福島原発事故では、どうにかした放射能汚染を過小評価したい東電と、再稼働のスケジュールをテーブルに上げたい自民党が、いま起きている現実からなんとか国民を遠避けるようとするばかりである。
日本野鳥の会は、事故が起きた一カ月あとから野鳥の調査を行っている。野鳥はせいぜい5年生きればいいところである。毎年子育てを春に行う。世代交代が人間の数十倍分で行われる。遺伝子上の変化などが現れやすく、研究者たちの観察対象になっている。
ツバメの尾羽の片方が短いのが複数いるとは、事故直後の報告であった。今年になって、白化した個体の数がかなり増えているとのことである。巣の周辺からも個体からも高い放射線が確認されている。白化とは、頭部の赤い部分などに白い斑点などが入る状態のことを言う。
ツバメの鮮やかな赤い色の元になり、免疫機能も高める「カロチノイド」が、放射線量の高い個体ほど少ないというのである。これは、チェルノイブリで観察されたことである。このことが、福島ではもう始まっているというのである。
放射能の影響は種によって異なる。留鳥よりも長い距離を飛んでくる渡り鳥の方が、影響が大きいと言われてもいる。渡りによって体力を使い、カロチノイドなどを消耗するなどして、放射能の影響を大きくけると思われる。
最近日本全国で減少傾向にあり、そうしたことでも問題になっているツバメではあるが、ツバメは泥や藁で巣をつくる。泥や藁は放射能汚染をまともに受けているところである。それを集めて、唾液で固める習性上、より一層影響を受けやすいと思われる。
生涯年数の短い動物の観察は、放射能の影響を人より早く教えてくれることになる。放射能の影響は不特定の遺伝子上に現るために、断定できないことが多い。チェルノブイリの観察は、社会体制のことなどもあって、事故後数年たってからの観察である。福島ではそれがすでに始まっているのである。
福島原発の放射能汚染は、地下水の汚染や海洋汚染が継続している。古里に帰りたい人たちの心情は判らなくもないが、野生動物たちの奇形化が始まっているのを見るだけでも、帰還は非現実的選択と言えると思われる。
このツバメの記事を見て、茨城在住の小説家の友人、宮ノ川顕さんのブログに掲載された写真のツバメが当てはまると思いました。
友人のブログは日付記事に直リンク貼れません。ぼくのブログに再現しました(引用等に関しては相互に了解済みです)。記事は7月20日です。
http://newdamoya.web.fc2.com/newdamoya/newdamoya.htm
http://rimbaudblog.blogspot.jp/2013/07/blog-post_28.html
ぼくの父親(故人)は植物生態学の教授でしたので、ぼくは異分野に進みましたが生物の生態には今でも興味を持っています。
取り急ぎ、ご報告まで。
何か、ご意見等ございましたらご連絡ください。
①根本的には地上、地下(メルトダウンした原子炉)、伏流水を含め放射能を遮断するための巨大装置(大型原子炉の再構築)をし放射能を閉じこめる。国も電力会社も夢想だにしない(そんな巨額な予算はないと言う)でしょうが、「安物買いの銭失い」という諺ほど解りやすい説明はありません。
②安全性を確認できれば原発再稼働をすると公言する阿部政権。
ならば、遺伝子変異等の研究を政府を挙げて取り組むべきです。福島の放射性物質の影響で、チョウに関して遺伝的な異常が出たとする論文が出されましたが、その反論がすさましい様です。
チェノブイリでは居住制限続きが今も続き、野生化した動植物で新しい生態系が再構築され、報道に寄れば遺伝子変異が確認されているようです。