京呉服わき ごふくや日記

着物って楽しい!
呉服屋の女将の独り言?楽しいことや裏話、思うままに・・・

30年を振り返ると、ただ感謝・・・です

2017-12-13 13:41:29 | 仕事
今月は、30周年記念の最後の催しをさせていただきます。

この機会に今日は、30年を思い返して私の思いを書かせていただこうと思います

当店は、歴史ある老舗でもありません。
住宅街の目立たない場所で、立地もよくありません。

こんな当店がこうして30年店を続けてこられたこと、心からお客様のおかげと感謝しております。

主人の父が京都で呉服の卸を営んでおり、長男である主人が後を継ぎ
徐々に一般のお客様に販売をするようになり、今の場所で店を始めることになりました。


知り合いも地盤も何もなく、皆さんに知って頂こうと最初に催しをした時にも
ご案内を送ったのですが、友人・知り合い、かき集めても10数枚にしかならなかったのを
覚えています。

それを思うと、よく30年やってこられたな・・・って思います。

その頃一軒一軒ポスティングしたチラシを見てお客様になってくださり
その後、ずっと30年間お客様でいてくださるお客様もいらっしゃいます。
着物の御用は、そうそう頻繁にあるものではないので
必要な時一度だけ、何年かに一度、10年に一度、とお越しくださるお客様も
いらっしゃいます。

あらためて考えてみますと
ずっとお付き合いくださってるお客様はもちろんですが
こうして、これまでお越しくださったたくさんのお客様、皆様のおかげで
ここまでこれたんだな・・・と感慨深く思います。

主人が30そこそこ、私はまだ20代でしたから
お客様から見れば、呉服屋としては、若くてさぞかし頼りなかったのではないかと思います。

私など、ほとんど、ど素人でした・・・
でもそのことは、逆に、お客様に近い立場で考えることができました。

「着る人の心、大切に・・・」
主人と店をやっていくうえで掲げた方針です。

30年前は、まだ着物も売れていた頃で
世の中には、呆れるような販売をしていたところもあり
「素人」の私はとっても疑問と腹立たしさを感じたりしていました。

売るだけ売って、ほったらかし・・?
それじゃあ、ダメなんじゃないの?
・着物を着てもらうこと
・着物を着たら、そのお手入れもさせてもらう
呉服屋としてやらなきゃダメでしょ!って

名もない若い呉服屋ができる事は、お客様目線に立つことでした。
着物に関する事は、なんでもお任せいただけるような店でありたい
たとえるなら、かかりつけのお医者様があるように
かかりつけの呉服屋になりたい。

当時は、大山にもたくさんの呉服店がありましたので
いつか大山で一番の呉服屋になろう!って、目標にしてました

お客様の立場に立って考える事は
今でもずっと基本の姿勢で変わりません。
こういう場合、私ならどうする?どうしたい?どうしてほしい?と考えます。

だから、自分が気に入ったもの、いいと思ったものでなかったら
お客様にはお勧めできない・・・たぶん商売は下手です

若い時に、主人と一緒に仕入れに行くとオジサンばかり。
どうして女の人が着る物なのに、女の人が少ないのかな・・って素直な疑問でした。
私は、出しゃばりなこともあって、
お客様に勧めるものは、自分も見たい、選びたいと思っています。
「これ、おしゃれでしょ~~」って自信を持ってお勧めしたいですもの。
どこかにお勤めしてたら、「これを売ってください」といわれるのでしょうが
自分のいいと思ったものをお勧めできるのは幸せな事だと思います。

30年の間には、
一生懸命お客様のことを考え、尽くしたつもりでも、伝わらなくて涙したこともありましたし
逆に、気づかぬうちにお客様に不愉快な思いをさせていたこともあったのだろうと思います。
反省も繰り返しながら
お客様にも育てていただいたと思います。

最近は、着物に対する価値観が変わってきて
少しついていけないな・・・って落ち込むときもあります。
着物のことを分かる人が少なくなって
少し横柄な言い方ですが、「教える」ということも
これから私たちの仕事かなと思えてきました。

作り手の皆さんや職人さんたちの状況もますます厳しく
着物を着てくださるお客様と接する私達が
魅力を伝え、もっと着物が着てもらえるように・・・やっぱり頑張らないと。

これからは健康にも気を付けながら、
皆さんにますます愛される店を目指して頑張りたいと思います。

皆様、本当にありがとうございます
どうぞ、これまで同様、これまで以上によろしくお願いいたします。

週末からの催しは感謝祭、お祭りだと思って皆様遊びに来てください。
特別なお買い得品も用意しましたが
たくさんのお客様がお顔を見せてくださることが、私たちにとって何よりうれしいことです。


まとまらない文章、長々とお読みいただいてありがとうございました。

こうして気持ちを文章にしている間に
お客様から電話が入りました。
先日の日曜日に、留袖の着付けをさせていただいたお客様からでした。
「一日着ていたけれど、着崩れもなく楽でした、ありがとう」って。
わざわざ、お礼のお電話をいただいたのですが、
こんな瞬間、商売のいろんな苦労も忘れ、やっててよかったなって。
単純な私です




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