ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

穿刺が遅い

2015-03-29 21:33:51 | 身体のこと
少し前のこと。

仕事を終えて透析へ行く。

順番表に名前を書いて、
着替えて、
(時には更衣室でちょっとしゃべったり、
 軽く柔軟体操をしたり、ケータイチェックをしたり)
手を洗って、体重を計って、ベッドへ行く。


ベッドへいく途中に、
穿刺の進行状況をのぞき見る。


しゃべったり、ケータイをチェックしたり、
軽く柔軟体操をしてから入室すると
「待っていたよ(早く準備してね)」といわれることがある。

そういうことをしなければ、
調度、ベッドの支度ができたころにいつも順番が来る。
ほぼ、待ち時間ゼロ。



しかし、そうもいかない時がある。
スタッフの構成によっては、遅くなる。

 1.穿刺がうまくて早い人がいない。
 2.穿刺が下手なため穿刺を逃げて、
   「体調はいかが」とご用聞きに回っている人がいる。
   透析室の外へ消える場合も。。
   よって、機動力ダウンで穿刺が遅れる。
 3.世間話が長く、一人あたりの患者にかかる時間が長い。
   (穿刺に自信がないからしゃべって時間稼ぎをするのか?)
 4.要領が悪いため、一人あたりの患者にかかる時間が長い。
 5.穿刺ミスの続出

いろいろな事例が重なると、悲惨なくらい遅くなる。




この日も、穿刺まで30分から40分以上かかりそうな
穿刺の進行状況だった。

遅くなると、機械の停止時間に決まりがあるので、
透析時間がカットされることになる。

カット確定だと思った。

自分が遅く来て時間カットは仕方ないと思う。
けれど、穿刺の進行が遅くて時間カットは納得がいかない。




ようやく穿刺に来た。

しかし。。。このスタッフ、要領が悪い人。
同時進行で、仕事ができない。

嫌な予感。。。。



やっぱり。。。

丁寧過ぎるぐらいシャント音を聴いていた。

(こんなの細かく聴診器を動かす必要ってある?
 そんなに長く一か所を聴く必要がある???
 不整脈があって聞きづらいわけでもないし、
 シャント音が弱いこともないのに。。。。)

そして自動血圧計で血圧を計りながら、
コンソールにデータを打ち込む。

血圧が計り終えても、
まだ打ち込んでいる。

(使いこなせていないのか。。。。。)

そして穿刺。
静脈側は無難にさしたけれど、
動脈側を刺す時に、
針を手前向きに刺すことができないのか、
だったら、体の向きを変えればいいだけなのに、
私の右手の方に移動して刺していた。

(。。。。。。)


回路につなぐ。


つないでボタンを押すと思ったら
「温度何度にしますか?」と聞いてくる。
答えると、
透析液温度の設定を始めた。


聞くだけ聞いて
スタートしてから温度設定をすると思ったら、
なぜ今やる。
時間のないときは後回しにするべきではないか!



その後、ようやく透析開始ボタンを押す。


当然のごとく、時間カットの開始時間に。






「機械が止まる時間より終了時間があとになったので
 透析終了時間を早めます」


ブチ



「どうしてあなたが終了時間を早めることを決めるわけ?」
と聞いてみる。

「23時に機械が止まります。
 23時越える終了時間になる場合は
 終了時間を早めて23時よりも前に終えるように
 することになっています」

「それはわかるけれど、あなたが判断することなの?」

「決まりです」

「私が来るのが遅くなって透析時間がカットされるのは
 わかっているけれど、
 きちんとした時間に来たのに
 透析時間がカットされるというのはおかしい。
 病院側に非があるんだから、きちんとやってほしい。
 以前にもこういうことがあったときは、
 私が言わなくてもやってくれた。」

「そんなことはありません」

「あったといっているでしょう?
 だから、あなたに透析時間を決める権限はあるの?
 今日は上司の指示がそのように出ているの?」

「決まりですから」

「病院側に非があってもそうなるのはおかしいんじゃないの?
 それに、穿刺が遅れた時は透析時間が長い人を優先して
 穿刺をするのに今日はしていないんじゃない?」

「しています。でも遅くなりましたから透析時間をカットします」


かなり押し問答をしてスタッフは消えた。

一言「上司と相談します」も言わなかった。

この要領の悪さがすべてを物語っている。



よっぽど言いたかったけれど
「あんたが開始に来なかったら
きちんと時間内に入ったんだからね
 
は我慢した。


時間がない時はシャント音だけを確認して穿刺して、
回路につないでスタートボタンを押した後、
血圧を計って、データを入力して、透析液温度の設定をする
という機転を利かせる人もいる。


その人はそういう機転はないし、
常に同じ流れでないと動けないらしい。


その人がいるときに、穿刺の進行が遅れるのはいつものこと。



終了も「終わります」といって針を抜くまでの時間が
他のスタッフと比べて長い。

血圧計り終え、注射をいれてから、回収ボタンを押す。

回収終了ブザーが鳴ると、シャント音を聴いて、
データを入力して、それから針を抜く。


他の人は、回収ボタンを押して、
血圧を計りながら、注射をいれていく。

そして、血圧を計り終えるとシャント音を聴いて、
データを入れて行く。
回収終了のブザーとともに針を抜いて離れて行く。

一人あたりの患者にかかる時間が全くちがう。


同時進行で仕事ができないらしい。。。。。。。

この人がいると終了も遅れる



一度、管理職に愚痴ったことがある。
「同時進行で仕事を進めるように指導をしたら?」と。

しかし、無理をさせて医療事故を起こしてくれても困るということで
この人のやり方にはなにも言わないでほしいといわれたことが
あるので、ぐっとこらえているけれど、
患者の中では評判が悪い。
清潔、不潔の概念もおかしいと聞く。


だったら、その人が夜勤に入る時は
穿刺が上手な人が何人もいるときに入れるなど
考慮しないとまた穿刺が遅れるよと提言したけれど
やっぱり起きた。



後で、その日の責任者が来た。

「ごめんよ。
 穿刺ミスの続出で、穿刺が遅れているのさえ、
 気がつかなかった。
 もっと早く気がついて穿刺をすればよかったのに、
 ごめんね。
 透析時間はきちんと最後までやるから。
 彼女には『上司と相談します』というように
 いっておいたから」
といっていた。


「そういう日もあるね。
 大変だったね。」と話を合わせて
あのスタッフの段取りの悪さを愚痴ることはしなかった。
愚痴っても、本人に伝わることもないし、
へんに伝わって事故に遭いたくないし。

しても、段取りよくすることはできないだろうから。




そのあと、その日の私の受け持ちスタッフが、
ご用聞きに来た。

しかし、すごく疲れた顔をしている。

「体調悪いの?」
「穿刺でトラぶって。。。疲れました。
 どこで?●●さん?」
「いいえ、▲▲さん」
「そういうこともあるのね」

顔に出るぐらい疲れるってなに?って
思うぐらい珍しい表情だった。

それぐらい穿刺ミス続出の凄い日だったということか。



後日談、▲▲さん、
「きいて。この前、30分も待たされた挙句、
 穿刺に30分もかかったのよ。
 だから、透析が終わる時間がいつもより
 一時間もおそくなっちゃって。
 怒れちゃって怒れちゃって」とかなりのご立腹。

穿刺に30分もかかったって何それ???

「ボタンホールって、
 うまくいかなかったらもう一回チャレンジして、
 それでもうまくいかなかったら
 メンバーチェンジをするんですよね?
 そんなに何人も替わったんですか?」

「ううん。一人。
 他に替われる人がいなかったんじゃないの。」

(ひとりで30分格闘。。。
 他にできる人がいなければ必死だろうな。
 それであの疲れた顔になったんだ。。。。)


とにかくその日は、穿刺に祟られた日だったようだった。



夜勤のメンバーの力量を考慮したほうがいいよ。
穿刺の失敗を100%カバーできる人がいるようにしないと、
穿刺の進行が遅れるよ。
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