右が亡くなったツネティ、左はアルト(10月29日撮影)
モルモットが死んだ。
モルモットを飼い始めて約10年。これまでにも何匹かのモルモットを見送ってきた。もちろんどのモルモットも可愛いし大好きだけれど、でも今日死んだモルはどのモルよりもお気に入りで大好きでかわいがってきた子だった。
母の誕生日に生まれたので、母の名前の一部を取って名付けたため、ツネティという変わった名前になった。私は何故かこの子が大好きで大好きで可愛くて可愛くて、いつもいつも抱っこしながら「大~好き」「長生きしてね」と声をかけていた。ほんの1ヶ月前に、6才のお誕生日祝いをしたばかりだった。そのときは、何も問題なく元気だった。モルは残暑が厳しい9月に亡くなることが多いので、今年も無事に残暑を乗り切って一安心と思っていたのに。
この時はまったくもって元気だった
みんなでお誕生日の記念撮影
ところが10日ほど前から急に元気がなくなった。どんどん痩せて小さくなってしまった。
一緒のケージで飼っているアルトは、元気がなくなったツネティに感心するほど寄り添っていた。ケージは広いしイグルーも2つあるのに、ツネティの元気がなくなってからは一緒のイグルーにギシギシ入っていることが多かった。
自分で毛繕いする元気がなくなったツネティを、アルトは一生懸命なめて綺麗にしてあげていた。
上の写真とは別の日、この日もくっついてギシギシ
干し草を食べる元気がなくなってしまったツネティのために、ここ数日は近所の公園でタンポポを摘んできてあげていた。昨日までタンポポは、喜んでよく食べてくれていた。でも今日は、タンポポもあまり食べなかった。
今日の昼頃
一緒に入っていたイグルーを持ち上げたら、こんな感じにくっついていた
すっかり小さくなってしまったツネティが悲しい
夕食後の7時頃、ケージを覗いたら、ツネティは横向きに伸びてほとんど動けなくなっていた。それからずっと、ひざ(正確には太ももだけど)に抱いて、「大好き」と声をかけたり優しくなでたり前足を軽く握ったりしていた。
最後のお別れに、と、アルトを抱き上げてツネティの横に置いたら、アルトはツネティの顔をなめた後、悲しそうに人間の顔を見つめた。
最期のお別れ
それから約2時間、ずっとツネティを抱いていた。体はほとんど動かないけれど、時々前足や顔を動かしたり、小さな鳴き声を出したりしていた。家族は寝室に引き上げ、自分もとりあえず歯を磨いてからまた抱っこしようと、ツネティを椅子の上に寝かせた。
歯を磨いて、ついでにテーブルを軽く片付けてトイレも行って、一晩中でも抱っこしていてあげるつもりの準備をしたハズだった。5分もツネティを一人にしていなかったと思う。
それなのに。それなのに、急いで椅子から抱き上げた時には、ツネティはすでに動かなくなっていた。
それまで2時間ずっと抱いていたのに、ほんの5分、離れた隙に亡くなってしまった。大声で泣きわめきたかった。
信じられなくて、しばらく抱っこして前足を握ったりなでたり声をかけたりしてみたけれど、やはりツネティは、ほんの5分、目を離した隙に亡くなっていた。発狂しそうになった。
私の人生、こんなんばっか!!!
小学生の頃、いろいろな生き物を飼っていたけれど、中でも一番のお気に入りだったのは7才の誕生日に買ってもらったセキセイインコだった。たぶん長生きしたほうで、約11年間飼っていた。高校生になった私は、いろいろと忙しくなり、家にいる時間も少なくなった。このインコは亡くなる数日前から、家に帰ってきた私にいつになくかまってほしそうにしていた。それなのに私は、冷たくはしなかったものの、大して遊んであげもしなかった。亡くなった日は友達と学校帰りに映画(しかも、よりによって「食人族」というエログロC級映画)を観て、帰りが遅くなってしまった。帰宅してインコが亡くなったことを知り、号泣した。1週間ぐらい、家で起きている間はほとんど泣いていた。当時、親が死んでもこんなに泣かないと自分で思ったが、実際に親が死んだ時でもあれほどは泣かなかった。
その母は、3年半ぶりに子連れで日本に行って会う直前に孤独死してしまった。何で3年半も会わなかったかって、ぶっちゃけ、最後に日本に行った時に喧嘩別れしたからである。それが母に会った最後だ。最悪である。
父の時は、わざわざ看取りに日本まで行ったものの、まさに亡くなるその瞬間に私は、父の顔も見ずに電話をしていた。入院していた病院から、いよいよ危ないと連絡を受けた父の主治医が、私の携帯に電話をかけてきたせいだ。そんなタイミングで電話する主治医も主治医なら、電話に出る私も私だ。せっかくアメリカから看取りに行ったくせに、最期ぐらい手でも握って「お疲れ様でした」の一言ぐらい言えなかったのか。
そんなことをつらつら考えながら、今度こそ、今度こそ、絶対に失敗しない!!!と、今度こそ後悔のない看取りをするのだと、そう思いながらツネティを抱っこしていた。2時間、今度こそと思いながら抱っこして「大好き」と何度もささやいて前足を握り体をなでていたのに、ほんの5分、たった5分、目を離した隙にツネティは亡くなってしまった。
こんなんばっかだよ!!! マジに発狂しそうである。