎ。ここも、実際の百福さんに起きた事ですからドラマに入れないわけにはいかないけれども、国籍・出生という大原因を無いことにしたために、腑に落ちる感の少ない、無駄にストレスフルな話になってしまった。

 克子姉の夫で画家の忠彦さんが、出征前は専ら鳥の絵を描いていたのに、色覚を失って復員、画風が変わるとなぜか魚類、海の幸系専門になったり、戦時中憲兵から逃げ回って放浪していたかつての萬平の事業パートナー・加地谷が、更生して再会したときなぜかチンドン屋になっていたりと、シュールで「おい!」とテンション上がる展開も随所にあったのですがね。加地谷に関しては、スタッフが片岡愛之助さんのチンドンメイクを見たかったからとしか思えないんですけど。

 朝ドラでなく、三年ほど前に複数シリーズで放送された『経世済民の男』の様な仕様で、夜の深い時間の放送なら、かなりいけたかもしれません。個人的には、立花夫妻よりむしろ、「いまの世の中、いいも悪いもない。あるのは不公平だけや」と言い切った、天性の世渡りプロ=世良のスピンオフを見たいですね。

 長谷川博己さんは、次々回作の2020年大河ドラマ『麒麟がくる』明智光秀役で主演が決まっていますからそちらに期待しましょう。活躍中のアラフォー俳優さんの中では、明智光秀にいちばん似合いの人だと思うので。

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いまさら今年の漢字 ~時すでに遅し~

2018-12-29 16:43:21 | 四季折々

 昨年の暮れに、『今年の漢字』についてここで書いてからもう一年経つんだなぁ、ということをまたここで書こうと思って、書かないうちにもう二週間以上経ってしまいました。

 清水寺の御住職、貫主(かんしゅ)さんっていうんですか、恒例の12月12日=“漢字の日”にTV各局の生中継つきで揮毫された全国投票公認版のほうはめでたく(めでたくって)“災”に決定しました。

 この、毎年12月12日ってところが微妙なんですよねぇ。

 師走感、年の瀬感はじゅうぶん、月河も会社人間だった頃は順調なら幾許かボーナスなんちゅうものも出ていたし、「“要らねェこんなハシタガネ!”とかいっぺん言ってみたいねナハハ」等と同僚とバカ言いかわしつつ忘年会に繰り出したりなんかして、来し方この一年を振り返るには決して早すぎはしない期日だとは思うのですが、この後、約三週間で、本当に一年が終わるまでに決まっていろいろあるじゃないですか、世を騒がすニュースが。

 今年なら、12月29日のいま募集したら“災”と同じくらい、“華”、“射”、“捕”、“違”、さもなきゃ“逃”ぐらいのとこが票を集めたのではないでしょうか。

 オリンピックがあればオリンピックで浮かれ騒ぎ、台風が来たとなれば台風に慌て、地震が来たら地震で落ち込み、株が暴落したら暴落でざわつく。

 結局一年三百六十五日、いまさっき起きた事に右往左往しては、また次に起きた事で七転八倒する繰り返しが一日も半日もおさまらないので、「一年を漢字一文字でまとめる」なんて到底無理なのです。

 月河は個人的に、“時”を推します。

間がない」「急がないと間切れだ」の“時”、「代遅れ」の“時”、「流に乗ったもん勝ち」の“時”、「いい加減、潮だぞ」の“時”、「間が解決してくれるさ」の“時”。

 主役は人間ではなく“時”だな、“時”がすべてを突き動かし、押し流していく力には抗えないなということを、政治でも、商品経済でも、国際関係でも、芸能スポーツゴシップ系でも強く思わされる一年だったと思います。

 ・・・・ところで、この『今年の漢字』イベント以外では媒体を通じてお顔を見ることのない清水寺の“貫主”さんの“貫”って、改めて見るといい感じの漢字ですね。「初志貫徹」の“貫”、「首尾一貫」の“貫”、「一気通貫」の“貫”。

 こういう字こそが『漢字オブ・ジ・イヤー』になるような年になってほしいですね。

 いや、“災”も、言うほど悪くないと思いますよ。バッサリ惜しみなく揮毫していただければ、格好の災厄落としになるはずです。

 

“刺さる”より“貫く”辞もて年新た       たびと

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