イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

了見(りょうけん)が浅ましい

2007-01-31 16:05:13 | ニュース

安倍総理という人は、ご本人の力量とは別に、よほど対人運、部下運が無いんでしょうか。小泉時代には沈静化していた“政治とカネ”問題に続いて、またしても任命責任を問われる話が出てしまいました。

柳沢伯夫厚労相、大臣の中でも、“恥ずかしい失言”はいちばんしそうもないタイプに見えたんですけどねぇ。

ものの喩えとして、着眼は(すばらしく冴えているというほどでもないけど)悪くないと思うのです。子供を“製造品”とすれば、増産するには製造機の台数を増やすか、台数が増やせないなら一台当たりの製造個数を増やすかどちらかだと。至極当然でわかりやすい。

頭のいい人の陥りやすい落とし穴だと思います。こういう人は、当人の本意不本意にかかわらず、人生の大半を“自分より頭の悪い、ものを知らない人との会話”についやしているので、物事はわかりやすく言わなければならないと無意識のうちに思いこんでいる。

何でもわかりやすければいいってもんじゃないのです。

人間が深く考えないで、流れでなんとなくやっていること、たとえば“結婚”や“子作り”なんてのは、わかりやすく言ってしまったら身もフタもなくなる事柄の典型です。“就職”“雇用”“民主主義”“選挙”なんてのも、誰も柳沢さんのように親切にわかりやすく言ってくれませんが、言ってくれたら速攻、身もフタもなくなるはずです。

大体、この手の、女性議員やフェミニスト団体の格好の燃料となりそうな“子作り”“子育て”にかかわる政策は、ここのところずっとちぐはぐなんですよね。“男女共同参画社会なんたら”を提唱し専任大臣までつけた小泉首相がバツイチ、シングルアゲインだったり、引き継いだ安倍首相は、ご自身にお子さんがなかったり。

別に、“少子化対策”なんて、単体で、目の色変えて論じる必要は無いと思うんですけどね。

まじめに勉強して、学力に見合った学校を出れば見合った職に就ける。それぞれの持ち場でまじめに働けば給料もきちんと上がって、まあまあの家が持て、勤め上げたらまあまあの退職金と年金を確実に受け取れる、途中で病気になっても健保で病院にかかれる。

そんな当たり前の国、当たり前の世の中でさえあれば、特に肉体的な問題がない限り、たいていの人が子供は作ると思うんですけど。

「その、当たり前の世の中を保たせるために、もっと子供を作ってもらわなきゃいけないんだよ」と言うなら、それは国の構造が間違っているんじゃないでしょうか。

こうした政策を云々している人たちが、一人でも多く欲しいのは、子供ではなくて、“税金、年金の払い手”“国の借金の返し手”だろ?ということはもう見え見えです。

このさもしい構図が消えない限り、目の色変えて論じれば論じるほど、少子化は続くでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

贅沢なのか荒んでるのか

2007-01-30 00:13:33 | テレビ番組

日頃TVは大半“狙って録画視聴”なので、なんとなく空いた時間になんとなくTVをつけるということが意外に少ないのですが、最近珍しくそんなノリで見る頻度が高まっているのが日曜13:00~『たかじんのそこまで言って委員会』。

家族の昼食補助を済ませマッサージをして午睡に誘導、普通の1時間ものバラエティなら寝ついてくれた頃終わりますが、この番組はそこからさらに30分ぐらい続く。スペシャルでもないのに、TV見たなぁという満腹感がある。

やしきたかじんさん、ユニークな芸名で聞き知ってはいましたがレギュラーで見たのは初めて。

評論家宮崎哲也さん、橋下徹弁護士、政治評論家三宅正治さん、コラムニスト勝谷誠彦さん、笑えるラディカルフェミ田嶋陽子先生など、この手の番組では見飽きた顔ぶれですが、関西発のせいか、委員長たかじんのキャラか、メインMC辛坊治郎さんの仕切りの成果か、東京キー局製作の同類番組より、全員話しぶり、たたずまいにぶっちゃけ感がある。

28日の放送では昔『ここがヘンだよ日本人』に出ていたケビン・クローンが出ていましたが、この人の嫌われっぷりはすごいなぁ。いつの間にか肩書きが“国際コラムニスト”になっていて、“国際”が付くと自動的に胡散くさキャラになるのは当然としても、金美齢先生が「この人ウソばっかりなんだから。どこ行ってもこんなこと(=ウソ)ばっかり言ってるのよ」と指させば、三宅さんも「いい加減なことばっかり言ってるんじゃないアンタは、何の根拠があるんだ、黙れ」。

ここまで嫌われて、何が楽しくてTV出てるんでしょう、このケビンて人。ポスト・デーブ・スペクターでも狙ってる?でも話しぶりが尊大なだけで毒舌味はないし、そもそも滑舌というより、語尾や接続詞がちゃんと言えてないので、毒舌なのかそうでないのかすら判断し辛い。“海外生活が長いから日本語がおかしいのサ”なイメージは、“日本人離れしたスケールの大きい知性とコスモポリタンな雰囲気”を伴ってこそTVで使いものになるのに、知性も雰囲気もミジンも無し。

ただ“見るからにいい加減なヤツが、皆から「いい加減だ」と嫌われている”状況をさらすのみ。

かと言って、「いい加減だ」と糾弾(?)するほうも、“こんないい加減なヤツを出演させる番組は、番組自体いい加減なんだから、私は出ない”という姿勢ではない様子。

“いい加減なヤツのいい加減さを看破し断罪できる、正しい識見をそなえた私”を見てほしい、という意欲満々。

ドラマならば、憎悪、嫉妬、軽蔑、怨恨などの“負の感情”は、物語を衝き動かすもっとも力強く説得力あるモチーフになるのですが、これ、トークバラエティですからねぇ。人が人を嫌っているさま”も、娯楽観賞の一品目として提供される日曜の午後。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デンライナーの車窓から

2007-01-28 17:15:41 | テレビ番組

そのまんま東国原英夫知事(繋げてどうする)誕生で、プチブームの宮崎県。今朝の『サンデージャポン』では浅香唯さんがご当地名所、名物紹介レポートをしてました。

地鶏と並ぶ名物うまいもの代表は“冷や汁”。

冷や汁と言えば、思い出すのは4年前、2003年1月の『仮面ライダー555(ファイズ)』第1話。今年はこの女の子がキーパーソンらしいよ?変身するのかな?と注目の中、真理ちゃん(昨年は『美しい罠』ですっかり大人っぽくスレンダーになっていた芳賀優里亜さん)が豪快にかっこんでいたつかみのシーンが思い出されます。

新シリーズ『仮面ライダー電王(でんおう)』スタートの日に冷や汁がクローズアップされるというのも奇遇です。

『龍騎』放送中の02年、『TVブロス』の度重なる特集に「どうせいまどきの軟弱ヒーロー物」」と半信半疑で見て、「す、すげぇ深い世界観!」とズル嵌まりしたのが運の尽き。毎年、ライダー第1話はつい期待して録画してしまいます。

タイトルバックのCG、OPテーマ曲はちょっと戦隊もの風味。CM明け、話数とともにサブタイトルも字幕できっちり表示されるのも久しぶり。想定対象年齢を前作『カブト』より引き下げたのかなという気もします。

恒例のベースキャンプとなる食べ物屋さんは、こだわりの珈琲を淹れる美人店主=ヒーロー姉の喫茶店。彼女目当てに集まってくる男子客たち役に(これも毎作恒例ですが)主役オーディション惜敗組がかなり混じってそう。例年このプールに、言葉はヘンですが、“掘り出し物”が混じっていることがあるんです。おいおい個別に検討するとしましょう。

昼ドラウォッチャーとしては、02年『新・愛の嵐』、03年『真実一路』で達者な子役としておなじみだった落合扶樹くんが、しばらく見ないうちに長身の若者に成長していてびっくり。彼の演技力からすると、単発ゲスト出演はもったいない気もしますが、物語の基本設定を説明するための、1・2話のみの役のよう。

毎作いろんな意味で注目を集めるタイトルロールのヒーロー役は、今年は佐藤健(たける)くん。初回は地で無難にこなした感じでした。“ケンカは弱いしいじめられ体質、とことんツイてない男”という設定なので、ヒョロくて頼りない体形、どこか女の子っぽい容貌もぴったり。

“女の子っぽい”といっても、カマっぽいんじゃなく、“ボーイッシュな女の子”っぽい。特撮誌のグラビアでしか知りませんが、『sh15uya(シブヤフィフティーン)』ツヨシ役の頃の悠城早矢さんに少し似ているかな。

憑依モードの髪逆立ち赤目ヴァージョンになると、キングコング西野にも似ている。…何だか顔ツッコミばっかりで申し訳ないんですが、演技やキャラづくりを論評できるほどの見せ場が、まだ無かったんですよ。今作は憑依もしくは変身すると、声が声優さんの吹き替えになるらしいし。とりあえず憑依時の顔芸は、“オヌシなかなかやるな”。

人間体時のドラマ部分での、声の通らない中途半端ファルセットな喋りは気になりますが、設定がヘタレだから意識してそうしている、監督さんもそうさせているのかもしれないし、キャラとしての成長も含めていま少し見守るべきでしょう。

ヒーロー俳優や変身後造形、怪物造形も楽しみですが、毎作もうひとつの楽しみは“渋い大人ポジション”の俳優さん。いつもキャリアはかなりありつつ、意外性もある人が起用されるんです。前作『カブト』では本田博太郎さんの怪演が、いささか散らかり気味なメインストーリーを下支えしてくれました。

今作は石丸謙二郎さん。今年はこの作品に出ずっぱりなら『SASUKE』『芸能人スポーツマン№1決定戦』はお休みかしら。残念。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おとなだまし

2007-01-26 17:51:23 | CM

ランドセルのCMって、どんな層向けに発信されるものでしょう。

当然、もうすぐピッカピカの一年生、来年お入学、ぐらいの可愛い盛りのお子さんを持つお母さんお父さん、あるいはお孫さんの成長が楽しみで息子(娘)夫婦に隙あらば援助したいお祖母ちゃんお祖父ちゃんが主力。

もしくは、いままさに幼稚園のガキ…じゃなかったお子さま自身に訴求して、「ママ~あのランドセル買ってー」と言わせ、「い、一年生になったらね」「いちねんせい、いつー?」「ら、来年の4月ね」「らいねんのしがつー?やくそくだよー」「や、約束ね(汗)」と持って行く狙いのもあるかもしれない。

「天使のはね、あつまれーっ!」

「♪ラランラン ランドセルは ててんてん天使のはね~」

「せなかーにぴったりラランラン ててんてん天使のはね」

たいそうのひろみちお兄さんが4人の子役ダンサーを従えておゆうぎ風に唄い踊るセイバンのCMも、土日朝のアニメ特撮タイムや平日の昼ドラタイムにオンエアされている分には、たぶん両方狙いなのだろうと思っていました。

しかし、先日『わるいやつら』(金21:00~)の録画を再生したら、開始33分過ぎ、米倉涼子さん扮する仕事一筋の看護師・豊美が、金持ち女をひそかに次々誑しては貢がせている悪徳上川隆也院長の甘言に騙されて温泉へお泊りデート、そこへ女房気取りの愛人・料亭女将余貴美子さんが乗り込んできて男の本性を知らされ呆れてひとり帰京、プレゼントされたドレスも窓から捨て、でも仕事場に戻ると何事もなかったように淡々と手術の助手をこなす豊美、院長との間に流れる険しーい空気…という場面の直後に、いきなり来ました「天使のはね あつまれーっ」「♪ラランラン ランドセルは…」

この前に、上川院長が患者の妻とホテルで不倫ワッセワッセ、事後バスローブ着てスクワット、なんてシーンもあり。

どう考えたって、就学前の子供はもう寝かせてなきゃならない時間、見せちゃいけないジャンルの番組なんですけど。

最初から“お母さんお父さん年齢以上”向け専用だった?それにしては、画面のトーン、「ラランラン~」の曲調、振り付け、ナレーションがことごとく幼児っぽいんですよね。“学齢前の子供を持つ親世代”のセンスや嗜好、知的レベルを、ずいぶん幼いところに想定してないか。「ててんてん」ですよ。

大人なのに自分の感情をコントロールできない、公徳心も恥も知らない幼児的な親が増えてきたからこれくらい幼稚でちょうどいいってことなのか。

さらに、そういうセンスのCMを『わるいやつら』の、まさにわるく、ヤらしくなってきた最中にサクッと挿入するセンスがますますわからない。

このタイミングでこのCM見て「なんだ米倉の白昼露天風呂シーンは無しかツマラン(「♪ラランラン…」)そう言えば、ウチの子来年小学校だなランドセル買ってやらなきゃな」と思うお父さんや、「隆也さんいい胸板してたわダンナとは大違い、あんなオトコとわるいことするチャンスないものかしら(「♪ラランラン…」)そうそう、娘にランドセル買ってあげなきゃ、家計苦しいから実家の親からせびろうかな」などと思いめぐらすお母さんが多いに違いない、と広告代理店は読んでるんでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

主人公は昭和8年生まれ

2007-01-25 16:33:36 | テレビ番組

数字的にはともかく、作品としてはすでに敗色濃厚な『華麗なる一族』ですが、人物紹介・設定紹介の終了した2話以降に劇的“確変”する連続ドラマは少なくないので、一応期待は持って2話を録画視聴。

なんかねぇ、返す返すもバランスが悪いんだなあ。開始4分少々、鉄平妹・二子(つぎこ)が家族に内緒で交際している若手技術者四々彦(よしひこ)に会いに工場に訪ねて来たところに鉄平が来合せ、二・四カップルのアチャー、タイミング悪い…→お嬢さま二子の工場飯場初体験→度胸と遠慮なさで上回る二子から「お兄様にお話が」と切り出したものの鉄平に「好きな人が出来た話か、そうなんだよ驚くだろ?二子にもそういう人が出来たんだよ」と先回りされて→四々彦「すみません専務っ!」と自爆→二・四目配せし合って固まる→鉄平「…え、コレ?四々彦くんか?」「…ハイ」「どうもっ、すいません!」「あーいえいえ」…このくだり、約2分50秒。あーーー古い、ぬるい、トロい。ぜんぶお約束、お約束のカッタマリ。しかも、最終的に「万俵家という歪んだ家庭に育った妹が、地位や名誉に関係なく純粋に人を好きになっていたことが、鉄平はとても嬉しかった。」って結局ナレーションで説明してやんの。これかぶせるなら、セリフも時間もこの三分の一でいいよ。

やたら工員たちが集まって、専務の「高炉建てる」のひと言でウォーってコブシ振り上げたり、肩組んで(何か歌唄ってるヤツもいる!)横列行進したり、スクラップ買い付けできたと聞くと手に手にメット振ってトラック上ってカチドキあげたり。監督も脚本家も、昭和の鉄工労働者・現業職ってものを根本的にバカにしてないか。

専務のひと言であれスクラップの山であれ、そこを大勢の人間の感情の波頭が砕ける頂点にすべき脚本・演出上の伏線を丁寧に敷いていないので、エキストラのアタマ数使って豪華感・スケール感を出そうとすればするほどカラ回るカラ回る。計算して昭和的アナログ感を演出しようとしているんじゃなく、普通に作り方がヘタなんだとしか思えません。

部分的には魅力的なところも無いではない。2話では鉄平が夜半、万俵家池畔に佇む場面は見ごたえがありました。従業員たちにはポジティヴに語っていても、リスクの高い高炉建設、内心はまだ迷っている鉄平が、心の拠り代とした将軍鯉は物言わず(当然だが)水底に去り、何かを内に秘めて語らない母・寧子にも背を向けられて、虚空にひとり置き去りにされたような思いを噛みしめる。もちろんナレーションは無し。この演出家さんは群像をロングでとらえる大仰なスペクタクルより、こういう静的なシーンをこそ得意としているのではないでしょうか。木村拓哉さんも何だかんだ言ってもアイドル出身なので、セリフ回しや固い用語の滑舌に少々難があっても、顔面の表情の細かな出し入れで内面の機微を表現する力はあります。

前出の古・ぬる・トロ三重苦シーンにしても、相武紗季さんの微笑ましい存在感は一服の清涼剤。見るからに“慣れてませーん、でも頑張ってまーす”な傘持ちお嬢さま歩きなど、やたら重々しく様子ぶらせた物語世界の中、出てくれば安心して笑えるキャラは貴重です。

さて来週どうするか。「そのうち面白くなるかも」という期待でズルズル録画を続ける視聴は不毛だと、もうじゅうぶん学習はしているはずなんですが。その“面白くなるかも”という期待の根拠が「カネかかっているから」…うーん、輪をかけて不毛だなあ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする