そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

タリバンの蛮行や悪行がアメリカやソ連を上回ることはない

2021-08-20 | 民主主義
報道は世界中で、タリバン政権の暴走を危惧している。ほとんどの不安材料は当たっているであろう。言論の自由や報道の自由、なんといっても女性に対する人権無視が起きることへの懸念が大きい。
しかしながら、アメリカが強大な武力を持って過去最長の戦争20年を経っても制圧できなかったのに、アメリカ撤退を聞いて動き出したタリバンは、僅か3カ月で全土を何故制圧できたかを考えなければならない。ソ連も10数年経って何もできず撤退している。
貧国アフガニスタンに、石油の金満国家サウジアラビアが金に任せてイスラム原理主義者が拠点にしたのは、当然の帰結である。オサマビン・ラディンがアメリカを何故あれまでして攻撃したか、アメリカは検証することなく、暴力的に報復だけを行った。
20年で220兆円もアメリカがこの戦いに投じたが、同一金額を別の形でこの国に使っていれば様相は変わっていたはずである。根底に報復の思想しかなく、国民のことなど考えもしていないからである。
アフガニスタンでは、結婚式会場に無人偵察機が空爆したり、全く無関係な村の農民や住人たちやモスクを爆破したことなど数限りない殺戮をアメリカは重ねてきた。
非民主主義のタリバン政権は不条理なことや暴力的なことを数限りなくやるであろう。それでもそれは、圧倒的な武力で侵攻したアメリカやソビエトのアフガニスタンでの蛮行を上回るとは到底思えない。
最も有効な方法は見当たらないが、他国が銃を持って善人面して支配できないことは、今回の3か月のタリバンの全国制圧を見るとハッキリしている。
そのことをソビエトとアメリカに学び、淡々とこの成り行きを見ているのが中国である。

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3 コメント

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ペシャワール会誌 (和久希世)
2021-08-21 14:16:34
先日自分のブログに載せたものですが、
中村哲さんがペシャワール会誌の
2019年7月3日号 NO.140
中村哲さんの現地報告 「2018年度の概要」の中で、タリバンの事を下記の様に書いておられます。
2018年段階で既に、タリバンは農村で広く受け入れられていたようですね。
     (一部複写)
依然として都市部で治安が悪く、農村部では秩序維持のためにタリバン勢力に頼る村落が圧倒的多数を占めている。
人々の間で厭戦気分が広がり、和平への動きが活発化している。
2018年6月、内戦が始まって以来初の「ラマザーン明け休戦」が、政府とタリバン勢力との間で実現、東部では完全に協定が順守され、和平への動きを加速した。
同年十月、タリバンの「農業・牧畜・ザカート委員会」が干ばつ避難民救済を呼びかけ、国際団体の保護を表明した。
2019年4月には和平国民会議(ロイヤルガ)が開催された。
東部を根拠地にしようとするIS(イスラム国)は、政府軍やタリバン軍との戦闘に圧されて下火に向かい、限局した動きとなっている。
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Unknown (mobilis-in-mobili)
2021-08-22 10:23:28
先日アメリカのアフガン統治に関するニュースを観て『そういうことだったか‼️』と目からウロコだった。
アメリカはアフガン政府軍を支援した(実際に兵士の給料も負担した)が、汚職が蔓延して給料は兵士に渡らなかった(全て上官がネコババした)兵士の士気は上がらず、戦う覚悟もない。『アフガン人が守らない国をなぜアメリカ兵士が守るのか』とバカバカしくなって、全面撤退が決まった、というのです。統治に問題はあったのだろうが、これなら当然だと感じました。
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mobilis-in-mobili 様 (そりゃないよ獣医さん)
2021-08-22 10:29:08
今朝のサンデーモーニングが比較的正確で客観的な内容でした。
何より2年経って大金と武力をつぎ込んでみたが制圧できなかった勢力が、たった3カ月で制圧できたことを正しく理解しなければならない。
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