ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

告白

2010-09-15 07:06:41 | 本を読みました
映画化された「告白」です。
私は映画化されたのは知らず、
数年前、恒例の年末の「私の勧める本」の
かなりの人が「告白」を挙げていたことで、
興味を持っていました。

これが文庫本になり、
私の行っている本屋の売上一位になっていて
それで購入しました。

これは6章からなっています。
本では、
1.聖職者
2.殉職者
3.慈愛者
4.求道者
5.信奉者
6.伝道者
と表記されていますが、
実際は、
1.主人公森口のホームルームでの告白
2.学級委員が森口が去った後に起きた出来事を
  雑誌に投稿した手記
3.少年Bの母の日記
4.少年Bがみた映像
5.少年Aがホームページに書いた遺書
6.森口の電話での告白
のことです。




これからはネタばれです。
本を読みたい人、映画を見たい人はご遠慮を。






森口はシングルマザーだった。
子供の父親はHIV感染者だった。
シングルマザーの子として生きることと
HIV感染者を父親にもつことは
どちらがこどもにとって楽に生きられることか
と父親と話し合った末、
シングルマザーを選択したのだった。

また、森口の通う中学校では
男の子が事件を起こした場合は
男の先生が現場に出向き、
女の子が事件を起こした場合は
女の先生が現場に出向くことになっていた。
以前、男性教諭が女生徒に「友達が大変」といって
ラブホテルに呼び出され、それを写真に撮られた。
女生徒は先生とホテルから出る写真を、
親に見せ、親は警察に訴えると
学校に怒鳴りこんできたことがあったからだ。
そういうトラブルを避けるためにそうしている。
しかし、知らない人は
シングルマザーだから家庭を優先し、
担任なのに生徒を迎えにこない先生と思いこむ。

そして、森口は娘を託児所に預けてあるが、
職員会議のある日は、お迎え時間に間に合わないので
学校に娘を連れてきていた。


少年Bの母親は、理想の家庭でないと
子供は健全に育たないと信じていた。
だから、シングルマザーの森口をことを
きらっていたし、
自分の息子がトラブルを起こしても
男の子が問題を起こしたから出向かない森口を
「家庭優先が許せない」と軽蔑し、
また、森口の子供が事故死したことについても
「学校に子供を連れてくる方がわるい。
 この学校の生徒として事故に遭遇した
 息子たちが被害者である」とまで思っていて、
森口だから、森口の子だから事故死したと
思っていた。

同じように、事情を知らない人が
森口を軽蔑してた。
AもBもそうだった。
知っていたら状況は変わったかもしれない。


さて、本を読んだ人と語り合いたいこと
がある。
まず、森口は爆弾を移動させた。
つまり、解除できるのに解除をせず、
また、警察に通報できたのにしなかった
彼女は当然逮捕されるであろう。
知っていての復讐であろう。

森口が爆弾を仕掛けたという第3研究室。
そして、少年Aの母に会い、
少年Aは森口にしたこと、
少年Bのことを話し、
そしてホームページに書いた遺書
(母へのラブレター)を見せたといった。
森口は爆弾を本当に仕掛けたのだろうか。
もしかして、少年Aの母に手渡しで
渡したのではないかと思う。
少年Aの母であれば、
母の実力で解除することも、
爆発を先延ばしすることも
可能であったはずある。
自分でできなくても、
大学にその手の伝手もあったと思う。
しかし、息子がすでに殺人者であり、
自分に合うために事件を繰り返していることを
知った時、
生きて子供と償うことができるか。。。
ということを爆弾を前にして
それを自問自答して結果、
解除せず、爆死という道を
選んだような気がするのだ。

みなさんはどう思いますか?
爆弾を設置したか、
手渡ししたか。。。

   
  
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする