計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

(一社)日本気象予報士会の講習会 2019

2019年10月19日 | CAMJ参加記録


 今日は(一社)日本気象予報士会(CAMJ)の講習会を受講してきました。今回は局地風の基本である「山越え気流」や「海陸風」などの講義、および大気の熱的状態を把握する「エマグラム」の読み取り方などの演習を行いました。

 さて、「山越え気流」については、所々で見聞きした図や用語が登場してきました。私の熱流体数値モデル(LES)も「山越え気流」の古典的な解析モデルをベースとしているため、2次元山越え気流のシミュレーションに取り組んでいた当時のことを懐かしく思い出しました。もう十数年も前のことになります。

 また、「エマグラム」は最近ご無沙汰になっております。これは大気の熱力学的な状態を図上でシミュレートできるので、熱力学的な考察を行う上でも重要なツールです。データを基に、自分で手を動かすのはとても勉強になります(しかし、時間も掛かる)。実際の現場では、スーパーコンピューターが計算した格子点値(GPV)やそれに基づく量的予報ガイダンスという専門資料・数値データを使うことが多いです。

 気象予報士に限らず「資格」と言うのは、資格を取得するまでの勉強内容(カリキュラム)はある程度、決まっているものです。しかし、いざ合格した後に何をどのように深めていくのかは、人それぞれです。合格するまでに勉強した内容を「共通のベース」としながらも、そこからどのように発展して行くのかが重要になってきます。

 私の場合は、CAMJの講習会・会報や気象学会の機関誌などを通してのインプット、そして研究成果の発表や討論を通してのアウトプットやディスカッションが重要な学びの機会となっています。今後とも、このように日常業務から離れた形での勉強の機会(Off The Job Training)を見つけて参加したいと思っています。
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