ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

やさしくできなくて

2006-04-04 23:57:05 | 身体のこと
透析の時、隣のベットは
透析歴30数年の50歳代の女性である。
透析歴も長く、前かがみでがに股で歩いている。
彼女の口癖は「足が悪いから」
でも、どのように悪いのかはわからない。
片足が悪いという感じではない。


彼女も障害者の機能回復訓練の水泳教室に通っていた。
しかし、心臓の調子が悪かったり、
手が力が入らないからプールサイドがもてないとかいって
ずっときていなかった。

しかし、今年また申し込んだという。
で、一回目の教室は休んだ。

「この前どうだった?」と聞かれた。
だから、ありのままに答えた。
「できるだけ付き添いをつけてくださいっていってたよ」と。
プールでの事故は自己責任になっている。
プールを運営する会社も市も責任を負わないことになっている。

が。。
別な市で、トランポリンの事故があった。
回転技は禁止と張り紙があるのにして、
技を行い怪我をして市を相手取って訴訟を起こした人がいた。

そういうこともあり、「責任を負わない」といっても
もしも事故になれば責任を負わなくてはならない
可能性もある。
たった3人の指導員では
30人もの人を監視するのは難しい。
それに障害の度合い等が違うため、
プールの中は自由行動。
団体で同じことをするわけでもない。
だから、できるだけ家族なりボランティアなりと
いっしょにプールに入ってほしいというのだ。
事故の可能性を回避したいのだ。

だから、しっかり25メートル泳げる。
しかし、少し両足が不自由に対しても
家族にいっしょにプールに入ってほしいと
指導員は頼んでいた。



確かに事実を伝えた。
で。。。私が何が言いたかったか。

彼女は先日、喫茶店に行こうとして
道で転んでしまったのだ。
なにもないところでも、だれても足をひねったり等で
転ぶことはあるだろう。
問題はこのあと、
転倒して一人で起き上がれなかった。
同行した女友達の手助けでも起き上がれず、
結局
通りすがりの男性に
起こしてもらったという。

これも、たまたま起き上がれなかったのでなく、
平たいところで横になると
いつも起き上がれないという


そんな状態でプールにはいっていいんかい?


プールは危険がいっぱい。
すべることもある。
また、ぶつかることもある。
私も泳いでいて首筋に空手チョップのごとく
隣で泳いでいる人の手があたり(入ったの世界)、
一瞬、沈んだことがある。

彼女がそんなことになったら、
浮いてこないではないか。
事故になること決定だ。

だから、付き添いを頼まなくていいのだろうかと
思ったのだ。


私の口からいうべきことではなかったかも知れない。
でも、まさか平たいところからもおき上がれないなんて
誰が想像するだろうか。
きっと事故が起こるまで誰も気がつかないだろう。


でも、ある意味で自分自身の今後が怖くなる。
透析歴が長くなると、いづれは自分で自分の足に
靴下を履かせることができなくなるという。
とすると、そんな体で一人暮らしは可能かとか
パートナーを今後見つけても、
そんな体になった私と一緒にいてくれるかとか。。

彼女の姿は、10年後の自分の姿として
認識しなければと思っている。
コメント (2)
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