そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

チェルノブイリ原発事故から30年、さらに拡がる被害

2016-04-25 | 原発と再生可能エネルギー
チェルノブイリ原発事故から今日で30年になる。年を追って減少し、被害も狭まって限定的になるなる通常の事故やトラブルと原発事故が異なるのは、被害が拡大する水平的な広がり、というより垂直的に一層深くなっていることである。放射能の直接被害の特徴は、皮膚が焼けたりただれたりして、その後年を追って様々ながんや血液障害が発生する、被爆者の個別的な被害にとどまらないことである。
直接の被爆者、内部も外部も含めた被害者の生体内で遺伝子に異常をきたすために、癌などの障害が生じるのである。ところが現在チェルノブイリで、癌のを発症しているのは若い人たち、それも10歳前後の子供たちで起きているのである。母親たちがその子供の年齢で被爆していると思われるが、放射能被ばくとはそうした縦の広がり、世代を超えた被害があることを忘れてはならない。
ところが、チェルノブイリでは30年という時間的な経過を受けて、子供たちの検診の補助や場所の制限を行ってきている。病気や症状が深刻であることを考えると、核事故による被害の恐怖が目に見えない分だけ恐ろしいことであることも特徴である。放射能汚染は、個体差があり、年齢差があり、世代間の変動も大きく、症状にも幅ありすぎて、決定的なことが言えないのである。そのことが原発推進派にとって都合よく解釈されているのである。
日本の安倍政権はそれでも、原発再稼働容認へと様々な手段や巧妙な手口を使って動き出しているのである。今回の熊本地震で活断層の実態を多くの国民が知るところとなっている。その断層上に、伊予の原発と川内原発もある。
原発推進派は交通事故などと比較して再稼働容認を認めるべきとし、「世界で最も厳しい審査」を審査委員会が行っているというのである。世界で最も厳しい地質的要因の日本では、どれほど厳しくても安全の保障などない。それでも推進派も再稼働を恐れているようにも思える。NHKの籾井会長などは、いたずらな不安を与えないためにと通達を出して、鹿児島の震度の公表はないし、川内原発の現状の報道もされていない。それは彼らこそが原発を恐れているからに他ならないからである。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 自民党の牙城を崩してはみた... | トップ | 北朝鮮は暴発国家であるが侵... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

原発と再生可能エネルギー」カテゴリの最新記事