脱あしたのジョー

MTオリーブフィットネスボクシングクラブのブログ

荘子「山木篇」から

2018-09-02 | Weblog

荘子の有名な言葉に「小人の交わりは甘きこと醴の如し、君主の交わりは淡きこと水の如し」という格言がある。これは小人はべたべたした付き合いを好むのにたいして、君主はさらっとした人間関係をもって人と接する。ゆえに君主はその人間関係にとらわれずに公平に見れるという意味である。このことはマズローも自己実現を成し遂げた人の特徴の中であげているのだが、体育会の組織がまともに機能しないのは、各人がべたべたした付き合いをするからだ。私から見たらその組織は監督がお父さんで長男がいて次男がいてとそれは組織と言うよりも昭和時代の家族ごっこである。もうこれ以上は今まで書いてきたので特筆する必要もないと思うが、こういう家父長制のコミュニティは今の時代非生産的で、非常に狭い管理社会と不平等を生み出すことは今まで体育会の不祥事を見て理解できると思う。ただこういうことを言っても「自分たちは自由にやらしてもらってます」なんて言う奴がいるが、そういう奴は往々にして自分たちのことしか考えていない、もっと客観的に見てその自分たちの集団が組織、あるいはコミュニティとして正しく機能しているかどうか、そのことをよく考える必要がある。

私が考える最悪のリーダーは仲間集めに躍起になる奴。レスリングの監督はまさにそういうタイプであったようだが、そういう人間はたいてい好かれることや自分が尊敬されたり慕われることが第一の関心ごとなので、何がいいのかわるいのか、そして何が公平なのかと言うことを客観的に見てその組織やコミュニティを動かすことはできない。監督が自分の権威を示すために親でも言えないようなことを人前でその競技者に言うようだが、そういう人権を無視した発言はいくら監督であるからと言っても言っていいこととわるいことがある。しかしそういうことが平然と言われるということは、その組織やコミュニティが公平性をもってしっかりと機能していないからである。

リーダーは人に尊敬される必要はない、一目置かれるということが大事だ。尊敬は嫌いだと尊敬されなくなる。尊敬されなくなったらまわりはついてこないし、言うことをきかなくなる。しかし一目置かれるということはたとえ嫌われても、その人間の存在そのものを認めてるわけだから、言ったことや行動が正しければしたがわざるをえない。そのほうが組織そのものを改革しやすいし、しっかりと管理できると思う。そして一目置かれるためには知性をみがくこと、そしてべたべたした付き合いをしないことだ。特に我々のような社会人が中心のコミュニティにおいてはそれなりの知的レベルが求められる。今時こんな時代に哲学書や心理学、そして社会学を勉強しないような人間はリーダーとしてはふさわしくない。私に言わせてみれば必要とあらば英書を読めるぐらいの能力がないとダメだと思っているが、それしかできない指導者は知的レベルがsubstanderdだからべたべた関係を持たなくてはそのコミュニティや組織を運営することができない。はっきり言って運動クラブのそれしかできない監督の話はうすっぺらい、考える上での基本的な学習ができていない、そういう人間がまともに人が集まるコミュニティを健全に管理できるはずがない。

どこかの監督が運動部のリーダーにリーダーとしての条件とか言う本を渡してこれを読めと言ったそうだが、なぜ中高生の子供にHow to本なのかわからない。普通だったら小説や簡単な哲学書をすすめて人間や社会そして自然環境について深く学ばせるが、私の意見ではHow to本やカーネギーをすすめてくる人間は自己満足でしか読書をしたことがない、所謂学問の基礎がきちんとできていないと思っている。本と言うのは二通りの読み方がある。ひとつはその世界にひたって楽しむために読む。小説を読むということはある意味そうだ。そしてもう一つは格闘すること。そしてこの格闘することで人間の思考や思想の幅がひろがると思っている。私自身も学生時代はすごく難しい哲学書を読んだ。3ページぐらい読むのに2時間ぐらいかかるような書物はざらにあるが、あまり難しいので本を何度もたたきつけたものだ。でもそうして格闘していくうちにその著者と同化したり、いやここは違うなと考えたり、そうすることによってそこにはもうひとりの自分が存在する。そしてそのことが見えてきたら客観的に物事が見えてきて、自分なりにその難しい本が理解できるようになるのだが、私は本は読むものではなくて解釈するものだと思っているが、この解釈が思考したり、考えをまとめたりする上でのものさしとなる。公平性なんて言うのはきちんとしたものさしがないとダメだ。だからそれしかできないできなかったではなくて、きちんとこれから学習することが大事だ。

 

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