「ソロスは警告する」を読む

2009-11-22 21:33:54 | タナカ君的日常
 「ソロスは警告する:講談社刊」という日本では去年の9月1日付けで発行された本を一日中読んでいた。 本の内容は成功した投資家として著名なジョージ・ソロス氏がアメリカのサブプライムローンやCDSに起因する金融市場の大混乱を警告するもので、この本は米国では2008年の春先には発行されていたようです。 この本で警告されているような経済的混乱の危険性を察知して行動すべき金融機関そのものが、貧乏人に貸し付けたローン債権を寄せ集めた証券や訳のわからんCDS取引などに資金を投じ、実際に莫大な損害をこうむるのだが。 この本が出版された後の2008年の7月頃でも日本の新聞には「日本の金融機関は米国やヨーロッパ系金融機関と比較してそのような取引の扱い高が少ないから悪影響は軽微だろう」との解説記事を載せ、日経平均株価も1万3千円台をキープしていました。 しかし結局日本の株式市場でも9月からは大暴落が始まり7千円を割り込むことになってしまう。 つまり世の中は本物の情報があったとしても、それに気付き適切に対処する事は殆どの人には出来ないって事なんでしょうね。 僕自身が日本語訳の本書を2008年春の段階で読めたと仮定して、夏までに株を売る方向で行動出来たか自問しつつ読み進みましたが、「多分出来なかっただろうな・・・」が感想です。 

 僕が日経平均1万8千円ほどのピークから7千円台への下落の過程で被害を受けづに済んだのは、 日経平均が上昇しつつある1万3千円あたりで60歳の定年を迎えていたので、 資金運用に慎重さを増して、大半を株式市場から引き出してあった。 つまり家の中にいたから自動車事故に遭わなかった・・・みたいな話です。 だから逆に、1万8千円に駆け上る過程での「濡れ手で粟の大もうけ」時代の波にも乗れなかったのですけれど。 それまで悔やんでもしかたないでしょう。 今無事で居られる事を喜びましょう。
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