おねえちゃんの独り言

「おねえちゃんの独り言」のブログ版
(・・・って、そのまんまだけど)

誕生

2007-12-10 08:37:45 | Weblog
 日本でも同様らしいが、アメリカでも出産準備の1つに「出産の時の様子をイメージしてみる」というイメージトレーニング(?)がある。しかし過去に経験がないもの、イメージのしようがない。陣痛がどんなものかですら想像できない。経験者に聞いても「なんとも言えない痛み」という答えしか返ってこない。陣痛に気づかなくて寝てる間に産まれちゃったらどうしよう?と言うと、皆「それは絶対にあり得ない」と言うので、相当痛いことに間違いはなさそうだ。しかし依然として「自分が出産するイメージ」なんて、とんと湧いてこない。
 昔、定期検診かなにかの折りに産婦人科の医者から「するっと産んじゃうタイプかもしれないですね〜♪」と言われたことがある。そんなこともあり、私の出産イメージは「なんの苦労もなく実にあっさり速攻でするっと生まれてくる」という、実に楽天的なものに落ち着いてしまった。助産婦やDoulaに「何か不安や心配はあるか」と聞かれる度に、「なぁ〜〜〜んにも」と答える能天気ぶり。

 さて、前回の続きである。11月19日朝7時半頃だったか、助産婦チームも到着し、もういつ産んでもOKな状態になった。私の予想(というか、勝手な希望)では、ここから30分とか1時間で実にあっさりと産み終わっているハズだったのだが・・・これがまたなかなか、そうは問屋が卸さない・・・
 陣痛の痛みは、少し前にフジテレビの西山アナが「尋常じゃない痛み」とコメントしていたのをスポーツ紙のサイトで読んでいたが、まさにその通り。腰が砕けるような、とでも言えばいいか。こんなに痛いということからして予想外。自分は痛みに強い自信があったし、無痛分娩を選ぶヤツらのことを「なんて軟弱な」と思っていた。しかしこれだけ痛い時に「無痛分娩もありますけど、どうします〜?」と聞かれたら、つい「お願いします」と言ってしまう気持ちも分かる。(無痛分娩に関しては、副作用の話をかなり聞くので、例え選べたとしても選ばなかったと思うけど)
 陣痛が始まったのが深夜1時過ぎだったから、もちろん徹夜明け。陣痛の合間には強烈な睡魔に襲われ、何度も意識が遠のいてビニールプールに沈みかける。時々、「まだかよぉ〜?!」「予定と違うぞ!」などと思いながら時計に目をやる。
 もちろん、すべてのものには終わりがある。どんなに大変な時も、いずれは終わる。ようやく我が子が水の中に出てきた時には、パパは感動でウルウル、ママはやっと重労働から解放された安堵で感動どころじゃない、という、実にありがちなパターン。そして一呼吸おいてから、まず性別を確認。ダンナはどうしても女の子がほしくて、妊娠前から女の子の名前だけ決めていた。妊娠中もお腹に向かい、ずっと女の子の名前で呼びかけてきた。希望通り女の子だったことが分かり、ほっとひと安心。というか、男だったら名前を考えるところから始めなければならず、大変だったかも。
 次に我が子の顔をしみじみと確認。まだ全身がふやけて白っぽく、唇だけがやたらと赤い。はれぼったいまぶたに、ダンナも私も超くっきり二重まぶたなのに、どうしてこの子は一重なんだろう???などと、誕生直後に考えることかい?!というようなことを疲れた頭で漠然と考える(後に、まぶたのはれぼったさは徐々にひき、あるかないか分からなかったまつ毛も生後2週間ぐらいではっきり分かるようになり、少しずつ二重っぽくなってきた)。しかし助産婦が赤ちゃんを私の体の上に置き、初めて我が子を自分の手で抱いた瞬間、小さな命はびっくりするほど力強くおっぱいに吸い付いた。見ていた出産のプロたちが驚くほど、産まれた直後だというのにいきなり上手に吸い付いたのである。生命力が強そうな子だなぁ〜と思うと同時に、急に愛おしさが止めどなく湧いてきた。どんなことがあってもこの子を守らなくては!という母性が芽生えた瞬間であった。
(続く)
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