風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

ケーナ・サンボーニアプロ来訪

2014-12-21 | パンフルート界の交流

昨日南米ボリビアの方が当パンフルート工房に来訪されて楽器の調律について確認に来られました。

   

 この方は日系三世でプロバンドメンバーとして20年前に来日、その後マツダ関係の仕事につきながら広島で演奏

 活動をされているそうです。

 良い調律の楽器が手に入りにくいので「パンフルート作りの技術でぜひ南米楽器の製作を」と懇願されました。

昨日は工房内の物が散乱しているため「もし見学者が来られたときこれでは困るな」と感じ午前中清掃・片付けを行な

いました。

するとこの予感が的中し午後来訪者がありました。

この方は南米楽器の演奏者で「最近本国から取り寄せた楽器数点の音のバランスが良くない。パンフルート工房の調律

技術でもって調律し直すことはできないだろうか。」と8点ぐらいの楽器を持ち込まれました。

パンフルート工房手持ちの「チューナー」を使ってこの演奏者の出す音を計測いたしましたが、言われる通り音程は

狂っていました。

サンボーニアの方は全体として高めで442サイクルで注文したにもかかわらず455サイクルであったりとかして

いました。この楽器の底部分は竹の節を利用して塞いであるもので中には詰め物など一切入っていません。

ただ底からの長さのみで音程をとっているようです。

音程が低めであればミツロウを詰めて上げることはできるのですが、このように高い場合は管を継ぎ足すしか方法は

なく「調整は不可能である」と伝えました。 

   

風の音パンフルート製作工房では自然とともにパンフルート作りを行なっております。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは082-894-0854またはpanflute3@yahoo.co.jpまでどうぞ。


最終決定・組み立てへ

2014-12-19 | パンフルート作り

パンフルート管の選別での最終決定は、組み立て記録ノートに記帳することで確定させます。

   

 記帳することで数字として全体のバランスを計ります。     確定した管の並びで組み立てを始めました。

組み立て作業の第一歩は組み立て記録台帳に歌口の寸法を記録することから始まります。

ここで管の並びを最終決定いたします。

記帳する内容は各音程管ごとに内径・外径を計りパイプ部分の肉厚を割り出します。

パンフルートの音のバランスを決定づける最大の要素はこの肉厚の推移にあるので、前後関係の崩れがないように

注意深く計測・記帳します。

ここで乱れが見つかれば内径や外径を削り直したりしますが、調整不可能な時は差し替えます。 

   

風の音パンフルート製作工房では自然の素材をいかして音作りを行なっています。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanflute3@yahoo.co.jpまでどうぞ。 


管の選別最終チェック

2014-12-17 | パンフルート作り

パンフルート製作工程では素材の準備の善し悪しが音に影響を及ぼすので決して先を急いではなりません。

   

 パンフルートに組み立てる前に順に並べ歌口径をチェック。 中央の管の肉厚が薄いので厚めの管と差し掛えます。

パンフルートは22の管(標準アルトタイプ)を並べて組み立て、1台の楽器として成立します。

私は一つ一つの管は独立した楽器だと考えていまして、一つの管は一つの音を担当いたします。

この集合体の音のバランスを考える時、管の並びの内径と肉厚の統一性が重要な要素となります。

一旦組み立ててしまうと取り替えは不可能ですので、組み立てる直前のこの時期に最終チェックをおこないます。

違和感があれば躊躇なく管を差し替えます。

   

 広島は2日続けて雪の朝となりました。交通機関も大混乱しています。

風の音パンフルート製作工房では自然の素材を生かしたパンフルート作りを行なっております。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanflute3@yahoo.co.jpまでどうぞ。


右流れパンフルートの製作

2014-12-15 | パンフルート作り

右手が不自由で左手で支えるしかない方のためのパンフルート「右流れパンフルート」の製作準備を進めています。

   

 パンフルート管の内側を丁寧に仕上げ、下ごしらえをした管を右流れパンフルートに組み立てて行きます。

私たちが普段使っている「ヨーロッパ型」のパンフルートは管の並びが低音が右方向にあり、右手で管を支えて楽器を

安定させます。

こうするとピアノとかハーモニカの音の配列とは逆となるので、違和感を感じられる方がいるのも事実です。

また今回のように体力的事情で左手で楽器を支えるしかない方もおられます。

当パンフルート工房では今まで100%ヨーロッパ型の「左流れ」パンフルートを製作してまいりましたが、要望が

ある以上逆流れの「右流れ」パンフルートも製作するよう治具を作り直し準備してきました。

「どちらに正当性がある」とか言い張っても仕方ないことなので、要望があれば答えるようにしていきます。 

   

風の音パンフルート製作工房では自然の素材を生かしたパンフルート作りをすすめています。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanflute3@yahoo.co.jpまでどうぞ。 


修理品塗装

2014-12-13 | パンフルートの修理

依頼されている「管の割れ」修理品パンフルートは塗装仕上げ工程に入ります。

   

 中央部のみを塗装するよう養生をいたします。

   

 塗装完了のパンフルート。管に割れを合わせたスジが残りますが、音優先で外観は我慢していただきます。

   

 雪のパンフルート工房朝。この地区にも初雪が降りました。

風の音パンフルート工房ではパンフルート製作・販売を行なっておりますが、修理品も受け付けいたします。

お問い合わせは080-5235-7664または香原 良彦 <panflute3@yahoo.co.jp>までどうぞ。