おねえちゃんの独り言

「おねえちゃんの独り言」のブログ版
(・・・って、そのまんまだけど)

死ぬということ

2018-09-20 22:45:30 | Weblog
 人間、誰でもいつかは死ぬ。その前に、年も取る。すべて不可逆で、どうしようもない。
 父がお世話になっている有料老人ホームに付属の診療所から、父が入院したとの連絡があった。入院自体はこれまでも時々していたが、今回はかなり危なそうな感じである。平たく言えば、「覚悟はしておいてね」という連絡である。
 父は実に20年以上も人工透析を受けている。そんな人がいるのかどうか、ギネスに最も長期間人工透析を受けた人、なんて項目があるのなら、どのぐらい長期間人工透析を続けることができるのか知りたいところだが、まあ一般的には透析開始から10年前後で亡くなると言われている。20年も続けるなんてこと、想定されていないから、シャントと呼ばれる透析時に針を刺す血管だってダメになってくるに決まっている。なのでこれまでも何度か、シャントの閉塞などで入院してきた。
 シャントが閉塞しても、入院して首から透析したりでしのいできたようだが、前回、日本に行った際に貧血もひどいという話を担当医からされた。その後、「骨髄異形成症候群」なる病名の連絡も受けたが、要は輸血などでだましだまし、しのぐしかない状態である。
 そして今回は、輸血しながらの透析中に血圧が非常に下がってきた。この状態が続くようだと、透析自体を続けられない。透析を停止して生命を維持できるのは、せいぜい1週間である・・・という連絡だ。
 透析はもうやりません、という連絡を受け取って翌日の飛行機で日本に向かえば、2~3日後には面会できる。まあ、死に目に会える確率が高いということだ。
 死に目に会えないよりは会えたほうがいいに決まってはいるのだが、これがまた、いろいろと複雑な心境である。
 幼い頃は本当に「おばあちゃん子」だったのに、2016年は祖母の死に目に会えなかった。この時は祖母本人が死期を悟って母を呼び、母が看取ってくれたからまだいい。
 2017年には、さんざん世話になった母に、死後数日経ってから発見されるというひどい死に方をさせてしまった。私がようやく面会できたのなんて、亡くなってから一体何日経った後だったことか・・・。しかも、わずか3週間後には、子ども連れて会いに行くところだったのに・・・。
 でもって、昔からあまり世話になった気もしないし、特に好きでもなかったし、そもそも小学校高学年ぐらいから一緒に住んですらいなかった父は、超優良有料老人ホームで至れり尽くせりの看護を受けた挙げ句に入院させてもらい、一人娘(私)がちゃんと看取ってあげる。・・・なんか人生って本当に不公平にできてるよね。
 天上で母が怒っていそうで、なんだか怖いです・・・。
 さらに言えば、母と仲が悪かった母の弟夫婦とも、母の死をきっかけに約四半世紀ぶりに再会して交流が復活し、日本に行く度に子連れで一緒に観光したりしていることに対しては、天上の母が激高していそうな気がして激しい罪悪感まで覚えてしまう。
 実のところ、母もかなり極端な性格の人だったから、再会して交流してみれば、嫌っていたのは母のほうからだけで、弟のほうは特に悪意もなかったのかもしれないなぁ~などと思ってみたり。そして、そんな風に思ってしまったこと自体が母の逆鱗に触れそうで恐ろしかったりして・・・(亡くなった後まで、こんなに気を遣ってるんです。そういう母子関係だったんです、ハイ)。
 もちろん今となっては、父に対して特に悪い感情もないというか、あんなに傲慢で肉体も頭脳も自信満々だった男がすっかり縮んじゃってひたすら黙して残りの人生をやり過ごしている様子がただただ気の毒なのだ。昔は、父が死んだって涙一つ流さないし、看取りにも行かないと思っていたのにね(そもそも、母より父が先に亡くなることが大前提だったし)。
 そして今の状態である。担当医からの連絡によると、会話はしっかりしていて入院の際も自分で同意したそうである。10年ほど前に会った時には、透析に関して細かく調べて飲食していいもの悪い物は完璧に把握しているから、10年以上透析していてもこんなに元気なのだと自慢していた。透析を停止したらどうなるかも、もちろん自分でよく分かるわけだ。
 透析をしなくなった、じゃ自分は1週間以内に死ぬんだ・・・って、分かっちゃうんだ。それって、家族じゃなくても、一般的に考えて結構きつい話だよね。
 ・・・などなど、とりとめのないことを延々と考えたり、現実問題として自分は何日間日本に滞在する予定で航空券を買えばいいのか?!とか、子どもの学校や習い事の心配したり、各種手続きのことを考えたり、10月8日と9日はどうしてもアメリカにいなければならない用事があるんだけど被ったらどうしよう?!とか、あれやこれやで心ここにあらず。本を読んでもテレビを見ても、今ひとつ頭に入らない今日この頃なのである・・・。
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