計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

米沢牛のふんからメタンガス?

2020年10月12日 | 気になるニュース
 面白い記事を見つけました。米沢牛の「ふん」から「メタンガス」を取り出して、「発電」に活かすそうです。

「米沢牛のふんで発電 全国初の技術に脚光 山形・飯豊」(河北新報・2020-10-11)
gooニュースhttps://news.goo.ne.jp/article/kahoku/business/kahoku-01_20201011_52021

 さて、火力発電の燃料は主にLNG(天然ガス)、石油、石炭に分けられます。日本国内の主な発電方法を表にまとめてみました。



 二酸化炭素(CO2)排出量の観点で比較すると、LNGは石炭に比べて4割減、石油に比べて2割減とアドバンテージがあります。

 また、火力発電の方法(発電機の回転動力を生じる仕組み)は、大きく3種類に分類できます。蒸気タービン、ガスタービン、コンバインドサイクルです。

 (1)蒸気タービンは、お湯を沸かして得られる蒸気をタービン(鋼鉄の羽根車)にぶつけることで、タービンを回転させるものです。主に、石油や石炭を燃焼することで生じる熱でお湯を沸かします。タービンにぶつかった後の蒸気は、冷やされて水として排出されます。


 (2)ガスタービンは、外部から取り込んだ空気を圧縮して高温・高圧になった所に、燃料ガスを噴射して爆発させ、その威力でタービンを回転させるものです。この燃料はLNGです。また、爆発の際の混合ガスは1000℃以上に達するため、タービンにぶつかった後の排ガスも500℃近い高温の状態です。



 さらに、この排ガスの熱を再利用するものが(3)コンバインドサイクルです。ガスタービンから排出された高温ガスの熱を使ってお湯を沸かし、蒸気タービンを回すものです。一度の燃料投入で二段階のタービンを回転させることができるため、(単一のタービンに比べて)熱効率が向上します。


 今回、どのような発電方法に用いられるのかは判りませんが、「米沢牛」が絡んでいるだけに目が離せません。

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