股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

皮膚を売った男

2021年11月02日 17時36分27秒 | 映画評論ハ行

製作年:2020年
製作国:チュニジア/フランス/ベルギー/スウェーデン/ドイツ/カタール/サウジアラビア
日本公開:2021年11月12日
監督:カウテール・ベン・ハニア
出演:ヤヤ・マヘイニ,ディア・リアン,ケーン・デ・ボーウ
映画『皮膚を売った男』オフィシャルサイト

難民の男性サム(ヤヤ・マヘイニ)は、偶然出会った現代アートの巨匠から意外なオファーを持ちかけられる。それは大金と自由を手に入れる代わりに、背中にタトゥーを施し彼自身がアート作品になるというものだった。展覧会の度に世界を行き来できると考えた彼は、国境を越え離れ離れになっていた恋人に会うためオファーを受ける。アート作品として美術館に展示され、高額で取引される身となったサムは、やがて精神に異常をきたし始める。
自由を求めて自らがアート作品となる契約を交わした男の運命を描き、第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた人間ドラマ。チュニジアのカウテール・ベン・ハニア監督が、理不尽な世界のありようをあぶり出す。主演のヤヤ・マヘイニは本作で第77回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で最優秀男優賞を獲得。そのほか『Uボート:235 潜水艦強奪作戦』などのケーン・デ・ボーウ、『オン・ザ・ミルキー・ロード』などのモニカ・ベルッチらが出演する。

Filmarksさんのオンライン試写会で鑑賞。難民の男性が自由を手に入れるために自らがアート作品となる契約を交わした物語。ゾッとするようなタイトル。大金と自由を手に入れるのは、そう簡単なことではない。主人公のサムの背中に描かれたタトゥーは希望の光が見えてくる一方で、周囲からの心無い言葉によって傷付けられていく。難民としてサムが経験してきた苦しみや悲しみが、背中から伝わってくるようでした。難民問題、移民問題、人間の尊厳、自由とは何か…難しいテーマではあるけれど、この映画では芸術というフィルターを通して描かれているので、共感しやすいし、シリアの現状についてとても勉強になりました。芸術作品として世界を行き来できるし、周囲から注目される。しかし見世物になってしまうことで自由と引き換えに失ったものもある。どちらを取るかで人生は一変してしまう恐ろしさを感じました。そしてまさかの結末。まさにアートな終わり方でした。

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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