計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

今度は「センター試験」寒波の襲来

2011年01月16日 | 気象情報の現場から
 冬型の気圧配置が強まって、今日が2日目となる大学入試センター試験にも開始時間の繰り下げ等の影響を与えました。最近の寒波の事例を局地レベルで見ていると、つくづく感じるのは・・・天気図上で「上空の強い寒気+冬型の気圧配置の強化」が予想されたとしても、それをもって即「雪が降る~大雪に見舞われる」と判断してはいけない、という事。冬型の気圧配置であれば、一般的には「上空の寒気+季節風進入⇒雪が降る」と考えるの妥当な所です。しかし・・・「そうは問屋を卸させない」メカニズムが働くようです。数値実験を繰り返した結果、その傾向が見えてきました。

 さて、去る13日には大学院(機械系)の教壇に立ってきました。今回の受講対象は主に、乱流や熱流体現象に関する数値シミュレーション解析を研究している大学院生の皆さんでした。機械工学と気象学と言うと、一見、関連性が無いようにも思われますが、熱と流れの物理現象と言う視点になってみると、どちらも同じ物理学の法則に立脚しているので、同じベースの上に成り立っていると言えるのです。かくいう私も元は機械工学の出身です。

 今回は、中学校の理科で学ぶ天気図のレベルから始め、その次に大気大循環と傾圧不安定、温帯低気圧に関する理論を一通り概観し、山越え気流を中心に局地気象の解析モデルの考え方を解説した後、これまで手掛けてきた数値実験の解析例を紹介していきました。最後は、気象庁における天気予報の流れと数値予報について概説し、実際の数値予報図などもを織り交ぜながら解説していきました。

 日頃から接している分野とは全く異なる領域のため、学生さんには難しかったかもしれませんが、それでも最後まで真剣に受講されていたのが印象に残っています。何はともあれ、大学院の講義も無事、終了しました・・・。

 塾の方でも、いよいよ本格的な(高校)受験シーズンです。早い人では既に、私立高校の推薦や専願で合格が内定している生徒さんも居りますが、多くの生徒さんは3月の公立高校入試に挑みます。私にとっては「正念場」が続きます。


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