京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

母から娘へ~打ち掛けを染めた振袖~

2011-12-08 17:15:57 | 仕事
今日、来年の成人式のお嬢様の写真の前撮りのため、お着付けをさせていただきました。

ちょっと、別誂えした特別なお振袖ですので、紹介させていただきます


話はさかのぼること、こちらのお嬢様が七五三のころからですから、10数年前になります。
お母様が、ご自分の結婚式でお召しになった打ち掛けを解いてお持ちで
お嬢様のお振袖にできないかな~~なんてお話をしていました。

そして・・・、
2年前の我が家の娘用に染めた雪輪の柄の振袖をご覧頂きそれを参考に、
昨年末、いよいよ同じように誂え染めでオリジナルの振袖を作ることになりました。


長く保存してあった内掛けの生地をお持ちいただき、アレコレ考え・・
柄はやっぱりわきごのみの「雪輪」の大胆な柄に・・・

まずは地色、お嬢様のお好みを一番に伺い・・・お好きなブルーに決まりました。

帯も、お母様のものを使いたいというご希望で、帯の朱の色が沿うように
ブルーに合う色ということできれいなクリーム色をもう一色選んで
雪輪と桜を絞りで染めてもらいました。

どうか、イメージどおりに染め上がりますように・・・
私たちも、お客様も、ワクワクどきどきしながら
染め上がりを待ちました。





出来上がりはご覧のとおり、打ち掛けの鶴の地紋がきれいに出て
誰も着ていないオリジナルのお振袖が出来上がりました。

さて、大物ができたので、次は小物のコーディネートです。
結構頭を悩ませましたが、これもまた楽しい時間でした。







お草履も、職人さんが来てくださったときに、鼻緒を選び、オーダー。
通常の台に薄いピンク色をはさんで高さと華やかさを出しました。
お振袖だけでなく、卒業式や訪問着に合わせるなど、その後、しばらく
使えるようにと・・・






今日は、写真撮影を意識して、着付けも正統派
(写真は後に残りますので・・何年もたってから見ても変ではないように・・と思います)
帯〆や帯揚も、今風な遊びをやめて、きっちりと。
帯もたて矢にしました。





スマートなお嬢様ですが、身巾など寸法もあわせて染めていますので
着姿もきれいで、着付けも楽です。


ほぼ一年をかけて、こうしてお振袖を準備してきました。
何度も打ち合わせをしたり、お越しいただいたりして大変でしたが
着物好きのお母様も、着物に触れるのはほとんど初めてのお嬢様も
楽しくて素敵な振袖作りだったのではないかと思います。
そして、私たちにとっても、とっても楽しいお仕事でした。

成人の日に、またお召しいただけるのが楽しみです







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