計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

これが自然の厳しさと言うものか・・・

2019年07月12日 | ツバメの観察日記
 予報センター(事務所)の外壁にツバメが巣を作りました・・・の第8回目です。おそらく、これが一先ず「最終回」となるでしょう。

第1回(05月27日)では、1羽のオスのツバメが巣を作り、メスにアピールするまでの展開
第2回(05月31日)では、2羽のツバメが「つがい」となって、共同生活を営む様子
第3回(06月07日)では、ツバメが抱卵を始めた(と思われる)様子
第4回(06月14日)では、ツバメが抱卵を続けている(と思われる)様子
第5回(06月21日)では、引き続き、ツバメが抱卵を続けている(と思われる)様子
第6回(06月28日)では、ようやく卵から雛が孵り、ツバメが幼雛に餌を与える様子
第7回(07月05日)では、ツバメの雛が顔を出す様子

をご紹介しました。

7月8日(月)

 この日の朝、出勤してツバメの巣を見ると、巣の周りは静まり返っていました。雛たちもそろそろ毛が生え揃ってきた頃です。もう少し賑やかになるかと思っていたのですが・・・



 そういえば、親ツバメが餌付けに来る様子もありません。お腹を空かせた雛が首を伸ばす様子も見られません。全く声がありません。巣をよく見ると、少し形が崩れているような・・・

 ・・・その時、1羽のツバメの声がしました。チュピ・・・チュピ・・・

 そして、久しぶりに仕切りの角に止まりました。それにしてもおかしい・・・いつもなら真っ先に巣に立ち寄って雛たちに餌を与える筈なのに・・・



 ツバメさんは鳴きました。
 チュピチュピチュピチュピ・・・チュピチュピチュピチュピ、ジ~~~

 これは周囲の雄への警戒や雌への求愛の鳴き方のようです。周囲に他のツバメの姿は無かったので、どこかにいるであろう「雌への求愛行動」と思われます。

 その時、全てを悟りました。私の知らない間に巣が外敵に襲われたのでしょう。残された雄のツバメはもう一度パートナーを見つけて、一からやり直そうとしているのかも知れません。

 ツバメは1年に2回繁殖するとも言われています。まだ、チャンスが残されているということでしょうか。しかし、つがいになってから雛が孵るまで約1か月・・・もし、再び雛が孵るとしても、その時は真夏の日射しが照り付けることでしょう。


7月9日(火)

 この日も、巣の周りは静かでした。

 ふと、ツバメの声が聞こえました。ピィッ!・・・ピィッ!・・・ピィッ!・・・危険を伝える鳴き声の様です。

 1羽のツバメが辺りをグルグルと飛び回り、その後一瞬ですが大きな黒い鳥・カラスが巣に接近してきました。

 カラスが去って暫くすると、チュピ・・・チュピ・・・と声がして、仕切りの角を見ると1羽のツバメさんが止まっていました。



 チュピチュピチュピチュピ・・・チュピチュピチュピチュピ、ジ~~~

 大声で鳴いた後、次なるパートナーを求めて、梅雨空に飛び立って行きました。


7月10日(水)

 この日の朝も、空になったツバメの巣がひっそりと残されていました。



 そして、ツバメの飛ぶ姿を見ることもありませんでした。いつもの仕切りの角に止まることもありませんでした。




7月12日(金)

 あれからも姿は見えないものの、時々ツバメの声がします。まだ、この辺りをグルグル回っているようです。あとは、残された壁の巣をどうするか・・・それが悩み所です。


 今頃はどこかで新たなパートナーを見つけ、新たな場所でやり直しているのかも知れません。

 生まれたからと言って、必ずしも大人に成長できるとは限らない中で、しっかりと生き延びて繁殖するまでに至っただけでも、あのツバメさんは凄い強運の持ち主です。

 今度こそ、雛の巣立たせることができますように・・・


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