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舛添要一東京都知事の政治資金問題というより公金横領に近い、セコイ男のセコイ金と政治の問題である。文春が舛添がヨーロッパに視察という名の大名旅行をすっぱ抜いたのはもう一月も前のことである。5千万円もの出張である。ホテルや食事の超一流の豪華旅行を報じたが、マスコミはあまり動かなかった。
ところが、家族の新年の会食や別荘へ公用車でお帰りが報じられたら、一斉にマスコミは特集を組んでこれでもかと叩きだした。奇妙な構図であるが、この男にはバックがいない。むしろ逆である。
猪瀬が金の問題で退陣して舛添は自民党の推薦を取り付けた。前回の安倍政権が選挙で敗北すると、窮地にある出自政党を良いだけ批判し党を飛び出し「新党改革」を立ち上げた。自民党は除名したのであるが、落ち目の自民党から数人の国会議員を集め政党要件を満たした。根のない政党はすぐに消滅状態となって、代表の舛添は政党助成金をまんまとせしめて国会議員を辞めた。公金の横領であるが咎める法律はない。
都合のよいタイミングで東京都知事選挙があり、タレント活動のお盛んで顔の売れていた舛添が当選した。自民党は勝ち馬に乗った格好であるが、安倍晋三は本来の主張に沿うなら思想的に近い田母神を推薦するべきであった。
舛添は以前にも都知事選には立候補して、自民党の鳩山邦夫を落選させている。東京都の自民党にはその時のしこりもあり、推薦したが良好な関係とは言えない。
つまり、どうも今回の舛添叩きは極めて不自然な流れになっている。東京オリンピック誘致に全く関係なかった舛添は、甘い汁を吸いたいのであるが、そうはさせじと反作用があるのではないか。内部リークが多すぎる、些末な金の問題である。
ここにきて、国会議員だった当時、絵画の購入などで政治資金の問題すら浮上するという不自然さである。好きなだけ自民党を手玉に取って綱渡りをしてきた舛添には、甘利のように擁護してくれるバックがない。このまま居直り続けるには相当の覚悟がいる。辞任は時間の問題のように見える。
だが、例えば、もし一人でもあのムヒカ氏如く人物が居て、金儲けや利権のためではない本物の政治を行えば、おそらく様々な問題多くは解決するのではなかろうか。本来勤勉実直な日本人庶民の資質は捨てたものではないはずだ。だが、それに反して日本にはまともな指導者がいない。全うな政治がない。権力持たせるとそれを私利私欲に利用する不埒で卑しくさもしい者が殆どだ。そして彼らは節操なく自己の欲得追求に走る。
少なくとも、コイズミやアベシンゾー如くが権力を手にすることを防ぐためにも、日本もスイスのように直接民主制を取入れて、首相や裁判官などの選出や罷免を行える国民投票を導入すべきではないかと思う。現在の似非民主主義や似非三権分立制度を改める意味ででもだ。
マスコミは個人のモラルを徹底的に叩くが、権力構造に切り込む記事を見る機会は少ない。
マスコミは桝添をセコイと叩いても、大臣室で企業の金を受け取った甘利を静観している。
政府はTPPの交渉過程は秘密で中身が重要と主張する一方、憲法は中身より占領軍の作った成立過程を問題にする。
極めつけは、阿部首相の憲法改正に指一本触れないのは思考停止との国会言だ。
こういうのを、世間では二枚舌という。どの方向から見ても、物差し(基準)は変わってはならない。
ついでに何を血迷ったか、もんじゅ(研究開発段階炉)も研究を継続すると政府は発表した。
原発が再稼働できなければ損害賠償を求めるとの電力会社の脅迫におびえ、核のゴミ処理は政府が責任を持って決めるという。
人形峠の放射性廃棄物問題など、知る国民はいなくなったのだろうか。
こちらの思考は、頑なに一貫した物差しで企業(資産家)を擁護している。
どこか狂っている。汗水流して納めている税金なのに、誰のために使われているのだろう。
発展途上国と日本を比較しても、美しい日本を取り戻すことはできない。