先日、8日(木)きもの基本講座の一回目「着物の種類と格について」
暑い中、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
感染者が増える中、積極的にお声もかけられず少人数で開催しました
来月は25日(木)「季節に合わせた着物の着方」の講義をします。
興味があったら、次回ぜひご参加ください。
さて、今日は浴衣を自宅で洗うか、洗わないか・・・について
書いてみたいと思います。
先日、若いお客様の浴衣の着付けをさせて頂いたときのこと
「今日一日着たら、浴衣はどうしたらいいですか?」と聞かれたことがきっかけで
またいろいろと私自身が悩むことに
まず、私は、自分の浴衣は、木綿、麻、絹紅梅も、自宅で洗っています。
水に通して洗いたいというのが一番なのですが、洗ったらどうなるかお客様に
お話しする実験でもあります
前述のお客様には、聞かれたとき、これまで通りの自分の考えで
「浴衣は木綿ですし自分で洗えますよ~、良かったら洗い方、教えますよ」と
気軽にお話ししました。
そして数日後、街で着物のチェーン店の前を通りかかったときなのですが
その店の販売員の方が浴衣をご覧になってるお客様に「浴衣は洗えません」
とおっしゃる言葉が聞こえてきて「エッ!?」
素人の客の振りをしてちょっとお話を聞いてみました。
その後、気になりかけて当店のシミや洗いをしてくれている職人さんにも意見を聞いてみました。
その結果、知識のないお客様に安易に洗えると言い切ってしまうと
トラブルになることもある‥、だから、自宅では洗えないと言った方が無難・・・
という事・・・と理解。
洋服でも、「コレ洗えるよね・・・」と思うようなポリエステルや木綿の素材の表示が
ドライクリーニングになっているのを見かけますが同じことだと思います。
確かに水を通すと、風合いが変わったり、色落ち、型崩れ・・・といったことが起きるかもしれません。
丸洗いなどをお願いしている職人さんにアドバイスされたのは
自店で販売しているものは、品物のことが分かっているけれど
たとえばスーパーやネットなどはじめ、ほかで求められたものに関しては
今はどんな染でどんな生地かわからない、何かあったときに責任が持てないから
安易に洗うことをお勧めするのは危険だと。
とても腑に落ちました。
当店のお得意様は、浴衣も長襦袢もできれば洗いたい、
水で洗った方が気持ちがいいという私と似た感覚や考えをお持ちの方が多いように思います。
ですから、反物の浴衣や洗える素材の長襦袢を販売した時には
洗うことを想定して
水通しや、地詰め、縫い糸などいろいろと注意して加工仕立をしています。
もちろん、生地も染も素性の分かったものです。
洗う時のリスクを書いてみます。
水に通すと、生地は縦に縮むことが多いです。横にはあまり縮みません。
長くつけておくと、色落ちすることがあります。
濡れたまま時間をおくと、色が他に移ることがあります。
そこで、注意すること
色落ちするか、目立たない部分を濡らして白い布でこすったりしてテストする。
お湯でなく水で洗う。なるべく短時間で。
洗剤は漂白剤などの含まれていないもの(おしゃれ着洗い)
濡れたまま放置しないで、形を整えて干す。
など、こうして書いてみるとちょっと大切なお洋服を自宅洗いするときの要領ですよね。
私は「ゆかた洗濯ネット」という製品を使うと楽なのでお勧めしてます。
気になったら、店に置いてますのでご覧ください。
基本的に絹は洗えませんが、私は自分の趣味で使うので
古い着物生地や解いた着物を、これまでいろんな生地を自分で洗ったことがあります。
着物を洗うとこうなるんだな・・・と失敗・勉強になることもたくさん
この経験も踏まえて・・・
浴衣、扱いなれてるとご自宅で洗うのはそんなに難しい事ではないと思います。
ただ、苦手な方や、失敗したくない時はプロにお任せするのが無難かも・・・。
以前、私の友人に絹紅梅を買ってもらい、やはり「自分で洗う人」なので
友人として率直に様子を言ってくれるだろうと
シーズン後、洗って縮み具合や様子を参考に聞かせてほしいと言ったところ
「縮んだかどうかなど気にしてない、洗ったら縮むのは仕方ないし、もし縮んでも
気にしないで着るわ」と、なんともおおらかでありがたい言葉。
こんな風に、生地の特性を自然なものとして受け入れてもらえると
とても助かります。
とても長くなってしまったのですが
浴衣を自分で洗うか洗わないか・・・問題、
メリット、デメリットを考え、自己責任で・・という事で
先日、「洗えます、洗い方教えます」とお話ししたお客様には
後日再来店してくださったときに、
洗うリスクと注意点もお話しして、洗い方をお教えしました。
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