ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

祈り

2006-02-08 23:42:12 | Weblog
仕事で確認したいことがあり、総務課へいく。
担当者は仕事そっちのけで折り紙をしていた。
(正社員なのにいいな)と思う。

打ち合わせが終わったとき、
その人は「ひまだったら鶴折っていく?」と
声をかけてくれた。
「それどころじゃない」と振り切った私。
実際、仕事がたまっていたし、
指先も器用でないのでそんなこと
できる状態ではなかった。
よく見ると総務課の女性陣はみな
鶴を折っていた。

(総務課のだれかの関係者のために
折っているのだろう。
知らない人のために折るのも
どうかと思う。
昼休みにやればいいのに、
わざわざ今やらなくても)
とその時は思った。


かなりたってから管理職に
電子メールがまわっていて
ほかの事業場で労働災害があり
ある方が全身やけどされたという。
その人の回復を祈って
千羽鶴を明日の11時までに
追ってほしいという依頼が
あったことがわかった。

意識はしっかりしているとはいえ、
熱媒を浴びている。
薬品や熱媒のやけどはあっという間に
深いやけどになる。
それも事業場の近くに提携の病院があるのに、
ドクターヘリで運ばれるということは
熱傷センターのある病院に
運ぶ必要があったということで、
かなりの管理下におかないと
危ないということだ。
汗がでないため体温調節はできないし、
感染症にかかりやすい。
いつ急変するかわからない。

この人のための「祈り」の折鶴だった。


私の部署にも割り当てはあったが、
本当は一人一人が願いを
込めて折るのがいいが、
みんな忙しくそれどころじゃなかったので
私が全部折った。

私自身、「回復を祈る」のでなく、
やっつけ仕事になってしまった。


私の部屋にも千羽鶴が3つほどある。
20数年前私が発病したときに
もらったものだ。
「はやくよくなってもらいたいから
早く折らなくちゃと思い、
いろいろな人も手伝ってもらったの」と
くれた人はいってたっけ。

私は何かを忘れてしまっていた。
顔を知らなくても、
「みんな元気に暮らせるように」と
お互いを思いやる気持ちで
何事も成り立ていることを。
人は一人で生きているわけではない。
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2 コメント

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千羽鶴の豆知識 (ら族)
2006-02-08 23:54:25
千羽鶴はただ1000羽折ればいいというものではない。

特にお見舞いの場合は決まり事がある。



1.鶴の首は折らない

 理由:首を折る=首が折れる=死を連想するから

2.1000羽折っても渡すのは700羽

 理由:700=ナオレ(治れ)=治ってください





1.は知っていたが、2は知らなかった。

感動した。
返信する
治れ! (デッチ)
2006-02-09 21:28:54
700羽送るとは初めて知りました。

千羽鶴は1000羽送ると思った!
返信する

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