カリフォルニアでアメリカで4例目の、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)が確認されたことで、農務省の主任技師が記者会見を行った。
クリフォード獣医官は「アメリカはしっかりと検査をやっており、それで発見できた。今回のは非定型であり、牛も高齢である」いうのである。
報道では獣医官の発表は、特発性(Sporadic)ということであるが、点在しているという意味であろう。しかし、点在しているのは検査された牛である。
年間4万頭しか検査をやっていない。これは飼養頭数の、僅か4.4%でしかない。検査体制がしっかりしているとは、とても思えない。
本来なら、同居牛をすべて殺処分して検査をするべきである。抗体反応がないために、生前診断はできない。すべて殺処分して、脳閂部を中心に検査をしなけば、陰性の確認はできない。
日本は、発生牛舎でこうしたことをやっている。また、市場に出回る前に全頭検査を行ている。だから安全宣言を行うことができるのである。
また同居牛の餌の検査も行っているとは思えない。なんの見解も発表されていない。せいぜい「特定部位を除去いています」という程度である。
アメリカの、検査体制がしっかりしているも今後の対策も現状の特定もすべて不完全で、発表そのものが嘘である。
韓国は、アメリカ牛肉の検査強化を行うと発表している。日本は野田ドジョウ氏が、緩和を発表したばかりである。
アメリカにはそれがまったくない。それでいて、この主任技師は安全宣言を行っているのである。願望でしかなく、科学的根拠は何もない。
TPPに参入するということは、こうしたこともアメリカ基準に従うということである。
アメリカは、”安全”を売り物にしているのではなく”安価”を売り物にしているのである。
なかば脅し文句である。
単に、味だけではなく価格を安く出来なくなるぞ!とも聞こえる。
アメリカの食に対する不誠実さを、日本の消費者は知らされていない。TPPも食品が安くなるメリットを国は強調するが、制度や規制、安全基準など日本が消費者の為に取り組んできた食への安全は語られる事はない。
BSEは元々、草食動物の牛に動物由来の飼料を与えた事が始まりである。自然界ではほぼ、起こり得ない事を効率重視で人間がやった事の歪みでもある。
原発やGM作物も同様な事が言えると思う。
更に共通するのは、ひとたび問題が起きると人間の手で制御出来ないばかりか後世にまで影響を残してしまう事である。
安さを求めた代償は何倍にもなって帰ってくることになるのだろう。
ボイコットというより、恐ろしくて食べられません。
ビーフを食べるのは、皆でやめましょう。
米国は、「正しいことをしようとすると、罰せられる国です」
北朝鮮となんら変わりません。