イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

“〇〇メンバー”呼び問題 ~いっそ“〇〇構成員”でどうか~

2018-04-29 18:50:37 | ニュース

 前の記事で、酒酔い強制猥褻TOKIO山口達也さんを“山口メンバー”っておかしくない?そんな日本語無いし、と誰にともなくイチャモンつけてみたら、まるで聞こえたかのように翌日朝のよみうりテレビ『ウェークアップ!ぷらす』で辛坊治郎メンバー、じゃなくてキャスターが手際よく説明してくれました。

 かいつまんで言うと、逮捕報道なら“誰某容疑者”ですが、今般の山口さんの場合、すでに示談が成立しての書類送検報道なので、逮捕よりは処分が軽微で済むことが多く不起訴になる可能性もある、となると人権的に“~容疑者”は厳し過ぎるのではないかという、これは取り決めではなく、報道各社ごとの判断で、「~さん」「~氏」といった敬称ではなく、呼び捨てでもない“肩書呼び”、つまり官公庁なら「~局長」「~課長」、政治家なら「~議員」「~県議(or都議、市議・・)」、有名・知名人ならその職域分野で一般的に使われている呼称「~医師」「~アナ(ウンサー)」「~監督」「~教諭」「~弁護士」等が使われることが多いのですが、芸能人の場合どうする?と苦肉の策でひねり出したのが「~メンバー」だそうです。

 聞いていると、今回に限っては、とりあえず身柄勾留無しの書類送検かつ示談成立済みだったことで、悪質性や厳罰可能性が低いというエクスキューズがつき、ギリギリ「“~容疑者”でなきゃおかしい」を免れたといったところらしいのですが、報道機関によっては“山口達也容疑者”と堂々と(?)表記したところもちゃんとあるらしい。月河は見ていないですけど。

 月河が感じた「日本語としておかしい」感、馴染まない感は、ひねり出した報道各社も切実に感じているようで、今回の山口さんはたまたまTOKIOというグループの“メンバー”だからコレが使えたけれども、ソロで活動している人だったら?となると「事件を起こさない様に願うしかない」(デイリースポーツ)とのことです。いや、それはみんな思ってますから。

 思い出したのですが、韓国ドラマではよく登場人物間で“肩書呼び”してますね。王を頂点とした官位や職位が重要な、封建時代を舞台にした時代劇は言うに及ばず、現代の業界お仕事もの、戦後復興期の立志ヒーローものでも、カンとかハンとかチョンとか同じ作品内に何人も出て来るまぎらわしい名字に「〇〇常務」「××室長」「△△秘書」と付けて、仕事を離れたシーンでも軽く呼び合っています。

 韓国語に堪能なかたならもっと正確に事情をご存知でしょうが、儒教の影響が濃く長幼の序を重んじる韓国の社会では、家族や親しい仲ではないからファーストネーム呼びはできない、さりとて敬称でもどうなのかというとき、“肩書”はたいへん便利らしいのです。「上下関係をしっかり意識してあなたに話しかけていますよ」というメッセージにもなりますからね。

 ただ、これは日本向け字幕制作時の拾い方にもよるのでしょうが、こんな時にも肩書?と奇異に映るときもある。『私の心は花の雨』の最終盤、悪人スチャンが息子ガンウクへの親心から、息子の想い人でヒロインのコンニムを庇って車に跳ね飛ばされたとき、コンニムが「営業部長――!」と泣きすがっていたのはさすがに笑いました。盛りあがるところだったのにね。

 そう言えば、日本語に翻訳された韓国の活字エンタメ媒体に新作のたびに載るドラマ制作情報記事で、監督・ディレクターは“◇◇監督”ですが、脚本家は大体“〇〇作家”と表記されていますね。これも儒教社会の習慣の延長線上か。“作家”ってそもそも厳密に言えば肩書ではなく、“物を書くことで生計を立てている”という現象の名称に過ぎないし、部長の下に課長、社長の上に会長といった職位制度みたいなものも存在しないのですが、今回の“~メンバー”同様「何か付けないと呼び捨てになっちゃうから」とひねり出された苦肉の策なのかもしれません。日本では制作発表の記事で「橋田壽賀子作家」「三谷幸喜作家」なんて死んでも書きませんわね。逆に失礼感、バカにしてるのか感があふれてしまう。

 何年か前に反社会的組織関係者との黒い交際疑惑で芸能界を去った漫才師出身のタレントを「〇田▲助司会者」と表記する媒体が続出して、あまりの無理くりっぷりにさすがに批判の声が上がったことがありましたが、肩書とは無縁に芸能や芸術や文筆の才一本で生きる人に、醜怪な急造肩書をひねり出さなければならない状況は、それぞれの当事者やファン以上に、媒体に携わる人たちにとって悩ましい話ではあります。

 今回の山口メンバーも、警察沙汰になっているんだから被害者の心情を考えれば“さん付け”“氏付け”はあり得ないし、かと言って「“~容疑者”付けるほど犯情悪いか?」となると、親兄弟も、離婚したとはいえ幼いお子さんもいるし・・と躊躇するのも仕方がない。

 “メンバー付け”は決してベストではない、ネクストベストでもない、ネクストのネクストのそのまたネクストの・・・六十五番めぐらいのベストの選択かもしれません。それにしてもスッと腑に落ちないにもほどがありますけど。

 そこでですね、ついでと言ってはなんですが、あってはならない、あってほしくないこういう事態が、それでも起きてしまったときのセーフティネットとして、ユニットやグループで活動する芸能人の皆さんは、あらかじめグループ内での“肩書”を決めて、媒体関係者に周知徹底しておくというのはどうでしょうか。

 TOKIOなら、たとえば、城島茂さんは“リーダー”で定着していると思うので、

 「国分太一室長」(なんとなく秘書室っぽいから)

 「松岡昌宏店長」(なんとなく居酒屋っぽいから)

 「長瀬智也技師長」(なんとなくガテンっぽいから)

 ・・・なんのセーフティにもなってないな。異論爆発。「“メンバー”のほうがまだマシだ」で後退。こういう事態自体、二度と起きませんように。

 

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謝罪会見より深刻な事 ~メンバーを面罵~

2018-04-27 21:58:07 | 芸能ネタ

 数々の違法薬物、特に覚せい剤や麻薬系、あるいは近年急に蔓延し警戒されてきたカラフルな“脱法ドラッグ”各種に比べると危機意識が低いのかもしれませんが“アルコール”だって立派な危険薬物です。

 習慣性・耽溺性が非常に高いし、一度に大量摂取すれば短時間で死に至ることもあるし、習慣的に過剰摂取を継続するとじわじわと内臓も、精神も冒されます。

 なんたって、覚せい剤や麻薬と違って、裏社会の裏市場に大金を投じずとも、そこらのコンビニチェーンで真昼間から誰でも、ポケットマネーで買えてしまうのが一番怖いところです。

 TVで有名俳優やタレントが堂々とCMしているし、健全な居酒屋やレストランで大勢に供されていて、大勢が美味しそうに、明るく楽しげに飲んでいるのと同じ物を飲んでいるんだから、肉体的にも倫理的にも抵触感がほとんどありません。「ヤバいものを買ってる、飲んでる」「冒されてる」という自覚がないまま、どんどん抜け出られなくなっていく。

 昨日のTOKIO山口達也さんの謝罪会見、“強制猥褻”“女子高生”とヤバ要素が揃い、いや幾らアイドルで兄貴キャラでも四十男から夜中の電話呼び出しにホイホイ行っちゃう女の子もどうなの?親がどういう教育してんのよとか、TOKIOの活動どうなる、他メンバーに連帯責任は?とかCM・イメキャラキャンセルの違約金何億円とか、等比級数的に論点が増えてぼやけてしまいましたが、いちばん深刻にまずいのは、“酒の飲み過ぎで肝機能の数値が、速攻入院を要するほど悪化し、入院中は当然強制的に酒を断てたので改善して退院したが、その日のうちに飲みたくなり自宅で焼酎一本空けた”という前段部分です。

 入院中どんな診断や説明を受けたかは話に出てきませんでしたが、「飲み過ぎたから悪くなった、飲むのをやめたから改善した、また飲んだらまた悪くなる」という因果関係は、大人なんだからじゅうぶん理解できていたはずで、それでも飲みたくなり、飲まずに我慢することができず、飲み始めたらあっさり量を過ごしてしまうというのは、コレすでに立派なアルコール依存症です。意志の力で合理的に行動を制御できなくなったら、もう「酒好き」「酒飲み」の域を逸脱しています。

 昨日の報道によると、この人、数年前に離婚会見したときも原因を訊かれて「ボクの生き方が自由過ぎた、サーフィンとかお酒とか」とほとんど武勇伝みたいにシレッと答えており、その頃から危機意識がないにもほどがあったようなのです。“飲まずにはいられない”“意志で飲むのをやめることができない”のは自由じゃないってばよ。依存症の縄目にすでに縛られまくりだ。

 強制猥褻はそれ単体でれっきとした犯罪なので、女性や若者に人気のタレントという立場からしても厳しく裁かれなければなりませんが、アルコール依存症を侮ってはなりません。ひとり本人だけの心身の損傷、荒廃のみならず、周囲に及ぼす社会的悪影響がすさまじい。即入院加療を要すると思います。

 こんな事件を起こすまで好き勝手飲むにまかせておいた、あの所属事務所もずいぶん適当だし、大事な稼ぎ手タレントのはずなのに冷たいなとも思う。まぁ、昨日今日スカウトで拾われた下っ端若手じゃないし、昨日も軽く驚き直した様に四十代半ばですから、一番責任あるのはご本人でしょうが。でも、せめて離婚会見で前述のようにイキがっていた頃に、彼から見て偉い人、怖い人が強く警鐘を鳴らしていればね。

 あと、今回の山口さんでも完全にマスコミの“~メンバー”呼びが定着してしまいました。今更だけど気味が悪い。こんな日本語ありませんよ。なのに、TV各局、民放もNHKも、高齢家族が宅配購読している日本経済新聞でさえも同調。どこも、誰も「おかしくない?」と言わないの。どうしちゃったんだ日本。

 書類送検すでにされて起訴or不起訴待ちなんだから、“山口達也容疑者”でいいじゃないですか。何が怖くて、誰を憚って山口“メンバー”なのか。一週間ほど前にやはり酒に酔って、路上で通りすがりの女性に猥褻した仮面ライダーデューク(@『鎧武』)の俳優さんはきっちり“青木玄徳容疑者”で終始報じられていました。何故この違い?グループやユニットの一員じゃないから?誰かわかるように説明してもらえませんかね。説明できる人誰でもいいです。上層部じゃなくても。実際に記事原稿書いてる本人が「自分はこういう理由でこの呼び方で書いています」と、顔出して説明してほしい。

 こんなマスコミが森友、加計がどうだらこうだら、忖度だの圧力だの、鬼の首でも取ったように論う資格なんかないと思います。あぁ嫌だイヤだ。酒でも飲むか。

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山口メンバー書類送検 ~TOKIO越えてカッコつける~

2018-04-26 22:42:34 | 芸能ネタ

 こういう刑事事件とか、訴訟案件とか、さもなきゃ結婚入籍とか、身も蓋もない散文的な報道になると必ず“()”=カッコつきで満年齢が付されるので改めて「あららら」と思うのですが、TOKIO山口達也さん(46)ですって。

 もう前世紀、90年代の半ばぐらいからずっとTOKIOメンバーとして第一線で露出し続けているんだから、20代デビューだったとしても40代で何の不思議もないんですよね。年取ってるのは月河だけじゃないのだ。男も女も老いも若きも、有名人も無名人も一年に一歳ずつ、平等に年をとる。

 思うんですけど、“アイドル”にも定年ってあったほうがよくないですかね。

 今回の山口さん、やってはいけないことをやらかしてしまったのは確かなので、法的にも社会的にも厳しく裁かれなければなりませんが、街頭でこのニュースの感想を求められた、TOKIO年代よりはちょっと下の、三十代半ばぐらいに見えるOL風の女性たちが「えー意外、明るくて元気なイメージだったので、ショックですね」「がっかりです」なんて、それほど深刻そうでもなくコメントしているのを見ると、どう考えても無理あるだろうと思うのです。

 四十代後半にもなって、バツイチ二児ありで、自分より年下の一般人から“明るくて元気なイメージ”を抱かれてるって、そりゃ疲れるよストレスたまるよ。酒に逃げたくもなるさ。逃げる酒だから酔い方も悪いだろうし、けしからんこともしたくなるわ。

 昭和の時代にもアイドルはいたし、“昔、アイドル的人気だった四十路俳優、歌手”もいました。しかし、個体あたりの“純アイドル期”はいまより断然短く、三十代後半から四十代に入っても第一線に踏みとどまっている人は、純アイドルを卒業してアイドル視されなくなったことをもって生き残っていたような気がします。

 昭和四十年代後半も石原裕次郎さんはスターで、カッコよかったけれど、銀幕でブームを起こした頃のやんちゃでワイルドな雰囲気を残しながら、ちゃんと背広ネクタイの管理職“ボス”に移行できていました。若い女の子にワ―キャー言われる担当は萩原健一さんが、続いて松田優作さんや渡辺徹さんらが引き継いでくれて、少なくとも四十越えた裕次郎さんが、自分より年下のファンから「明るくて元気なイメージ」なんて背負わされ続けることはなかった。「往年の面影はあるけど、やっぱりおじさんはおじさん、中年は中年」を、ご本人もファンも、さほどファンではない遠巻き観客も、ちゃんと受け入れて世の中回っていたのです。

 TOKIOなどジャニーズ所属の男性アイドルの場合、ユニットやグループ活動が主軸なことも“うまくおじさんになれない”原因のひとつかもしれない。ファンのほうがどうしても、いつまでもバンド楽屋的な、男子校の部室的な内輪感、メンバー間のバディ感やブロス感を嗅ぎたがってしまうから。

 アイドルではなくなっても、演技や歌やダンスで客をひきつけるのが正業の“芸能人”は夢を売る仕事であることに変わりはありません。オフの時間にあんなこともコンナこともしてた・・と報じられて一般人を「がっかり」させるようでは芸能人失格です。まして違法行為、強制猥褻となったら問題外です。

 それにしても「明るく元気」からはもう解放してあげませんか。ちょっとくたびれた、しょぼいおじさんだっていいじゃないですか。肌に張りがなくなって、頭髪も薄くなって加齢臭が漂ってたって、撮影が始まってスタートの声がかかった瞬間、ライブの幕が開きライトがついた瞬間にシャキッと輝いてくれれば、それで十分じゃないですかね。こちとら一般人はいつも、ずーーっとくたびれてしょぼいんだから、十分夢をもらえますよ。

山口さん本人が涙の謝罪会見で「もう(同じTOKIOメンバーの)彼らぐらいしか、叱ってくれる人が居ない年齢になった」と、ある意味切実な心情を吐露していました。素人考えでは、居るじゃない事務所のずーっと上のほうに・・と、ちらっと思いますが、“気がつけば周りみんな後輩、自分がいちばん老トル”を自覚せざるを得なくなる年齢まで“アイドルたること”を求めるのは、かなり残酷だし、心が狭いのではないかと思うのです。

 しかしねえ。TV、特に民放BSで入れ代わり立ち代わり流れる年齢化粧品やサプリメントのCM、女性誌の特集ページを見ていると、山口さんなど男性中年アイドルと同じ時代を歩んできたと思しき女性たちが“如何にしてオバさんにならないか、BBAにならないか”で頭がいっぱいらしいんですよ。どうしちゃったのみんな。もっと喜んで年をとろうよ。若さなんていうこっ恥ずかしいだけの縛りから自由になろうよ。

 せめて「明るく元気」だけはおさらばしませんか。いや、永遠に訣別ではなく、無期限お休みでもいいけど。とにかく正々堂々と、誰憚ることなく、くすんでどよーんとしようよ。世の中「明るく元気」ほど窮屈なものはないんですから。いやホントに。

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大韓航空ナッツ&水かけシスターズ ~もうお姉妹~

2018-04-25 14:15:23 | 海外ドラマ

 韓国ドラマ、特に戦後~現代ものを見ていると、男性キャラがドス声でガナったり女性人物がキイキイ金切り声で泣きわめいたりする音声と並んで、激昂のあまりテーブルの上にある水でもお茶でも、差し向かいの相手にビシャーぶっかけるシーンは、無い作品が無いくらいお約束のようについて来るのですが、これってドラマだからオーバーに演出しているんじゃなくて、リアルに日常やっている人たちがかの国には存在するらしいのでした。

 くだんの大韓航空チョ姉妹のお母さん=オーナー会長夫人も、現場で警備員や庭師、家政婦などに“銅板の様なもの”を投げつけたりしていたとの証言が出ていますね。いやードラマの典型的な“財閥の奥さん”まんまじゃないですか。

 ドラマは、退屈な現実をそっくりなぞっていたら面白くないし視聴率も取れないので、大袈裟に、カリカチュアライズして演出されているのだろうということは想像できますが、それにしても母国の視聴者が見て「あるある、ありそう」「財閥一族の奥とか娘ってこんな感じだよね」と日頃抱いているイメージとある程度一致しないと、逆に「嘘っぽい」とそっぽ向かれそうでもあるので、実はかなり現実の、実在人物たちの赤裸々な実態を切り取っているのかもしれません。

 問題の一族女性たちが会議室や役員室で社員たちを叱ったとされる録音音声、あの韓国語なのか何語なのかすら判別しがたい(でも放送では翻訳テロップついてました)、ジャングルの野獣の咆哮のような叫び声は、ドラマ中、財閥や大企業一族の設定でなく庶民の女性設定でも、裏切った恋人や、恋敵の女や、亡親の仇の金貸しとかを罵倒する場面でしょっちゅう発していますし、目下の女性から目上に対しても頻々と水をかけます。「怒りや悲しみの激しさを、声量で表現する」「あなたを軽蔑します、大嫌い、死ねばいいのにという意思の表現として水をかける」というのは、ドラマならぬ実生活上の、かの国の伝統文化にあるのでしょうか。

 いまBS11放送中(月~金AM10:00~)『明日もスンリ!』なんか、ヒロインのスンリ(最近はアイライン目尻長めの般若メイク、チョン・ソミンさん)と財閥会長夫人の連れ子ジャギョン(ネットでは“偽三田寛子”でおなじみユ・ホリンさん)がほとんど毎回咆哮し合っているし、咆哮の末デスク上のファイルや文房具をぶちまけたり、水かけも一再ならず。ヒロインを一途に守るヒーロー役ホンジュ(イノシシ顔なのにちょいナルシスト設定なソン・ウォングンさん)も、息するようにウソつく隠蔽する出世の亡者ソヌ(“リトルヨン様”でおなじみチェ・フィリップさん)も、女たちに結構かけられてます。

 どっちかというと水かけ=女の反乱、ヒステリー、という共通理解があるのかもしれない。

 それとも、逆にあれかな、あの国の大企業一族の女性軍、ヒマですることがないからテレビばっかり見ていて、ドラマに毒されて真似しているのかな。ドラマが現実をお手本にしているのか、現実がドラマを追いかけているのか。

 昭和40年代、月河が小学生坊主の頃は、親世代、学校の教師世代の大人がダカツの様にテレビを嫌い、敵視していて、「テレビばっかり見てたらバカになるから!」と口癖のように言っていましたし、テレビCMやアニメで覚えたフレーズや歌を口にしようもんなら「バカだからテレビのマネなんかして!」と烈火のごとく怒られたものですが、南北問題の緊張や政治危機をよそに、かの国のセレブ女性はまさに、日本の昭和40年代の小学生坊主レベルに居るのかもしれません。

 誰か言ってあげればいいのにね「お嬢さま方、テレビばかりご覧になっておられると、愚か者におなり遊ばしますよ」

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財務次官セクハラ辞任 ~たとえば男は阿呆鳥~

2018-04-22 16:15:07 | ニュース

 福田淳一財務事務次官、いや元・事務次官58歳。月河と限りなく近接年代なのですが、唐突ですけど、風間杜夫さんに似てませんかこの人。

 いや、単純に“顔立ちがそっくりさん”というのではなく、目つき顔つき、囲まれてぶら下がられてムッとしたりイラっとしたり、開き直ったりキョドったりする表情の変遷が、「風間杜夫さんがドラマや芝居で得意とするキャラっぽい」。

 週刊誌で表沙汰になってからの福田次官の一連の放送動画を集約して見せて、「この人の役を演じてください」とオファーしたら、四~五回リプレイすれば風間さん、完璧に演ってくれそうです。なんなら自宅ドアの中での奥さんとの会話とか、飼っている犬種や餌の与え方まで膨らませて演じてくれそう。偏差値エリートで東大法卒で主計局長で、リクルート文部事務次官の娘と見合い結婚で、入省同期に国税庁長官二人と女性参院議員、順当に事務次官に上り詰めたはいいが省に政治家もからむ重大不祥事が発覚して大騒ぎ、そこに左系テレビ局の女性記者が・・と、もう状況が完璧に風間さんの十八番ワールド。それもNHK土曜ドラマ風、TBS日曜劇場風、テレ朝深夜帯風、テレ東ドラマBiz風、民放全般二サス風と、枠に合わせて味付け調節してくれるはずです。風間杜夫さんの俳優界での位置づけ高いなぁ月河。我ながら。

 批判に輪をかけた「そんなに苦痛なのか」発言の矢野康治官房長は田口トモロヲさんかな。二十年前なら大杉漣さんでもいけた。この人の場合、役者さんの誰某にというより、いしいひさいちさんの漫画によく出て来る官公庁役人まんまですな。七三分け長方形のメガネで目そのものが無いの。

 ・・・まぁキャスティングはともかく(キャスティングって)、「財務省のセクハラ認識センス、対応センスが現代の国民感情とも、グローバルスタンダードともズレすぎ」との批判が大勢を占めていますが、正直月河は思っています「財務省だけが突出して、大幅に、許しがたくズレていて、“ほかはいまどきそれほどでもない”と言えるだろうか?」と。

 1980年代にSexual Harassment=直訳して「セイテキ イヤガラセ」という外来語が入ってきて、90年代初期には「いくら悪意がなくても、相手が不快感や恐怖感、嫌悪感を感じたと訴えたらハラスメントと認めなければならない」という解釈が常識となりました。

 単なる「イヤがらせ」ではなく「性的」と付くところが果てしなく根深い問題で、性には男性と女性しかいないわけですが(細部において異論は認める)、こと“性的”“セクシュアル”事象に関しては男と女とでは感じ方、捉え方、触れる神経回路が根本的に違うのです。

 男性は性行為、性的活動自体で命を落とすことは、よほど心臓や脳血管に予め爆弾を抱えているか、特殊な道具を用いるプレイでもしない限りありません。タネを撒いたことが原因で死ぬことはない。蟷螂のオスのように交尾のあとメスに頭から食われることはないわけです。

 一方女性は畑にタネを撒かれれば妊娠します。胎児を孕み身体は重くなり、外敵が襲ってきても自力ですばやく退避できません。流産や早産で失血死するかもしれず、正常分娩を果たしても感染症や産後の肥立ちリスクもあり、半年から一年近く、授乳という昼夜問わない重労働を重ねます。栄養事情がととのい医療や防疫の進んだ文明国では、妊娠出産が原因で命を落とす女性の数は絶対的には減っていますが、哺乳動物の雌である限り、すべての女性のDNAに“セックスは命がけのリスクに繋がっている”という刷り込みが、徐々に深く潜在的になってきているとはいえ決して消滅することなく刻印されています。

 セクハラという名を与えられて表沙汰にされずとも、女性は男性から“性的な、性を連想させる動作、発言”を示されると、脊髄反射で第一段階“恐怖”“嫌悪”“不快”を感じ、逃げたい、避けたいと思うように神経回路ができているのです。遠い延長線上に“生命の危機”が存在することを、DNAが知っているから。これだけは男性が男性である限り終生理解できないでしょう。「そんなことないよ、イヤらしい意味で言ったんじゃないし、彼女たちも笑って結構ウケていたよ」と、善男諸君は本気で当惑し真顔で反論するかもしれませんが、それは日本が平地集住稲作農耕民族で、近世のサムライ奉公社会になるまでは男女が協働し春夏秋冬労働分担し、女性側が男性のしょうもなさを熟知していて、スルースキルが懐深く発達しているからにほかなりません。

 一方「男は外で狩り食糧財貨獲得、女は住居内で家事と子育て」の狩猟採集民族からなる欧米先進国では、イヴからアダムにリンゴをすすめたから楽園追放、てな信仰が二千年このかたまことしやかに流布したおかげで、いま“♯Me too”と身も蓋もない騒ぎになっています。こちらのほうが現代ではグローバル・スタンダードですから、「男は幾つになってもしょうもないもの」を前提として受容しツブシをきかせてきた日本女性伝統の寛容さより「後輩女子たちのためにもちゃんと声を上げよう、拒否しよう告発しよう」が完全に優勢になりました。

 こういう環境で思春期、リクルート期を過ごした若い世代の女性には、母世代・祖母世代にはあったスルースキルがはなから備わっていない人も増えて来ていて、昔なら「しょうもない」で自他ともに通用した、58歳福田次官曰く“言葉遊びの様なこと”なんか断然通用しなくなっています。また、女性側のスルー能力が衰えるに歩調を合わせて、“匙加減”のわからない、農耕社会的男女協働を知らずサムライ封建社会の価値観を平成サラリーマン土壌に誤植したような男尊女卑オトコも逆に増えました。

 矢野官房長55歳「本名伏せる女性弁護士が対応する秘密は守るっつってんのにどうして名乗り出れないの、これ以上の調査方法あんなら教えてよ(大意)」発言も、この人が異常にセクハラ認識が遅れてるから出たと必ずしも言えない。現にご本人が「(セクハラ認識は自分は)相当高いと思う」と豪語されています。「セクハラ被害に遭った」と、弁護士であれ上司であれ女友達であれ人に打ち明けること、自分が男性から性的な言葉や動作を向けられた女性であると知らしめること自体、人前で肌着一丁になるくらい恥ずかしい、身の毛がよだつ行為なんだということがどうしてもわからないのです。財務省だからではなく、身内庇いをしたいからではなく、男性だからです。

 これはひとり財務省に限った事ではありません。識者が指摘するように財務省イコール女性採用数の極小なエリート男子校社会で、民間交流も少なく一般社会の価値観変遷を吸収しにくい純粋培養だからこんなんなっちゃった側面はある。しかし財務省以外の日本社会、他省庁や民間企業、特に今般当事者となったTV・マスコミ業界でも、ことセクハラに関しては「女の言い分・感じ受け止め方は男には終生わからない」現実は動きません。どんなに時計が進み文化文明が進歩発展して“女性活躍社会”とやらが実現したとしても、人間が哺乳動物のオスとメスからなる限り変わらないでしょう。

 「わからないから」「わかってもらえないから」で両者匙を投げず、背を向け合ってボイスレコーダ回しながらギスギス働くのではなく、どうやって歩み寄り、互いに気分の良い協働を持続するのか。財務省だけ罵倒して終了、大臣辞めさせて終了にしない、むしろ財務省以外の社会全体のほうが鋭く問われていると思います。

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