山椒の実

2014-10-16 07:19:11 | タナカ君的日常
 黒く輝く山椒の実、 寄せ集めてブローチでも作ったら、「名前を知らない黒い宝石で作った高価な品」 そんな風に思えそう。 ところで、この小さな黒い粒粒ですが、関西方面では春先に採れる小魚のキビナゴを材料にして作られる「釘煮」と呼ぶ佃煮みたいな物があって、 釘煮には仄かに山椒の香りがして、この黒い粒粒も一緒に炊き込まれているのです。

 昔から僕は、 山椒の粉の原料は山椒の実を擂り潰して作っているものと思い込んでいて、 熟した山椒の実が有ったら、いつか採ってみようと想っていたました。 そして先日の安曇野生活の中で、赤みがかった薄皮をまとった山椒の実に出くわし、 写真の様に少量ですが採取して来ました。

 その採取して来た山椒、 昨日の夕食時に赤い薄皮を取り除いた黒い実の一粒だけを摘んで口に放り込み、噛み砕いて味わってみました。 「ところがなんと? 山椒の香りがほとんどしません」。 「うん?!」と想いながら 「この実、全然山椒の香りがしねえよ」と呟いたら、 妻が「もしかしたら、 実の廻りの赤い皮が・・・」と言うものだから、 それを口にしてみました。 

 なるほど、 赤い山椒の実の薄皮の小片を口の中で、一噛みした途端に僕の口の中だけに留まらず、 同じ食卓に向かって座っていた妻に届くほど、山椒の香りが広がりました。
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