日本では圧倒的にウクライナ寄りの戦果が報告されている。評論する人物も、防衛省職員だったり笹川財団職員たちが多い。ロシアの有利はあっては困るのだろう、一月前にあれ程がなり立ていた、ウクライナの反転攻勢はほとんど成果が上がっていない。地雷が戦車の行く手を阻むか、空挺部隊の投入が効果的だったなどと説明する。
どうも日本の軍事評論家は、「正義は勝つ!」とする、概念が底辺にあるように思えてならない。彼の分析によれば、ウクライナ軍は世界から支援を受けて、連戦連勝であったはずであるが、現実には反転攻勢は遅々として進んでいない。
ロシアのプーチンのウクライナ侵攻は明らかに侵略行為であり、当初の目論見も内政干渉に他ならない。2014年のウクライナ大統領選挙の違法性の主張が正当であっても、同年のクリミアの占拠も編入に理由があっても、ウクライナ侵攻と空爆は侵略に他ならない。
小国は大国に文化的に、政治的に、経済的に影響を受けるのは常であっても、暴力的な制圧することなどあってはならない。
ウクライナ侵略の最前線に、少数民族や受刑者などを優先して闘わせるなどとは、大ロシア民族の統一などのお題目とは明らかに矛盾する。
ウクライナ寄りの情報が圧倒的に多いのも、ロシア側の言論統制などがある以上は致し方ない。そうしたことを考慮してみても、ロシアの侵略に正当性などない。仮に平定しロシアに編入させてみたところで、多くのウクライナ国民がその後も従順であるはずがない。武力による平定は意味がないことを、プーチンは知るべきである。
ロシアを兵器を供与することで、経済制裁することで、敗北に追い込むことも不可能である。核を所有しているかではなく、近代では戦争の敗北の形態が決まっていないからである。