イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

アグルはその後ライアに

2008-05-08 00:27:47 | CM

阿部寛さん。積極的にファンではないしモデル時代も知らないけど、いい俳優さんになりましたねぇ。“カッコいい”とか“演技がうまい”とかじゃなく、見てて使いでがある”という感じ。

なぜそう思ったかというと、積水ハウス“おひさまハイム”CM。♪ おはようサマサマ、おてんとサマサマ、おひさーまハイムがやってきた… とメルヘンスタイルで歌い踊る親子4人家族がモデルハウスに向かって行った後、阿部さん扮する“ハイムさん”が、一瞬スローモーションで“おひさまダンス”真似しかけるカットが入るんですよね。ここがすごくいい。

身長公称189センチ(実は192センチ超らしい)、腕も脚もこれでもかってくらい長い阿部さんに、どう見ても得手じゃ無さそうなメルヘンダンスなんです。“うまくいかないとわかってるのに、大のオトナが思わず真似したくなっちゃった”という微笑ましさを、あのほとんどサブリミナルなワンカットで表現できる素材になったというのがすごい。“使いでがある”というのはこういうことを言うんだろうなと思う。

実は俳優として演技している阿部さんは、伊集院静さん原作の96年単発ドラマ『橋の雨』でラストシーンだけ登場する天海祐希さんの当て馬フィアンセ役ぐらいしか記憶がないんです。緒形拳さん扮するやくざを本気で愛した天海さんは、緒形さん亡きあと自分の身体に同じ彫り物を。阿部さんはもちろんそれを知りません。橋の上で待ち合わせた2人。着物の下の肌に愛する男と同じ修羅を隠した天海さんは、この後阿部さんとも、平穏な女の幸せとも永遠に別れる覚悟です。

この作品では阿部さん、身長173.6センチの天海さん(当時宝塚退団後浅く、TVドラマはほぼ初主演だったはず)と落ち合って並んで橋を渡る後ろ姿がサマになるようにということメインでの起用だったのでしょう。セリフも「待った?じゃ、行こうか」ぐらいのひと言ふた言しかなかったと記憶しています。

あとは…04年の『逃亡者』と、再放送の『週末婚』てのを1話か2話見たっけか。あと05年の大河『義経』の壇ノ浦の回だけは見たな。碇知盛は確かに輝いていた。『TRICK』も『結婚できない男』も全然見てないので、新作何か見ようかなと思ったら、12日からのCHANGE(フジテレビ系)にレギュラー出演されるようですね。月9とは月河縁が薄いんだがな。しかも木村拓哉さんが総理大臣になるっちゅう話題のアレですよ。結局二世議員設定らしいし。ベタベタ。うーーーん。

『花衣夢衣』は第28話。将士(眞島秀和さん)のウジウジダメダメ八つ当たり男化進行。16年前、17歳澪の正当防衛で膝を砕かれた俊彦(吉岡毅志さん)、ステッキ姿で戦線復帰。

物語自体が、俊彦の17歳真帆への不器用な恋心と、澪への逆恨みから起きた事態だけに、今後の俊彦の役割には大きな期待がかかります。後半見事に求心力を欠いてしまった06年の『新・風のロンド』でさえ、18歳大介(神保悟志さん)の槙(小沢真珠さん)への報われぬまま歪んでしまった恋心の転結と再生救済物語と読めば、結構一貫性のある大河人間ドラマだった。

今作も、真帆と将士と澪との三角不倫や、双子姉妹の“あなたの幸せがワタシの幸せ”というタテマエ掲げた屈折した幸福バトルではなく、“顔かたちはそっくりな双子と幼なじみで接していても、ちゃんと内面の違いを感じ取って、一方だけを選んで恋した男”=俊彦の悲喜劇、という形で読めるようなお話にならないかな。

実は、“友禅を究める同志としての真帆を思えばこその言動”がそのまま“昔の男は忘れて自分のもとに居付いて欲しい”の表現に読める安藤(長谷川朝晴さん)と並んで、吉岡さん演じる俊彦に、月河軽く惚れそうなんですね。復帰してもステッキ持ちって、キャラ造形としても哀愁あり過ぎでちょっと“ずるい”。

もろもろ鬼畜な所業もあったけど、“真帆への想いは本物だった”という救いの描写が俊彦に与えられる転帰になるといいな。実は俳優・吉岡さんのブレイク直後の姿を見たくて、『ウルトラマンガイア』DVDをレンタル店でひそかに捜しはじめてもいるんです。

コメント
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