脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

Πλατων  

2014-01-29 | Weblog
だいぶ昔にならったことだが、プラトンの思想に哲人政治という考え方がある。
プラトンによれば、もともと人間というのは真実を見る力がない、実は我々が見ている真実というのは天界からうつる影で、我々はその天界から映る影を見てそれが正しいものだと理解している、そしてその見方やとらえ方は人間によって違うというのがプラトンの考え方である。
例えば三角形と言うのは3本の直線で囲まれている形と定義されている、この3本の直線で囲まれている形そのものも言葉で定義すればそうであるが、しかし我々はこの真実の三角形をとらえていない、我々が見ている三角形というのは天界が映し出す三角形の影であって、そのとらえかたには個人差があって、プラトンによればこの三角形を一番正確に近くとらえているのが、知を愛する哲学者で、その真理を一番よく知る哲学者たちが政治にかかわり、国をおさめていくことが一番理想的であり、正しい政治のあり方だとしたのがプラトンの哲人政治だったと思う。
まあこの考え方は孔子の目指す考え方でもあって、どちらもBCの時代の人間なので表現の仕方はいささか時代錯誤であるが、しかし彼らの考え方は、組織のつくりかたとしては正しいとらえ方だ。

だいぶ前にボクサーの引退式をテレビで中継していた。
夏の暑い日であったがそこにはたくさんのボクサーたちが集まっていた。
しかしその様子を見ていて不快な気分になった、なぜならそれはそこにいた奴らが式典というのに私服で参上して、式辞を聞いている間もがさがさして落ち着きがなかったからで、ボクサーとしてはどうかわからないが、態度を見ていて、社会人として明らかにかけがあると思ったからである。
この式典にでていたのは、何とかチャンピオンとか何とか何位たちであるが、はっきりいって懸念しているのは、こういう人間でもそれができるからと言って一目置かれたり、特別な存在でいれることで、そういうことはプロの世界ではどうか知らないが、しかしこういう社会人が集まるクラブでは認めてはいけないことだ。

ここでは決してそれだけしかできないというような人間が尊敬されたり、人よりもアドバンテージをとることはない、ここではむしろ大事なのは人間としてどうかということで、人間は誰でもかけがあるが、しかし明らかに社会人としてかけがあるような人間はいくらそれができてもエライなどとは思われない、むしろそういった人間よりもフランス語やドイツ語が話せる、TOEIC990点とか英検1級とか特別な資格を持った人間のほうが一目置かれるクラブであり、それはここでトレーニングするほとんどの人が、社会で真面目に生きて責任を持って仕事をしているからだと思う。
まあTOEIC990点の人間が偉そうにしたり、これみよがしに英語を話したりすることはないが、しかしこういう知的な部分を大事にすることは、その群れを正しく健全に運営するには不可欠であり、大事なことであると思っている。
哲人政治ではないが、この時代にしっかりとした倫理基準を持ちバランスよく生きていくには、しっかりと考えてものさしを持つことが大事なことで、そのことはその群れがどういう群れかということと深く関わっていると思う。
ここではそれしかできないサルのような奴が10人来るよりも、コモンセンスを持った人、さらにひとりの知的な人が来てくれる方がクラブのバランスがよくなると思っている。
ここにアホなルールがないのは、そういうルールをつくったり、厳しくしなければ秩序が保てないというような場ではないからだと思っているが、サルのようなと言うのはそういうルールや厳しさがなければきちんとできない奴のことである。そういう奴をなるべく集めないことが健全にクラブを保っていくことだと思っている。

しかし自分には何も取り柄がないという人も大歓迎だ、わたしが根本的に言いたいことは社会とここを乖離した世界にしたくないということ、たけしの漫談で昔は金持ちだけど勉強ができない、勉強ができるけど家がまずしいなどとお互いにアドバンテージ、ディスアドバンテージを持っていて、けんかをしたらお前バカのくせに、何を言っているんだお前は貧乏のくせにとフラットなけんかができたが、しかし今は貧しくて勉強できないなどと、かなりあぶない言葉で社会風刺をしていたが、それしかできないような人間が特別扱いされたり、ちやほやされたり、場合によっては社会人の会員よりも、ボクシングクラブのほうがでかい顔をしているようなクラブではいけない。
一応あいさつして敬語らしき言葉をつかっても、俺は今度試合にでるんだよ、俺何とかチャンピオンだよ何とか何位だよという雰囲気をかもしだしている、そういう奴らがいごこちを求めて刑務所仲間をたよって集まってくるような場には、しないさせないという考え方で運営している。
おおげさのように聞こえるが、しかしちょっとしたことでバランスはくずれる、そういうことがおこらないように、特に社会人に安心してトレーニングしてもらうためには、言葉を大事にしてクラブを運営している。
















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