脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

リラックス

2008-03-25 | Weblog
3月30日は同盟ジムのスパ大である。
選手には練習試合やからそんなに重く考えんでいいと言っているが、出場する選手達は結構緊張している。
試合になると緊張しない人間などいない。それはたとえ練習試合であってもそうだ。
自分の場合は試合場に入るとなるべく、選手達と行動を共にしなかった。
練習前の気合いを入れる儀式や練習を行ったが、それ以降は選手達からはなれて音楽を聞いたり、試合を見に来てくれた友人達と話したりして試合を待った。
考えてみれば試合前というのは誰でも緊張している。
それがトーナメント戦であるならばなおさらのこと、試合前の雰囲気はピリピリしていて、みんな戦争に行くような顔をしている。
そんな中で本当にリラックスできるはずがない、さらに緊張を強いられるだけである。だからなるべく選手達のそばにはいなかったのだ。
話は変わるが、人間が一番集中している時の目というのがどういう目であるかということを知っているだろうか。
集中しているということから、何かにむかってものを射るような目、そんな力強い目を思い浮かべるだろうと思うが、実は違うらしい。
ある学説によると意外にも人間が本当に集中している時は、そんな目ではなく遠くを見ているような一見ぼーっとしているような目をしているらしい。
身近にたとえると鉄棒を、飛び上がってつかもうとするときのような遠くを見ている目だろうか、そんな状態であるそうで、集中というのは気合いを集中させることではなく、リラックスした状態がともなわなければ、人間は完全には集中できないのだ。
最近のスポーツ学はこのことをよくわかっているので、リラックスすることを考えているのであるが、しかしこのリラックスすると言うことは、特に試合に於いて個人レベルでは難しい、そのリラックスできる環境をつくり出してやらなければ、本当の意味でリラックスすることはできない。
自分の場合はその選手達の集団からはずれることで、ある程度リラックスすることができたが、しかしまわりの人間がそのような状況をつくってやったり、言葉をかけてやることは重要であり、大事なことである。
自分のトレーナであったジョージという人は実に相手の緊張を解くことがうまかった彼は魔法の言葉をもっていたのだ、私が今でも思い出す言葉は「yellow」である。彼も同じ黄色人種であったのだが、前日か2日前ぐらい彼から肌の色の違いについていろいろと聞いたことがあった。
彼は言う、黄色人種は日本では偉いと思いあがっているがここではだめだと。
そしてボクシングは下層階級のスポーツらしい、日系人もその貧しかった時代はボクシングが盛んであり、多くのチャンピオンを輩出したというのだ。
話は試合場でのことだが、その時どういうわけか自分のまわりの競技者はアジア系が多かった。
自分は少し緊張してまわりをきょろきょろ見渡したのだが、そんな自分に彼は皮肉ってこういった「yellow」と自分は笑ってしまった。
黄色人種が下層階級なんて言う発想などなかったし、そのことを疑ってまわりを見渡したのでもない、しかし彼はそれを皮肉って「なあ、そうだろう」というブラックジョークを込めて私に言ったのだ。
この爆笑によって自分の緊張は説かれたことは間違いなかった。
断っておくが自分はそういう人種差別的な言葉は好きではないし使わない。
しかしここで言いたいことは、試合前リラックスすることは重要なことであり、それを、いとも簡単に言葉によってつくり出す魔術師がいたと言うことである。


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