老後は年金だけでは立たず2000間年必要という報告書を出した金融庁企画市場局局長の三井英範氏が定年退職した。させられたといった方が正しい。同じ年の金融庁遠藤俊英長官は留任する。このあたりの管理職が、60才の定年退職するのは極めて珍しい。
安倍晋三が政権を取って真っ先に手掛けたのが、内閣人事局である。この人事権を背景に官僚を脅し続ける。意に沿わぬものは外す、息のかかった人物にはポストを与えた。まずは、法律のプロの頂点になる法制局の長官に法律の素人を据えた。従来の持ち上がりで誰よりも慣例を熟知する法律の専門家を排したのである。安倍晋三に任命された法制局長官は、自民党でさえ「集団的自衛権は所有するが憲法上、行使できない」とする見解を一変させた。「集団的自衛権は所有し行使できる」といわせたのである。
その後の官僚の忖度のオンパレード、公文書を隠す、隠匿する、改ざんする、報告書が気にくわないと受け取らない。安倍政権の政治家たちに気に入ってもらうために、従順なポチに成り下がる。日本中の官僚の質がどんどん下がってくる。魚は頭から腐る。政治が腐り高級官僚が腐り、地方の木っ端役人までもが質を落としてくる。
官僚だけではない。政治家も腐ってくる。小選挙区制と政党助成金で政治家も腐り単一化する。単一化した政治家は論戦もできない。政治を熱く語ることもできない。失言に気を配りとポピュリズムに没頭する、権力者への忖度し願色を伺うばかりである。
「恥を知りなさい」と野党を怒鳴った三原じゅん子は、きっと彼女が満足するであろうポストが近く与えられるであろう。