製作年:2022年
製作国:韓国
日本公開:2022年1月21日
監督:ホン・ウィジョン
出演:ユ・アイン,ユ・ジェミョン,ムン・スンア,イム・ガンソン
鶏卵販売をしながら犯罪組織からの下請け仕事で生計を立てる、口の利けない青年テイン(ユ・アイン)と相棒のチャンボク(ユ・ジェミョン)。ある日、組織のヨンソクに依頼され、身代金目当てで誘拐された11歳の少女チョヒ(ムン・スンア)を1日だけ預かることになる。しかしヨンソクが組織に殺害されたことで、二人は図らずも誘拐事件に巻き込まれてしまう。そしてテインとチャンボク、チョヒによる疑似家族のような生活が始まるが、チョヒの両親から身代金が支払われる気配はなかった。
貧しさゆえ闇の仕事を請け負う二人の男が、誘拐された少女を預かったことで予期せぬ事態に巻き込まれるクライムサスペンス。裏稼業に手を染める男たちと、裕福な家庭に育ちながらも家族に冷遇される少女が織り成すドラマは、韓国の青龍賞で主演男優賞と新人監督賞を受賞するなど数々の映画賞で高い評価を得た。監督・脚本はホン・ウィジョン。口の利けない青年を『バーニング 劇場版』などのユ・アイン、彼の相棒を『ブリング・ミー・ホーム 尋ね人』などのユ・ジェミョンが演じる。
貧困生活を送る男と、誘拐された少女の奇妙な生活を描いたクライムサスペンス。声の出せない青年テインと、人を信じられなくなった少女チョヒ。出会うはずのなかった2人が疑似家族状態で過ごす日々。裏社会、死体処理、男尊女卑、誘拐…。重いテーマが詰まっているもののコミカルなシーンもありつつ、サスペンス要素もありつつ、家族とは何か考えさせられるところあり、色々な視点で観ることができる重厚な作品でした。血の繋がりよりも、誰とどこで同じ時間を共にしたいか…。声がなくとも人と人とは心で通じ合えるものだと感じました。誘拐犯や警察の話が回収されてはいないものの、テインの心が少しだけ救われたように見えて、終わり方はなんとも言えない心地よさがありました。
ユ・アインの台詞が無くとも繊細が伝わる演技が見事でした。
この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)