ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

あなたには帰る家がある(山本文緒著)

2007-11-10 12:42:01 | 本を読みました
二組の夫婦を巡るものがたり。
ひと組目はハウジングセンター営業の
佐藤秀行と専業主婦の真弓。
真弓は専業主婦にあこがれて
秀行をはめて、できちゃった結婚で
専業主婦の地位を手に入れるが
専業主婦の地位に飽き、
遊ぶ金もままならいことに嫌気をさして
保険会社のセールスレディになる。

もうひとくみは茄子田太郎と綾子。
太郎は教員で見た目も内容も
嫌な感じの男。
綾子は美人でなんでそんな男と
結婚をしなくちゃいけなかったんだろうと
思えるような組み合わせ。

茄子田夫妻が家を改築をしようと思い
秀行が勤めるハウジングセンターに
来るところから接点ができる。

太郎の要求・態度に嫌気がさしながらも
綾子に興味をもつ秀行。
綾子も秀行に興味を持つ。

一方、真弓も訪問先に太郎がいた。
生理的に接したくないタイプ。
「保険に入ろうかな」の一言で
積極的に接するはめになる。

そんなとき、3ヶ月間に
真弓の収入が秀行をうわまったら
真弓はパートから常勤になり、
秀行は専業主夫になるという約束をする。
どうしても仕事を続けたい真弓は
太郎が保険にしようか家にしようか
迷っていて、家の方の営業が秀行と知り、
いろいろな作戦にでる。
一方、秀行は。。。。

ネタばれの世界です。
興味のある方は反転してみてください。


秀行と綾子は不倫関係になってしまう。
仕事にでるようになってなおさら家のことを
しなくなった真弓に疲れ、癒しをもとめていた。
癒しだけであって本気ではない。
純粋な綾子は、秀行を癒したい。
秀行とならいい家庭が築ける。
秀行の娘と自分に息子も一緒に
新しい家を築きたいとと思い、
ある日、家出をする。
それも秀行の家に押し掛けるのだ。
「私のおなかには秀行さんの
子供がいます。
奥さまは家事は嫌いなんでしょ。
私は好きです。子供を引き取りますから
秀行さんと別れてください」と
真弓にいうのだ。

当然、そんなつもりはない秀行。
そこへ、太郎が綾子を追いかけてくる。
秀行と真弓が夫婦ということを知り、
なおさら激怒して、秀行を大乱闘をし
秀行は大けがをしてしまう。

秀行が結婚する気持ちがないことを知り、
ショックをうける綾子。
妊娠は想像妊娠とわかる。

二つの夫婦は元のさやにもどる。



なんで太郎と綾子は結婚したのか
それが一番のこの物語のポイントだと思う。
そして太郎の綾子への思い、
真弓は生理的に受け付けなかった太郎でも
そんな思いで綾子を愛していたと知り、
いとおしくなる。

夫婦はいろいろな形があると思う。
第三者的には不幸に見えても
本人たちには幸せなこともあるんだなと思った。

さらっと読めるのでお勧めです。

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