「人生を面白くする 本物の教養」の中に「私にいくばくか教養のようなものがあるとすれば、それを培ってくれたのは、「本・人・旅」の三つです。私はこれまでの人生で、「本・人・旅」から多くのことを学んできました。あえて割合を示せば、本から50%、人から25%、そして旅から25%ぐらいを学んできたといったところでしょうか。」と書かれている。私の学生時代の話になるが監督はよく「リングをおりたらジェントルマンであれ」と言っていたが、この言葉は何の実績も根拠もないのに文武両道とかしらじらしく言うのではなく、監督自身教養が高くて、所作も身につけているので、すごく説得力があった。よく運動部で礼儀と言うけれども、でかい声であいさつとか敬語もどきの言葉を使って服従することが礼儀ではないだろう。私は正しい日本語を話すことが礼儀正しいことだと理解しているが、敬語もどきをつかって相手に服従の姿勢を示すぐらいは反社でもできることだ。私が解釈するに監督の言う「リングをおりたらジェントルマンであれ」と言うのはコモンセンスとエチケット、教養を積む、そして弱者をいたわることがそうであり、そのため本を読んだり、半グレのような集団ではなく、大人が集まるコミュニティで人と交流すること、そして外の世界に出て行って見聞を広めることは必要なことだと思う。海外に出ていっていろいろな国の人間と交流を持てば、日本がいかに裕福で、自分たちは恵まれた環境で生きているという事がわかるだろう。そして私自身もドネイションをしているが、それは海外で友人がかかわっていること、そして話を聞いて、自分も何か役に立ちたいと思ったからであり、私の人の役に立つ仕事をするという考え方はその体験が大きい。
ジムで英語やほかの言葉が話せて、教養ある人が一定数で存在することは子供にとって大きなアドヴァンテージだと思う。不良がボクシングやったからと一時的に変わるというのではなく、ここに来ていろいろなことを押し付けられることなく雰囲気の中から学んで成長する、家族の人が安心できるようなジムにしたいと思っている。
参考文献 「人生を面白くする本物の教養」出口治明 幻冬舎新書