民主党が世襲の規制を打ち出している。自らが世襲でないために、世襲の究極形ともいえる安倍晋三をターゲットにしたのであろう。3親等以内は同一選挙区の立候補を禁止したのである。
小泉、安倍、福田、麻生、鳩山と世襲がひと時続いてはいた。世襲そのものが問われるのはそれはそれで正しい。
それではなぜ、国会委員は世襲をするのであろうか? 親族に2代3代と、どうしても継いでもらいたい、よほどの理由があるはずである。国会議員などの政治家が抱える、利権や名誉など辞められないほどのものがるからである。
上記の世襲ボッチャマのお住まいは、信じられないほどの豪邸宅である。自分一代で辞めるには勿体ない。それほどのうま味がある国会議員の在り様そのものが問題なのである。
古くは国会議員などは「井戸塀(いどへい)」と言われたものである。資材を投げ打って、結局は井戸と塀しか残らなかったというのである。
3親等以内の同一選挙区の立候補を禁止するのは、単なるパフォーマンスでしかない。うま味を手放さない反国民的な、国会議員の位置づけ内容について何ら踏み込むことなく、対立党首と際立たせるだけの小手先の公約でしかない。自らをドジョウと言い放ち、民主党党首選挙に勝利した手法と同じである。
もう一つ、野田は自民党の自衛隊を国防軍にという公約に反対はしていない。「今すぐにはできない」と言っているだけである。聞きようによっては、自分もやりたいがもう少し先だと言っているのである。
前回の民主党政権の変質のように、国会議員の虚言は通例になりつつある。嘘を吐いてでも、国会議員を続けたい理由こそ、世襲の根源的な理由なのである。