計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

梅雨明けした途端・・・暑い。

2023年07月26日 | 気象情報の現場から
 7月20日頃から厳しい暑さが続いております。当地も「北陸地方の梅雨明け」発表直後から連日のように「真夏日」が続いております。水道の蛇口を捻っても、出てくるのは「水」ではなく「お湯」といった有様です。この背景を図に描いてみました。


 フィリピン付近の活発な対流や台風5号に伴う上層発散場が、日本付近の偏西風を押し上げているようです。この結果、日本付近ではリッジ位相が顕著となり、太平洋高気圧が強められると考えられます。また、台風は高気圧の縁辺を北上しており、互いに影響を及ぼし合っています。

 さらに、台風は顕著な「上昇気流」です。対流圏界面付近まで達すると、以降は水平に広がり(発散)やがて「下降気流」に転じます。この「下降気流」が太平洋高気圧の勢力を強める働きをします。下降気流に伴って空気が「断熱圧縮」されるのに伴い、その温度は上昇します。つまり、「暑さ」が増すのです。

 適度な冷房の使用や、水分・塩分の補給を心掛けるなど、熱中症の予防を心掛けて下さい。
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