おねえちゃんの独り言

「おねえちゃんの独り言」のブログ版
(・・・って、そのまんまだけど)

郵便局

2009-06-21 15:30:44 | Weblog
 私が1993年に渡米したばかりの頃、郵便局のサービスは本当にひどかった。発送に行ったにしろ、不在郵便物の受け取りに行ったにしろ、郵便局に行って腹が立たないことのほうが珍しかった。周りのアメリカ人も「郵便局やDMV(運転免許センターと陸運事務局を併せたようなところ)に行くと、いつも腹が立つ」と言っていたので、私が日本の「超サービス」に慣れていたから腹が立った、という訳でもなかった。
 今思い出してみると、郵便局やDMVに限らず、宅配業者にしても電話やガス、電気などの公共サービスにしても、当時のアメリカのサービスというのは本当にひどかった。文句を言わなければならない状況が頻発するのに、苦情電話をかければ延々と流れる保留音や部署たらい回しで、平気で1時間も2時間も待たされる。よく社会主義国にはサービスがないと言われていたが、資本主義の象徴のようなアメリカにもサービスなんてまったくなかった。
 その頃と比べると、近年はアメリカのサービスもマシにはなってきた。苦情電話をかけて何時間も待たされることはなくなったようだし(コールセンターを海外にオフショアソーシングしてるお陰?)、そもそも苦情電話をかけなければならない場面も当時と比べて激減した。
 それでも、もちろん腹が立つことはある。郵便局の窓口で腹が立つのは、行く郵便局を変えるとか、ムカつく局員の窓口を(列の順番を譲ったり、無理してでも)避けるとか、なんとかできる。しかし配達のこととなると、こちらではどうにもできない。本当に困るのである・・・
 うちのアパートに頻繁に配達に来る郵便局員は、非常に仕事が速くてまともだ。個別の郵便受けに入らない大きな荷物は、必ず各部屋の前まで持ってきてくれるし、感じもいい。おそらく7割方は、このまともな局員(以降、A局員と書きます)が配達してくれるのだが、問題は残りの3割の日だ。A局員が休み、もしくは他のエリアを担当している3割の日々に配達に来る局員は、分かっているだけでも3人いるが、どいつも非常に鈍くさい。鈍くさいだけならまだしも怠慢でもあるので、郵便受けに入らない荷物を部屋の前まで持って来ないで、郵便受け付近に放置して行ったりする。・・・ここまではまだ許そう。
 しかし、だ。受取人のサインが必要な郵便物を、部屋まで持って来ないヤツがいる! 持って来ないどころか、アパートの玄関にインターフォンがあるにもかかわらず、インターフォンから呼びもせずに勝手に不在者票を書いて置いていくのである! 朝からずーっと部屋にいたにもかかわらず、昼過ぎに郵便受けを見に行くと不在者票が入っている。本当にムカつく。
 こういうふざけたことをするのが、A局員以外の全員なのか、誰か1人なのかは分からない。しかし、こうしたことはこれまでに何回かあった。郵便局に文句を言おうかとも考えたが、犯人が特定できていないので、A局員に濡れ衣を着せることになってしまったらと思うと躊躇してしまう。そんなわけで、結局文句も言えず、「なんで?!」と思いながらも仕方なく郵便局の窓口まで不在者票を持って荷物を受け取りに行く羽目に陥る。
 先日もこうしたことがあった。翌日また配達に来るだろう、と放っておいたら、翌日もまたふざけた局員が配達に来たようで、翌日も朝から部屋にいたにもかかわらず不在者票が郵便受けに入っていた。さすがに腹が立ち、郵便局で責任者を呼びだして文句を言おうかと考えた。A局員に濡れ衣を着せることだけは避けたいので、きちんと状況を説明した苦情の手紙を書こうかとも考えた。
 ・・・いろいろ考えたけど、結局なにもしなかった。内心、発送した人間は家まできちんと届ける分の郵便料金を払っているのに、どうして私がバカみたいにガソリン代と時間を浪費して取りに行かなきゃならんのだ?!と煮えくりかえりながらも、結局黙って窓口で不在者票を出し、何事もなかったように荷物を受け取って帰ってきた。
 どんなに丁寧に状況を説明して、A局員の外見も説明して、絶対に彼ではない他の誰かが悪いんだと言ったところで、あるいは書いたところで、それを聞く(読む)人間の力量がまったく信用できない。まともに聞かない(読まない)可能性もかなりある。どんなに気を遣っても、A局員に迷惑がかかりかねない。
 そして何よりも、面倒くさかった。考えてみれば、今でも月に1回はなにかしらの苦情の文章を書いている気がする(最近はわざわざ電話をかけなくても、大抵は苦情メールで済むからね)。もちろん書くからには、誤解のないように状況を説明し、さらに効果的な苦情にするための常套句のようなこともあれこれ書かねばならない。毎月、英作文の宿題を出されているようなものだ。
 そんな状況で、相手に理解してもらえるかどうかも分からない苦情をくだくだと丁寧に文章で説明するのが面倒くさかった。今までの経験から、苦情を言ったところで何の対処もされない確率が高いことも分かっている。そんな報われないことのために時間を割くより、内心ムカつきつつも黙って荷物を取りに行くほうが楽だったのだ。
 冒頭でアメリカのサービスが昔よりマシになったって書いたけど、苦情がメールで済むようになったというだけで、実は大して変わってないのかもね・・・

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